加入と離脱
「…ゼスタ、ルー。セアは強くなったつもり。冒険についていってもいい?」
「僕もできる限り、薬師としてのスキルは身に付けたつもりだよ。僕もパーティーに加えてほしい。」
セアとソランは改まって僕たちに頼む。
「僕も、みんなが職業に就いた時にお願いするつもりだったんだ。こんなに早くパーティーを組めると思わなかったよ。こっちからもお願いするよ。一緒に冒険に行こう。」
セアはほっと胸を撫で下ろす。
置いていかれるわけがないと頭ではわかっていたが、それでも不安は残っていた。
元からパーティーに誘うつもりだったとはっきりと聞けたことで、この一ヶ月張りつめていた気持ちがようやく弛んだ。
「もちろん、シーナもよ。まだ15才になるまではちょっと時間があるけど、僧侶になったらよろしくね?」
「絶対ですからね?パーティーに入れてくれなかったら、泣いちゃいますよ?」
ひとり、まだ町の外に出ることを許されないシーナを気遣い、ルーが声をかける。
シーナはルーにぎゅっと抱きつく。
「話はまとまったみたいだな。まぁ、誰も口にしなかっただけで、周りの奴はみんな、おまえらがパーティーを組むってわかってたよ。」
ラドはからからと笑う。
「さて、俺もお前らにもっと付いていきたいところだが、既に切っても切れない関係の自分のパーティーがあるからな。そろそろ、戻ることにするよ。」
「ラド。本当にありがとう。ラドがいなければ、こんなに早くデールの町に行って戻ることなんてできなかった。」
「兄さん、助かったわ。ありがとう。」
「おう、気にするな。見た限りこれからはセアとオルタがいれば、無茶さえしなけりゃその辺のモンスターは楽勝そうだ。みんな仲良く頑張れよ!」
「ん、ラド。短い間だったけど楽しかった。」
「俺もだよ、オルタ。これからこいつらのことよろしくな。」
めいめいがラドにお礼を述べた後、ラドが立ち上がる。
「じゃあ、またな。次にツェグに戻った時は顔を見せろよ。」
ラドが去った後、次の目的地について話し合う。
エーカの町にいる、アーノの兄弟子のベン
エフトの町にいる、アーノの師匠のロゼ
アーノから教えてもらった吟遊詩人の情報は2つ。
どちらを目指そうか。
「ねぇ、ゼスタ。私はエーカが良いと思うな。まず、エーカにいるアーノさんの兄弟子と戦って認めてもらうの。それから師匠に挑むのがセオリーよね。」
「…セアはエフトの方が良いと思う。先に師匠を倒して認めさせれば、兄弟子は無条件降伏して効率的。」
「なんでルーもセアも戦う前提なんだよ。アーノさんの手紙もあることだし普通にお願いするだけだよ。」
「ソランはどう思う?」
「エーカがいいんじゃない?行って帰って来たらシーナの15才の誕生日に間に合いそうだ。エフトは少し遠いな。」
僕もソランの意見に賛成だ。
遠出をするなら、回復の要になるであろうシーナを連れていくべきだ。
「ソランの意見に反対の人はいる?」
みんな首を横に振る。
次の目的地はエーカの町に決定した。




