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今日から学校と仕事、始まります。①莞

男子生徒達に虐められている男子生徒を、助けた男子生徒と体育教師が虐めた事情

作者: 孤独

イジメ。



「お前、ふざけんじゃねぇよ!」

「なにしてくれてんだよ!」


その一つに、虐められている側に理由があるという説がある。可能性として、それはある。ここでは理由がハッキリとしているからこそ。その理由が通る。


「いだぁっ!だ、だって……」

「だってもクソもあるか!」


1人の男子生徒は今、4人の男子生徒に囲まれて虐められていた。


「お前のせいだ!」

「よくもやってくれたな!」

「や、止めて。殴られないで……」


完全なイジメの現場。紛れもなかった。


「うわぁっ」

「ちょっと……」


現場を見て見ぬ振り。それはごく当たり前だろう。関わりたくないのだ。一般生徒達は足早に去っていく。しかし、そこに。不良でもないし、正義の味方でもない。


「おい!なにやってんだ、お前等!」


1人の馬鹿がいた。


「なんだテメェ」

「!こいつは確か4組の、相場か」

「今、お取り込み中なんだよ」

「知るか!イジメなんだろ!俺はそーいうの、見過ごせねぇんだよ!怯えた奴を囲んでねぇと、脅せねぇし、殴れないクズ共が!」

「あ、あ……」


相場竜彦。学校の裏側で〆られている男子生徒、おそらく同級生を助けようとしていた。


「このヤロッ!」

「まー、待て!相場の言う事にも一理ある」

「だがよ、」

「俺達は卑怯者か?そう見えたのは仕方ないが、自分で名乗るとあればその通りなんだぜ」

「……ちっ」

「なー、相場。少し耳くらいは傾けてくれ」

「そのつもりだ!だが、くだらない金貸しだったら許さんぞ」


4人組を纏めている男子生徒から、このイジメの理由が明かされる。


「お前、プールの女子更衣室を知ってるか?あの噂だ」

「あの噂……」

「そう。もう卒業してしまった先輩が、己の欲に耐え切れず、女子更衣室の壁に穴を空けたんだ。それは女子更衣室側からでは死角となっていて、まず見破られない。そして、外からは壁に模した特別な紙でカモフラージュしている」


な、なんだと……。


「その穴の位置をこいつにも教えたのだが、この野郎。塞ぎやがったんだ。おかげでこれから楽しみな水泳の授業が楽しめねぇから、こうして制裁をしていたんだ」


とんでもない理由ではあったが、相場もまた。その噂は聞いた事があった。1人で女子更衣室を使っていると、誰かに見られるという噂もあったほどだ。


「い、いや!だって!風紀として良くないじゃないですか!よろしくないです!」

「でも、見たじゃん」

「一回だけです!それにまだ使ってない時期でしょう!」


虐められた男子生徒は、自分の気持ちを正直に正しいと訴えていたが。相場は、そんなどーでも良い風紀なんかよりも


「お前、ふざけんなーー!俺の、俺の!この学校生活の楽しみ!伝説の女子更衣室、覗き穴探しを潰しやがって!!」


暴力という制裁を与えた。

この時は、虐められる側に非があると感じた。


「これから体が成長する時だぞ!生着替えだぞ!男の水着見ても、クソつまんねぇの分かるだろ!今の内なんだよ!実りのある女子の裸って!夏の日課として目撃しないのは!1人の男子生徒としてあるまじき行為だろ!」

「ぶへらあぁっ」

「俺達以上に殴ってるんだが……」

「なんて奴だ。こんな馬鹿がウチの学校にいたとはな……」


不良達4人も驚くほど、相場。激昂。虐められた生徒が倒れる始末。そこへやってきたのは、



「何をしている!?さてはイジメか!」

「げっ!生活指導兼体育教師の……」

「あ!全部、相場がやりましたー!」


不良というクズ特有の人のせい、発動!相場、確かに自分も制裁をくわえているが、最初に手を出してはいない。しかし、もう殴っているところを見られてしまっている。


「嘘嘘嘘!俺じゃねぇ!イジメてねぇ」

「こいつがやれっていうから。なぁ、お前等」

「そっすー。相場がやれっていうしー」

「見本を見せてもらったところですー」

「この卑怯者が!これだから不良なんかより、馬鹿の方が楽しいんだよ!先生!違うからね!こいつ等も同列だからね!」


絶対にテメェ等、道連れにしてやるわぁ……


「違う!違う!俺は反対してたんすよ」


ふざけんなっ、こちとら女子更衣室覗けなくなる上に、生活指導の奴に説教なんざたまんねぇ。……!


「先生ー!こいつ等今、女子更衣室の覗き穴があるって騒いでたんすよ!俺はそれを阻止しようと!」

「なっ!そ、それを言うかお前!」

「俺はお前等を道連れにしたいんだよ。手段は選ばないぜ」

「の、覗き穴だと……」


プルプルと震える生活指導兼体育教師。

怒り、我が校から犯罪者予備軍が出てきてしまうという。指導不徹底。自爆覚悟の言葉であったが……。


「馬鹿もん共がーー!女子高生好きなら、体育教員をやれぇ!!教師目指せぇっ!」

「ふあぁっ!?」

「娘はな、高校生ぐらいまでは可愛いさ!それ以降は妻と似る鬼と化すのだ!純粋無垢な女子高生と触れ合いたいのなら、良い教員を務めるのだ!」

「何言ってんだあんたーー!」


さらに馬鹿がいた模様。


「つまりかー!この虐められた者は、その覗き穴を作ったか塞いだかの。軟弱軽輩者かーー!虐められて当然だ!」


パチッ


生活指導という立場からか、倒れている生徒にもビンタ。ちょっと弱め


「そして、お前等!ふざけてないで、女子高生好きなら勉強せい!」

「は、はい!」

「イェッサー」

「ちなみに覗き穴はそこに倒れている奴が塞ぎました」


バヂイィッンッ



体罰&お説教。

不良4人 + 相場。結局誰も避けられず。


「まったく。しかし、けしからん!覗きなど!正々堂々いかんかい!」

「いでぇっ……」

「これに懲りたら、イジメなんかしないで……」

「え」


よーやく場が収まりかけていたところであったが、別の殺気や怒気を。周囲から感じる6人。


「女子更衣室に覗き穴……?」

「生活指導の人間が、女子高生好きって宣言」

「変態ですよね。ここの6人」

「いけませんよ、生活指導担当であるあなたが!そのような言葉を出すとは」


いつの間にやら目をギラつかせ。このイジメは正義だとした、女子生徒と女性教師が囲んでいた。


「は、話せば分かる!」

「お、落ち着いてくれ!」

「これイジメと変わらないから!」

「女子のイジメは陰湿で大正義過ぎるだろうがーー!」

「ある意味、卑怯だぞーーー!」

「ぎゃーーーーーー」



その日。すぐに6人は怖い思いと、手痛い処分を喰らうのであった。



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