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激しく短いのですが、次話との関係で投稿させていただきます。
それから数日後。
クラン達はいままで世話になっていた洞窟の前で、フンベルト達ドワーフと向き合っていた。
「いままで世話になったわね」
ドワーフの作ったレイピアを二本帯剣したクリスが口を開く。
レナもそれに合わせて頭を下げる。
こちらもドワーフの作った剣を二本腰から吊るしていた。
「なんの、こちらの方こそ世話になった」
そこで言葉を区切るとフンベルトはクランに向き直る。
「結局刀を作ることはできなかったが、これからも打ち続けて行こうと思う。近くまで来ることがあったら寄ってほしい。いつでも歓迎する、友よ」
「はい。ぜひ寄らせてもらいます」
「じゃ、行くわよあなた達」
フンベルトとクランの会話が終わるのを待ち、クリスが出立の声を上げる。
二人が頷き、きびすを返そうとするとフンベルトがクランに声を掛けた。
「蒸留酒、必ず作りますぞ!」
短い言葉に、鍛冶の技術を教えてくれた事、新しい酒の製造方法を教えてくれた事、そして、人間達が亜人と蔑んでいる自分達に対する心遣いへの礼、それらが含まれていた。
その言葉にクランは、「励め、光の神々より生まれし兄弟たちよ!」
そういい残すと、大げさにマントを翻して歩き出す。
レナとクリスも歩き出したクランを追いかける。
ドワーフ達は三人の姿が見えなくなるまで見送っていた。
(ねえレナ?)
クランの後ろを歩きながらクリスが話しかける。
(なんだ?)
(クランさんマントなんか持って来てたっけ?)
(ドワーフからのプレゼントだそうだ)
(そう……)
(それより、お前は何のためにここまできたんだ?)
(えっ!? まあ、ちょっと調べたい事があったんだけど…… すっかりクランさんのペースに巻き込まれたわね……)
(そうか……)
クリスとレナはしばらくクランのマントを見ながら、ルイザの街に向けて歩き続けた。




