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再会

公園であった女の子の病院に行く事にした俊。

俊は彼女と再会する事は出来るのか。

そして、その先に待ち受ける真実とは・・・

 今、僕の心臓は自分でも引くぐらいの音を立てて鼓動している。そりゃそうなるだろ?帰宅部で、普段は家から出ないような僕が同い年くらいの女の子の病室に行くんだ。緊張するさ。

「にしても、緊張しすぎだろ」

 思わず自分にツッコむ。病室の番号はさっき受付の人に聞いた。多分挙動不審すぎて怪しまれた(笑)そんな事を思ってるうちに病室の前に着いた。

「落ち着け・・。俺はこれから人と会話するだけだ。落ち着け・・・」

僕は病室の扉の方に体を向けた。深く深呼吸をする。ちなみに僕は深呼吸をする時、目をつむる派だ。もちろん、今も目をつむっている。

『ガラガラガラ』

 前の方でそんな音がした。気になって目を開ける。そこには、公園で見たことのある少女の顔があった。

「うわあああ!」

 僕は思わず叫ぶ。

「わああああ!」

 相手の叫び声も聞こえてきた。

 お互い驚きすぎて尻餅をつく。そこから3秒くらい時間が止まったかのように静かになった。

「あははははは(笑)」

 そんな無邪気な女の子の笑い声が静寂を破った。

「はははは(笑)」

 僕もつられて笑う。

「あのー、先日はどうもありがとうございました。おかげで助かりました。」

 彼女は急に立ち上がり深くお辞儀をした。

(いや、切り替えはやいな。さっきまで爆笑してたのに)

 なんて思いつつも僕も返事をする。

「いいえ。困った時はお互い様です。早乙女さん・・・・ですよね?」

 思い切って名前を聞いてみる。自分でも思うが最近メンタルが強くなってる気がする(笑)

「えっ!?なんで知ってるんですか?」

 彼女は本当に驚いてる様な表情をしている。まあ、それが当たり前の反応だ。公園で少ししか話してない男が自分の名字をわかってたら、そりゃびっくりするさ。それどころか、自分だったら恐怖心さえおぼえるかもしれない。ん?恐怖心?マズイ!これは今すぐ弁解しなくちゃ!

「いや、この前受付の人がそう言ってるのを聞いたもんで・・・」 

 どうだ?これで弁解できたか?

「ああ!そうなんですね!」

 よかったあ・・・なんとか切り抜けたぞ!よし、ここで仕掛けるぞ

「あのー、名前はなんていうんですか?」

 僕的にはこれでも仕掛けた方なのだ。

「愛。早乙女 愛って言います。」

「かわいい名前ですね!あっ・・・」

 そう、僕は今やらかした。本音が出てしまった。ああ。終わった・・・・

「そおですか?嬉しいなー」

 僕が意気消沈している傍らで彼女は公園で見た満面の笑みを浮かべた。僕は喜んでくれていることに気付きめちゃくちゃホッとした。

「名前をお聞きしてもいいですか?」

 おっと、そうだ。僕は自分の名前を言っていなかったんだ。

「上林 俊って言います。」

「へえ。いいお名前ですね。」

「そうですか?俊って名前の割に動きは鈍いですけどね(笑)」

 きた。人生で一番と呼べるレベルのボケを発動できた。これは相当ポイント高いぞ。

「あははははは(笑)」

「はははははは(笑)」

 こんなたわいも無い話しを僕らはそこそこ長い間続けた。

 そして、僕は皆んなに報告したいことがある。なんと僕は彼女とまた病室にきて話しをする約束をしたんだ!やったぞ!




 と、あの時の僕はこんなにも浮かれていたわけである。今思い返すと本当に中身の無い話しだった。でも、それでも楽しかったんだ。この日を境に僕は彼女の病室に何度も通った。その度に今まで知らなかった彼女の事が分かって本当に嬉しかった。

 でも、あれは一体いつだったろう。通い始めて1カ月たったあたりだった気がする。僕は彼女の口から思いもよらぬ事を聞く。その言葉は浮かれていた僕を地面に叩きつけた。

 それは何かって?それは・・・・・

   つづく



いかがでしょうか。

今回はいつもに比べ長い割にはほとんどがまったりとした会話でした(笑)

ただ、物語が動く大事な回だったと思います。

それではまた明日の更新に乞うご期待!!

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