合流
「セア、すっごーい!」
ルーは首の落ちた猪を見て、その大きさに驚いている。
「アバレイノシシか。脂肪が厚く、剣も魔法も通りにくいこいつの首を一発で落とすなんてどうやったんだ?」
ラドが腫らせた頬を擦りながらマニと共に戻ってきた。
嘘をついて旅に出た件は、マニの鉄拳制裁で解決されたらしい。
「…ひみつ。」
セアは褒められて満足そうに笑っている。
「ん、剣に魔法を合わせてるみたい。」
上空から様子を見てたオルタが解説する。
ゼスタの肩に降り立ったオルタを見て、セア、ソラン、マニの3人が固まった。
「な、妖精?」
「ん、オルタっていうの。よろしく。」
オルタは3人に向かって挨拶する。
「くぅっ!」
突然マニが口元を押さえて目を潤ませる。
その様子を見てラドが慌ててマニを羽交い締めにする。
「だめだ、だめだ!マニ!オルタを連れて帰ろうとするなよ!」
ラドに押さえられるマニを見て、ラドが言ってた可愛いもの好きの戦士ってこの人のことかと僕は納得した。
「ねぇ、セア!その袋どうするの?まさかオルタを捕まえたりしないよね?」
ルーがセアを止めに入ってる。
こっちもかと僕は溜め息をつく。
「んー…ゼスタ。この人たち怖い。」
「なんかごめん。オルタ。」
オルタは僕の後ろに隠れてしまった。
セアとマニが落ち着いた後、ラドが提案する。
「積もる話はシーナの料理屋でしようぜ。一旦それぞれの家に帰って家族に無事を報告してからな。」
ラドの意見に同意した僕たちは、ツェグの町に向かった。
道中、オルタにデールの町の時と同じように、鞄の中に隠れておくようにお願いした。
窮屈で申し訳ないが、パニックを起こすわけにはいかない。
「ん、わかった。」
オルタは小さくそう言った。
夕方、僕たちは、シーナの料理屋に集合した。
「ゼスタ、ルー、ラド。お帰りなさい!」
シーナが僕らを迎えてくれる。
「初めての冒険がどうだったか教えてよ。」
ソランに促されて、冒険の概要を話そうとした瞬間、僕の鞄から何かが飛び出してきた。
オルタだ。
「私はオルタ!みんなよろしくね!」
鞄に入っておくようにお願いしたが、デールの町でずっと隠れていたのがつまらなかったのだろう。
隙をついて姿を表してしまった。
妖精の出現に料理屋はしばらくパニックになったが、少しして落ち着いた。
ツェグの町の人間は意外とあっさりとオルタを受け入れた。
オルタに関する心配は杞憂におわったようだ。
食事をとりながら、僕たちは冒険の概要を報告し、セア達は一ヶ月の修行の成果をお互いに報告した。




