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スライムの復讐  作者: シエラ
一章
13/39

4/4改稿


開けた場所に戻ると残されたオーガが石をこん棒で飛ばして遊んでいた。


(…オーガってあまり賢くないんだな)


無邪気に石で遊んでいるオーガを見てそんなことを思う。しかしこちらとしては丁度いい。石に夢中になっている間に背後から近づき、勢いをつけて斬りつける。

首を斬れればよかったのだがオーガの体長が大きく、油断しているとはいえ届かない為、背中を斬りつけるがオーガの防御力が高いためか一撃では仕留めきれなかった。

しかしいきなりの攻撃でオーガは怯んでおり、その隙にもう一撃くらわして仕留めきる。


他にもモンスターがいないか周囲を確認して安全を確認してから倒れたオーガを収納して一旦休憩するべくポーションを飲みながら壁にもたれ掛かる。

2体目は意表をつけたおかげで簡単に倒すことが出来たがそれでも一撃で仕留めきれなかったことを悔しく思う。オーガ2体倒した現在、どれくらいレベルが上がったのか冒険者カードを出して確認してみる。


・イーライ(繧ケ繧カ繧ッ) Lv.139 ランクE

スキル

剣術:Lv3、雷魔法:Lv4、成長補正、収納、吸収、擬態


あまり苦戦したわけではないが格上のオーガ2体を倒したため、もう少し上がっているかと期待したがレベルが4しか上がっていないことに気落ちする。

人によりダンジョンに潜る頻度も違ってくるため、一概には言えないが平均して一年間でレベルは60~100上がると言われている。それもレベルが低い間の話で、高レベルになればなるほどレベルは上がりにくくなるといわれている。それを考えるなら十分ハイペースで上がっていると言えるが――


(もう少し上がってほしいな……)


今月末までに150以上レベルを上げなければいけない為、もう少しレベルが上がってほしい。


「まぁ考えてても仕方ないしどんどん狩るか」


休憩を終え、引き続きダンジョンを進むことにする。

この階層にはオーガしか出ないようでその後も出くわすのはオーガのみ。慎重に進みつつ、この階層ではオーガを合計5体倒したところで次の階層へ続く階段を見つける。


(腹も減ったし飯でも食べて休憩をするか)


階段脇の岩に腰を下ろし、シーナから朝渡されたバスケットを収納から取り出す。

バスケットの中にはサンドイッチが詰めてあり、挟まれている具材もバリエーションが豊富で野菜から肉までバランスよく入っている。

あの短時間で準備してくれたシーナに感謝しつつ、食べ始める。


束の間の休息を終え、バスケットを仕舞うと次の階層を目指して階段を下りる。

2階層に入り少し進むとこれまで通りオーガが現れるが他のモンスターと一緒に居た。


(ゴブリン?でもゴブリンはもう少しレベルの低いダンジョンにいるはずだからハイゴブリンとかか?)


普通なら種族が違うため、争いになるはずだがこのダンジョンでは共存しているようでオーガとゴブリン3体が一緒に居る。それでもパワーバランスがあるのかオーガにこき使われているようにも見えるが…


(まぁゴブリン程度ならオーガと一緒でも相手できるだろう。一緒に片づけるか)


そう思い、まずは邪魔なゴブリンから片付けるべく魔法を纏い勢いをつけて斬りつける。

案の定ゴブリンはオーガほどの防御力はなく、一撃で沈めることが出来た。そのままの勢いで他のゴブリンも狩るべく動くがオーガの反応が早く、こん棒を振り下ろしてくるが難なく躱し、距離を取る。

そのままオーガから離れているゴブリンを仕留めようと思い動こうとしたときオーガが驚きの行動に出た。

なんと近くにいたゴブリンを掴み、こちらに投げてきたのである。

投げられたゴブリンもビックリしたのか喚いているが俺も驚いた。オーガの怪力で投げられたゴブリンがすごいスピードで飛んできていたのもあるがあまりのことに反応が遅れてしまい、避けようとするもゴブリンもろとも壁まで飛ばされ叩き付けられたことにより背中に強烈な痛みが襲う。痛みで悶えそうになるがこのゴブリンの投げてきたオーガがこん棒を振り上げて迫ってきている。

痛みを我慢して必死に横に飛ぶと先ほどまでいた場所にこん棒が振り下ろされ、投げ飛ばされたゴブリンの頭が吹き飛ぶ。

何とか距離を取りつつ、体勢を立て直して収納からポーションを取り出して回復を行う。すると痛みはある程度和らげることが出来たため、オーガと残されたゴブリンの位置などを確認する。

ゴブリンは先ほどまでいた場所からは動いておらず、オーガと距離は離れている。また先ほどみたいに投げ飛ばされても厄介なため、まずはゴブリンを片付けるべく近づいて殺しておく。

これで残りはオーガ1体。魔法を足に纏わせて移動しつつ、何とかオーガも片付けた。


「はぁはぁ……まさかゴブリンをあんな使い方するとか予想外すぎるだろ……」


まだ痛む背中をさすりながら壁にもたれる。種族も違うため、オーガの中ではゴブリンはおもちゃか何かなのかもしれない。それでも思いもよらない使い方にビックリして攻撃を食らってしまった。その飛ばされたゴブリンを改めてみてみるとこん棒によって頭がトマトのように潰れてしまっている。


(もう少し回避が遅れていたら俺もこのゴブリンみたいになっていたのか……)


そう考えると背筋に冷たいものが走る。


(こういう時はパーティーのほうが便利なんだろうけども目立つわけにもいかないしなぁ……)


見た目もあるがそもそも今はスライムであり、人間ではなくなっている……悲しいことに。

改めて仲間を作ることは無理そうだということを認識して凹みつつ、倒したゴブリンとオーガを仕舞い先へ進む。



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