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世界を救う歌を探して  作者: でこっぱ
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雨宿り

「うわ、雨だ!」


朝方は清々しい天気だったのに、急に空が雨雲に覆われ、激しい雨がふり出した。


慌てて撥水性の高いアメネズミの毛皮で作った外套を纏う。


「んー、羽が濡れて上手く飛べない。」

「おいで、オルタ。」


僕はふらふらと飛んでいるオルタを外套の中に入れてやる。


ソランは薬品が濡れないように入念に持ち物をチェックしている。

ルーもオルタの花を濡らさないように服の中にしまったようだ。


雨で体温が奪われ、ぬかるんだ地面を進むことで体力が奪われていく。

僕たちは、次の休憩地点を探し、道を急ぐ。


「…セアは雨が嫌い。」


セアはお気に入りのブーツが泥はねで汚れてしまい、機嫌が悪い。

列の先頭を早足で歩いている。


「ねぇ、ゼスタ。あれ見て。」


ルーが指差す方に目をやると、今は使われていなさそうな水車小屋が見えた。

この辺りにも、昔は人が住んでいたのだろう。

モンスターが活性化してきて居所を町の方へ移したのかもしれない。



何はともあれ、雨宿りに使わせてもらうとしよう。





「お邪魔します。」

念のため声をかけてみるが、中の様子を見る限り、人が使っている形跡は見られない。

主を無くした水車小屋が、いたずらに穀物を挽くための機械を動かし続けている。



「はー、靴もスカートもぐしょぐしょだー。」

ルーはスカートの裾を絞りながら小屋の中を探索している。


「奥に薪があったよ。使わせてもらおう。」

ソランが見つけてきた薪に火の魔法を使う。


「…泥を流したい。服乾かしたい。」

セアは眉間に皺を寄せながらブーツについた泥を払う。


「セア、向こうに階段があったよ。上に行って着替えましょう。オルタもおいで。」

ルーはセアとオルタを連れて2階へあがる。

ゼスタとソランは上がって来たらダメだからねと念を押して。




一階に残された僕とソランも、服と靴の泥はねを水魔法で洗い流し、たき火で乾かし始めた。


「雨季でもないのに、この雨量はめずらしいね。」

「あぁ、これだと雨があがるまで動けそうにないや。」


「体の温まる薬草茶でも作ろうか。ルーたちも服が乾いたら降りてくるだろうし。」

ソランは道具を入念にチェックしつつ、お湯を沸かし始めた。




さらに雨足が強まってきた。


僕がうんざりと窓を眺めていると、ふと人影が見えた。


「ソラン、今外に人が。」


僕が立ち上がると、コンコンと扉が叩かれた。


「水車小屋の持ち主かな?」

「持ち主だったら、わざわざノックなんかしないんじゃない?同じ冒険者かも。」

「この小屋を根城にしてる盗賊だったりして。」

「恐いこというなよ。」


警戒しつつも、水車小屋への来訪者を招き入れる。


扉を開けると、白髭を蓄えた筋骨隆々とした老人が立っていた。


「ほほ、これはこれは、先客はお若い冒険者さんでしたか。

私も雨宿りさせていただいてもよろしいかな。」


老人は笑顔で髭をさすりながら小屋へと入ってきた。


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