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養子に。

「ん、ここ」


 気がついた僕は、体を起こしあたりを見回す。

 木が 鬱蒼と生えてい てる所から、山か 森なんだろう。

 だけとねぇ。カラスが ぎゃあぎゃあ鳴いてるし、 風がヒョウヒョウとふいて 不気味だ。もうちょいマシなとこに落として欲しかった。

木々の間から漏れる陽の光は、真っ赤だ。もうすぐ日が暮れるのかな。

 

 早く人里を目指した方がいいけど、今の僕の姿確かめる事出来ないかな?

って鏡があるし。なんか準備してるように感じるのは、僕だけか?まぁいいか。

僕は、古ぼけた手鏡を拾い、鏡を覗いた。

 確かに女の子だ。辛うじて目元と髪の色で僕だと判断出来るくらいかな。

母さん似で、目が大きくて、くりっとしてる。正直男の時は、好きじゃなかったんだよ。周りから『女みたいで、甘ったれた顔だ』なんて言われてたから。

少しだけ茶色い髪は、肩より少し下くらいだ。いつか見た写真で見た母さんの子供時代に少し似てるのかな? 

まぁ容姿チェックは、ここまでにして、人里目指すか。



 歩きながら 僕は、自分の服装をチェックした。

「 なんで 白い ワンピース」

僕の いた国 アストロメリアなら誰もが、女の子らしくて、 かわいいと誉める服装だろう。

けど、僕は、女の子だからといって スカートやワンピースを 着なくちゃいけないと 思ってない むしろ 動きにくそうだし、ズボンのが 似合うよねって思う子も沢山いた。

実際 今の僕には、動きにくいし。まぁ 今は、服装より人に会わないと、このままじゃ 餓死する。


 どのくらい 歩いたか わからないけど、ようやく 道らしき場所へ出る。

日はとっくに暮れて、真っ暗だ。

この道黒いけど、アスファルトっていうやつだろうか? アストロメリアじゃ珍しいんだけどな。

 僕は、そんな事を考えながら道を歩いていた。



「 こんな 時間に 女の子が一人で歩いてたら、危ないよ?」


 急に男性に声をかけられた。三十代半ばと思われる男性。スーツを着てるから、 どこかに勤めてるのかな?

「 君どこから来たの? 夕方だし 送るよ。それとも 俺 怪しいって思われてるかな?」


 困ったような顔で話す男性に、僕は、勢いよく頭を下げてこうお願いしていた。


「 なんでもするので、貴方の家に泊めてください」

「 いや、泊めてくれって言われてもねぇ」

 

 男性は、ひどく困惑してるみたいだ。 

そりゃそうだ。 見知らぬ 少女にいきなり泊めてくれって、お願いされても困るだろう。

どんな事情があるのか分からないし、大体、面倒事に巻き込まれたくないだろうしね。

 だけど、今の僕は誰も頼れる人いないし、この人に見捨てられたら、このまま死ぬかもしくは、変な人に捕まって、売り飛ばされたりするかも、知んないんだ。


と男性は、僕の足元に座り、僕の顔をじっと見つめてる。


「 ねぇ、君。なんかすごーく訳ありみたいだよね?こんなオッサンで良ければ話聞くよ」


 この人なら話しても大丈夫そうかな。

根拠がある訳じゃないけど、なんか大丈夫そう。


「 今から話す事は、本当の事です。 信じるか否かは、あなたが判断してください」



 僕は、異世界の人間である事。その世界では軍人だった事。そしてこの世界へ来る事になった経緯を、全て包み隠さずに話した。


「うーん。なんとも不思議な話だね 」


 まぁそうだよね。信じれる訳ないか。

 僕だって男性の立場だったら信じないよ。 

 このまま、迷子として警察とかに連れて行かれちゃうのかも。

と思ったんだけど、男性の反応は意外なものだったかな


「その話、信じるよ」

「へっ?あっさり信じるんですか?騙そうとしてるのかも、知れませんよ」

「 そうだね。普通なら 信じないと思う。 普通ならね。別の世界からきたとか 男が女になったとかね。精神 おかしいんじゃないって、なるけどさ。君、嘘ついたりするの苦手でしょ?」

「うっ、はい」

「だよねー。あんな必死にベラベラと、自分の事情話しちゃうんだもんね。俺から一つ忠告ね、見知らぬ人に自分の事、話すのはあまり良くないね。場合によっちゃ、犯罪に巻き込まれるよ」

「あっはい」

 

 さっきまで見せてた困惑してたような表情ではなく、男性は、笑顔で僕に接してくる。


「それに俺が信じようって思ったもう一つの理由はさ、見た目は、女の子だけど まるきし男だよね。 話してて わかるよ。一応 年頃の娘の親父だし」

「失礼ですけど、おいくつですか?」

「 娘?それとも俺?」

「えーと、あなたです」

「俺 四十二歳なんだよね 三十五歳くらいに思われるけど」

男性は、更に驚く事実を言ってくれる。

「ついでに、言うとさ、娘24歳 驚いた?」


 本当に何なんだろう?この人、さっきと同じ人?テンション上がり過ぎで着いてけないよ。


「そいや、名前聞いてなかったね。 俺は、佐藤道春。キミは?」

「ミズキ ハートウェルです」

「ミズキくんか いい名前だ ところで、俺の養子にならないか?」

「はいい?」

急になんなんだ?養子にって ここで生きてく方法は、それしかなさそうだけど。

「いや、養子に決定 という訳で、俺の家に帰るよ」

「いや僕 まだ、なんにも言ってませんけど」

僕のツッコミは、無視され僕は、佐藤道春さんの養子になることが決定した。

なんでだろう?



急な展開ですみません。

ちなみにミズキですが、日本語を、キチンと話せます。ミズキの母親が日本と同じような文化を持つ国の出身という設定なので。ようするに、ハーフって事です。これ以上書くとネタバレになってしまうので、書けませんのでご了承ください。

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