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~壇上~

作戦決行、三人で挑むのは結衣にとっては未知の生物だ。

そんな中犯人を、悪魔を仕留める事は出来るのか!?

作戦当日。


結衣達は夜の学校の前に集まっていた。


「ゴメーン、また遅れた♪」キャピ

「ルナ、流石に怒るよ?」ピクピク


遅刻者一名。


「よし、まずは事件が多発している路地裏付近に行って後は作戦通りに」

「「了解しました!」」ビシッ


一同移動し、人通りの少ない8階建てのビルの前。ここの路地裏で事件が多発しているらしい。


各々の配置につき、結衣は路地裏前に、ルナはビルの屋上に、ハクは路地裏の奥に居る。


グループ電話を開き、常に連絡ができる状態だ。


事件の被害者全員が女性でハクの言うには相手は恐らく男性、だから囮に結衣を選抜したのだ。


女性であればルナでも良いと思うがルナは天使、匂いが違い、勘づかれる可能性が高い。


付け加えると被害者の女性はどれも世間一般でいう美女が多い。しかも衣服が乱暴に引きちぎられて  


爪は剥がされ、胸は丸ごと引きちぎられ、おまけに鼓膜の中には剥がされた爪が入っており、


引き抜かれた眼球の代わりに引きちぎられた胸が乱暴に入れられていた。


所謂被害者は拷問をされた行く末にもがき苦しみ死んでいったのだろう。


中には妊婦もおり、お腹の胎児ごと引き抜かれていた。狂っている、物凄く。


しかし結衣にはハクやルナがいる、もしもの時は助けてくれる。何よりハクの為だとはりきる結衣。


「ちょっと君いいかな?」


警察の制服を着たガタイの良い若い警官が結衣の肩に手を置き話し掛けてきた。             


ヤダ補導?何故か怖くなり反射で電話を切ってしまった。


「此処等の事件は知ってるね?ちょっと聞きたいことがあるから着いてきてくれないか?」

「あ、ちょっと待ってて下さい!」


警官が言うことだ、流石に聞かないわけにも行かない。ひとまずハク達に連絡し直しどうすればいいか


聞こう。そう思い、携帯に手を掛ける。


「チッ、いいから来い!」ガシッ

「キャッ!ちょっと!」グイ


突然声のトーンが下がり、乱暴に腕を掴まれ路地裏に連れて行かれる


その拍子に手から携帯が滑り落ち、冷たいアスファルトの上に叩き付けられ破片が飛び散る。


連れて行かれたのは路地裏の奥にある広い空間、こんな場所が在ったのか。


又もや乱暴に投げ出され腕や脚を擦り剥く、しかし痛みは感じず恐怖が勝った。


途端警官の背中から黒い羽根が生え、角が発現した。悪魔だ、だとしたらこいつが犯人?


身体に赤黒いもやが掛かる。隙間から見える犯人の身体、元の警官の皮は剥がれてゆく。


背丈は小さく、地面まで無造作に下ろされた黒い髪、赤色の瞳に華奢な体躯で童顔の少女。黒いローブ。


チラッと見えたが...穿いてない。......えっ、痴女?てかハクの予想外れてるじゃん!


「最近は若い獲物が捕まらなかったから、掘り出し物だね♪」ズズッ


手が生々しい音を起てながら長く鋭く変形していく。その手はまるで血肉で出来た槍の様だ。


手慣らしなのかその槍を振り回す、槍で斬られた地面や壁は抉れた。


あれで斬られたらひとたまりも無い、確実に死ぬだろう。


逃げようにも恐怖で脚が上がらない、頭の中が恐怖で塗り潰されていく。


悪魔が槍を振りかざし、頬を掠らせ壁をえぐりとる。槍は形を無くし、触手へと変形し、結衣の手足に


クチュと音を立て巻き付き身動きをとれなくする。赤い眼は歪み、口角が大きく上がる。


「若いのは悲鳴が大きい上に綺麗だからね?!きゃははははははははははははは!!」


空いている手が結衣へと伸び、着ている衣服を乱暴に引き裂かれる。無事なのは下着だけ。


しかしそこに恥ずかしいとはいう感情はなかった、あるのは恐怖のみ。


衣服を裂いた手が今度は結衣の頭へと動く、指先が鋭く尖っていた。


ヤダ、シニタクナイヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ。


手が頭に触れる直前でビュオッと空気がうねる、悪魔が何かに気付いたかの様に上を見る。


真っ白い白髪を下に、ハクが数十階は有ろうビルから赤黒い槍を手に一直線に飛び降りて来た。


悪魔が数歩後ろに飛び退き、目の前にハクが降りてきた。そして優しく着ていた上着を被せてくれた。


「大丈夫?、心配懸けた、ごめん」ギュッ


優しく抱き締めてくれた、堪らなく嬉しくて抱き返す。恐怖は拭え、涙が溢れて来た。


「ハクくん!!」グスッ

「よしよし、後は任せて」ナデナデ

「うん、わかった」ニコッ


ハクはゆっくりと振り向き、相手を睨み付けた。---怒りだ...


「そんなに見つめないでください、恥ずかしいですぅ♪///」

「黙れ、事件の犯人はお前だな」チャキ


槍を構え直し少々乱暴で冷たく言い放す。


「そうなのです!犯人はこの"ファング"ちゃんなのです♪」


そう言い両手でピースを作り、顔の前で構える。なんと余裕の様だ。


「"ブラット”の種族か、血縁上は仲間だがやり過ぎたな、制裁だ」ズズッ


ハクの左手からまた槍が生えてきた、両手に槍を持ち、構える。


「誰だか知りませんが私、強いですよ?」

「いいか、一つ言っておこう、戦闘に関しては---


白い悪魔、ハクにとっては


---俺の独壇場だ


壇上に役者が揃った、これから始まるのは白き悪魔が贈る愉快な血祭りだ。


犯人はブラットの"ファング"で少女だった

目の当たりにする悪魔の手品、死を匂わせる赤黒い業物。

役者は揃った、後は踊り、祭りを楽しむだけだ。

ハクの独壇場で狂い踊るだけだ。




投稿に間が空いてしまいました事は謝罪します。

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