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スライムの復讐  作者: シエラ
一章
14/39

4/4改稿


その後はオーガの近くにいるゴブリンを優先的に倒すなど工夫しながらなるべく慎重に先へと進み、2階層と3階層を踏破して今4階層へ続く階段の前までたどり着いた。

ここまでの道中で既にオーガを20体近く倒しており、途中で何度か串焼きを食べて仮眠をとったりしていたが流石に疲れが溜まっているためここで野営をすることにする。


王都を出る前に調達しておいた着火石と薪を取り出して焚火の準備をした後、オーガを取り出して解体を行う。

剣で戦っていた時はすごく硬かったが今がもう死んでいるため少し力はいるものの解体用のナイフでも切ることが出来る。これは生きている間は体の中のコアがモンスターの肉体を強化さしているなどと言われているが本当のことは知らない。


身体が大きいため、解体に少し時間がかかってしまったがとりあえず1体分の解体が終わる。オーガは素材が少なく、コアと肉しか活用価値がないが肉は食べることが出来、美味しいと言われている。

今日の晩飯として早速焚火で焼き、その待っている間に次のオーガの解体も行う。


解体を行っているととてもいい匂いがしてきて空腹なお腹を刺激してくる。途中から解体にも身が入らないため一旦中断して肉に近づいて肉の状態を確認してみると既にいい色に焼けており食べられそうだ。我慢できなくなり肉にかぶりつく。

齧り付くと弾力があるがクセはなく、淡泊な感じだ。個人的にはあまり好き好んで食べたいと思うような味ではなかったが腹が減っていた為、そのまま平らげる。

塩などをストックしておこうかと思いつつ、腹も膨れたため、解体を再開する。


最終的にオーガ15体とハイゴブリン9体倒していたようですべての解体を終えたときにはヘトヘトになっており、そのまま仮眠をとろうかと思ったが今朝夢に見た雷を剣に纏わせる感覚を覚えているうちに練習をしようと素振りを行う。まだ完全ではないが10回に1回くらいは成功するようになった。


練習をしたことでより一層疲れたため、仮眠をとるべく壁にもたれ掛かる。そこでふと朝買った指輪を思い出して収納から取り出してみる。

やはり見た目的には特に変わったところのないシルバーリングであるが見ていると懐かしい気持ちになる。

そのまま眺めていると疲労がたまっているからか少しずつ意識が遠のいていく…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


気づけば見たことがない世界にいた。

見たことのない鉄の塊が動き、見たこともない服装の人が歩いている光景。


そんな人ごみの中を少し幼さが残る女の子と手を繋いで歩いている。離れようとしたが俺の意志では体が全然動いてくれない。

そこでまた夢かと思い、抵抗を諦めてその映像を見ることにする。

しかしこれまでの無声映画のような映像とは違い、言葉が聞こえてくる。それも聞いたことがない言語のはずだがなぜか意味も分かる。


そんないつもと違うことに少し困惑している間にも映像は進み続ける。

会話の内容から二人は幼馴染であり、今日が付き合って一年目の記念日ということでデートしているらしい。


そんな風に二人で散策している映像を見ていると女の子が指輪を売っている露天商を見つけ近づいていく。

ペアリングにしようだとかチュウガクセイ?だから早いとかいろいろ言っているが最終的には二人お揃いの指輪を買い、お互いに指輪を同じ指に付け合うことにしたようだ。

その映像を見ていると幸せそうな感情が流れてくる。すごくポカポカした気持ちになれ、このまま見ていたいと思えてからも少しずつ意識が覚醒していき――




目を覚ますと岩だらけの洞窟のような場所におり、夢から覚めてしまったのだと嫌でも理解させられてしまう。

すごく幸せな気分になっていた為、この落差に暫く動きたくなくなる。そのまま地面を寝ころんだまま手の中にあった指輪を見る。

すこし傷などが見えるがそれは夢の中で見たものとまるっきり一緒の指輪だった。


(恐らく今回夢に見たのもこの指輪を握って眠ってしまったから見た過去の記憶だったんだろう)


この指輪を見つけたときに懐かしい気持ちになったのも元の持ち主だったからなのかもしれない。

そう思い、指輪を夢で二人が笑いながらつけあっていた薬指に付けるとどことなく温かい気持ちになれた。



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