夢
不快に感じる箇所があります。
小説の設定上必要な事でございます。ご了承ください。
教会の礼拝堂で話す二人の男女。
女性は、この国の宗教である聖アストロメリア教の修道女の証である黒いワンピース。男性は、アストロメリア空軍の紺色の軍服に身を包んでいた。
「 ミズキ 本当に 行くの?」
「 ああ 行きたくないけど 命令だからね」
「 やな 時代ね 戦争なんかしなきゃいいのに 」
女性の一言に、軍服の男性 ミズキは、中性的な顔を歪ませ、思わず周りを確認してましまう。
自分達だけなのは、分かってるが、他人がいたなら、このご時世容赦なく憲兵に突き出されるだろう。
「アスカ。僕だからいいけど 他の人間の前で 戦争するなとか言うなよ」
アスカと呼ばれた女性は、ミズキの心配をよそに、あっけらかんと言った。
「 わかってるわよ あんたこそ、死なずに、帰ってきなさいよ。 もし 死んだら 毎日 あんたのお墓に向かって 悪口 言ってあげるんだから 」
ミズキは、片手を上げアスカへ手を振りながら答える。
「 わかったよ。アスカ 必ず帰る。 じゃ またね」
振り返ることもせず 教会からミズキは、出ていく。
ピピピ と聞きなれた携帯電話のアラームで目が、覚めた。
「 夢かぁ しかも アスカと最後に会話かわした時の 」
「 ミズキ 起きてるのか? 今日は、登校日だろ?」
階下から 道春父さんの声が聞こえる。 僕は、制服へ 着替えながら返事をした。
「 起きてるよ。 着替えたら 下へ降りるよ」
「 早くしろよ 遅刻するぞ」
夏休み中だけど、学校の登校日。 終業式の日に聞いた話だと今日は、 平和学習だ。この町で 空襲があった時の話を 近くのお年寄りから 聞く。
その後 感想文を書いて 終わりの予定。昨日 唯花と遊びに行ったとき 面倒くさいと言ってたけど あっちの世界で戦争に関わった人間としては、気になる話だ。
いつものように 自転車に乗って学校に着くと、校門の所で唯花と会い、一緒に教室へ向かう。
久しぶりに 会うクラスメイトと話す。運動部に入ってる子は、毎日部活とかで 大変だ。
ちなみに 僕は、茜姉さんに人数が足りないからと 手芸部に無理やり入らされた。英語教師なのになぜ手芸部顧問 なんだろう?謎だ。それはおいといて 朝のホームルームの後 体育館に背の順に並んで 向かう。 僕は、 クラスでも 背の低い部類なので 前のほうになる 。
1年生から3年生まで 体育館に 集まると狭く感じる しかも 夏なので暑い。
「 こんな時にさ、 体育館で1時間も 話を聞かなくちゃいけないの?面倒くさい」
「 うん まぁ 」
僕の前に並んだクラスメイトの愚痴を聞き流し 前を見る。
話をしてくれる人は 80代の男性だった。
燃える町を 母と妹と逃げる最中 崩れてきた 建物から 母が、庇って死んだという ところを聞いたあたりで まわりの女の子達が泣きだす子がでてきた。
僕の前の子も話を聞く前は、散々文句言ってたのに泣いてる。 僕もこっそり泣いてたけど。
だけど、今朝見た夢は、偶然なんだろうか? たまたま戦争の話を聞くと分かってたから、見たんだろう。
僕は、そう結論づけたのだけど、まさかこの後、あんな事が起きるとは思っても見なかった。