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世界を救う歌を探して  作者: でこっぱ
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戦力確認

シーナとラドに見送りを受け、ツェグの町を出た僕たちはエーカの町を目指して、街道を進む。

デールの町とは逆方向だ。

おそらく片道で一月ほどの旅になるだろう。


「ルー?ずっと気になってたんだけど、頭につけてるそのでっかい花は何?」


「これね、オルタのベッドなの。昼間は太陽の光をあてといてほしいんだって。」


「…オルタ、セアもその花、頭に着けてあげようか?」


「んー、セアはちっちゃいからルーの方がいいや。」


より高いところに花を置きたいのだ。

オルタはセアの肩に乗ったまま、身も蓋もない言い方をする。

いつもは身長のことを言われると怒るセアだが、オルタに対しては甘いらしい。



他愛もない話をしながら歩いていくと、林の付近に影が動いているのが見えた。


「しーっ、あっちにモンスターがいる。」


「ヤマオオカミの群れだね。どうする?」


「ツェグに近いところまで来ている。町に行く前に倒しておこう。ついでにお互いの戦闘方法も確認しておきたい。」


ヤマオオカミがこちらに気づく前に奇襲をかける。

まずは、ルーとオルタが遠距離から魔法を放った。


「いくわよ、オルタ!ルメ・ペケノ!」

「ベント・モデラド!」

ルーは火の玉を、オルタは突風をそれぞれヤマオオカミの群れにぶつける。


「私とオルタの攻撃方法は、オルタに教えてもらった魔力操作で威力を上げた魔法攻撃よ。魔力操作に時間をかければ更に威力があがるわ。」


ルーとオルタの奇襲攻撃で数匹を失いつつも、残ったヤマオオカミたちはこちらに向かい走り出す。



「次は僕が行く。みんな少し下がって。」


ソランが少し前に出る。

鞄からいくつか道具を取り出し、布袋に混ぜ入れて前方に放り投げた。

ヤマオオカミの群れが布袋付近まで来たところで、火の玉を撃ち込む。


「ルメ・ペケノ」


ソランの攻撃はヤマオオカミには直接向かわず、先ほど投げた布袋に着弾した。

布袋は火の魔法を受けて爆発を起こす。

ヤマオオカミたちは中心から吹き飛ばされた。


「僕は薬師。薬品を調合して効果を引き出すんだ。できることは追々話すよ。問題は材料がないとだめなことだね。」


群れだったヤマオオカミは残り数匹まで減った。

次はセアが前に出る。


「…セアはエンチャンターになった。できるのは魔力付加。」


「…ベント・モデラド、ベント・モデラド」


セアは剣とブーツに風魔法を付加する。

途端にセアの動きが軽やかになった。

猪を倒した時のように大きく跳躍し、ヤマオオカミに切りかかる。

セアの片手剣を受けたヤマオオカミは真っ二つに崩れ落ちていく。


「…これは、風魔法で切れ味を上げている。他にも色々できるけど、まだナイショ。」



最期に僕が残りのヤマオオカミを倒しにいく。


「デールの町で覚えてきた『アイオの歌』。一時的に攻撃力や魔力を強化できる。」


『アイオの歌』を使い、ヤマオオカミを一匹ずつ切り捨て、剣の届かない距離の個体には水魔法を撃ち込んだ。


ヤマオオカミの群れは一掃できたようだ。



「ゼスタの『アイオの歌』はパーティーメンバーにも効果があるから、魔法を撃つときは威力に気をつけてね。」


ルーがそう言い終わるが早いか、「きゃっ」と悲鳴が聞こえた。


見るとセアがひっくり返っている。


「…いたい。」


「ど、どうしたの、セア?」


「…ブーツにかけた風魔法が強くなった。」


『アイオの歌』の効力がセアの魔力付加にも影響したらしい。

ブーツにかけた風魔法の威力が急にあがり、感覚が狂って転けてしまったようだ。


『アイオの歌』の効果が切れた後、ようやく普通に歩けるようになったセアに脇腹を小突かれてしまった。

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