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戸惑い

 道春父さんに、養子にされた僕、数日たったある日の朝。めざまし時計が鳴っても、惰眠を貪っていた僕は、叩きおこされた。


「 ミズキ 起きろ うら 早く」

 容赦なく僕の布団を剥ぎ取る女性の名前は、佐藤茜 24歳 職業は中学教師。言うまでもなく、僕の血の繋がらない姉だ。ちなみに僕の元々の年齢よりも、彼女の方が上なので、姉と呼ぶ事に抵抗は無い。



「 うう 朝から容赦ないなぁ 茜姉さん 」

 僕は、眠い目を擦りつつ 布団から体を起こすと目の前には、いつもならタレ目の優しい目つきなのに、今はまなじりが釣り上がってる。まぁ多分、なかなか起きて来ないのと、もう一つの理由で怒ってるんだろう。


「 お黙り!髪が 寝癖ついて ぐしゃぐしゃじゃない!さては、あんたまた、風呂上がりにちゃんと 乾かさなかったわね?」

「 だって乾かすの 面倒くさいんだよ」

 いや、言い訳するじゃありませんけどね。この長い髪洗うだけでも面倒くさいのに、乾かすのも面倒くさいんだ。

タオルで何度拭いても、雫垂れるし、ドライヤー十分くらいかけなきゃ、乾かないんだもん。これが面倒くさくない訳がない。


「 あんた バカな事言ってんじゃないわよ。女の子として 生活するのよ。これから ずっと それを面倒くさい とか言って 髪の手入れサボるんじゃないわよ。 まったく」


 正論で押し返されてしまった。まぁそうだよね。茜姉さんの艷やかなセミロングの黒髪は、丁寧に手入れされてるみたいだ。まだたった数日しか一緒に生活していないけど、茜姉さんが、髪の毛ボサボサにしてるのを見た事無いかも。

 

「わかりました。 以後 気をつけます」

と反省の意を示す僕に、茜姉さんはこう言った。


「 わかりゃいいのよ。あっ今日は、 あんたの必要なもの買いに行くから さっさと用意してね。」

「はーい 」

 僕は、 布団を片付け パジャマからグレーのTシャツと裾がスカートみたいに広がったズボン。ガウチョパンツっていうらしいに、着替える。この服は、両方とも茜姉さんのお下がりだ。

 洗面所で寝癖のついた髪を整え、台所で朝食を頂くと、片付けや掃除を済ませてから 姉さんの運転する車で この町で 一番大きいスーパーへ向かう。

 スーパーまでは、車で十分くらい。その館、ボーッと外を眺めていた。

沢山家が並ぶ中を車は、走る。朝早くから、洗濯物を干す主婦らしい女性。その脇で子供を抱っこする男性。

別の家の庭先では、洗濯物を干す男性。子供を連れて、買い物袋を抱える男性。

 僕は、その光景に驚いた。アチラでは

見れない光景だからだ。


「 あのさ、 こっちじゃ お父さんが 子供連れて 買い物したり、家事手伝ったりするの普通なの?」

「 うんまぁ 普通ってゆうか 最近は、よく見るわね」

「 そうなんだ、 僕のいた国じゃあり得なかったな 男の人は、あんまり育児に関わらなかったな。というか家事とかもね。なんて言うのかな、家事も育児も女の仕事みたいな考えだったな」

「やーね。それ 昔の日本の考え方よ まさか あんたもそうゆう考え方じゃないでしょうね?」

茜姉さんの質問に僕は、首を横に振って 答えた。

「 僕は、そんな考えじゃない 。女の人だって、色々大変じゃない?大体、自分の奥さんが病気したり、死んじゃったらどうすんのさって子供の頃言ったらさ、お前おかしいって言われたな。それからは、誰にも言った事ない」

「そう、 ずいぶん 閉鎖的な考え方する国にいたのね」

茜姉さんの悲しそうな顔の意味がその時の 僕には わからず、 首をかしげた。

「 ミズキが この先 ここで 生活していけば 私の言った意味がわかると思うよ。」

買い物してる間じゅう 茜姉さんの言葉の意味を僕なりに 、考えたけど 結局 答えは、出なかった。




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