生ビール
若い男「おい!ロボット、さっき俺が頼んだ生ビールまだか!」
アンドロイド店員「お客様のテーブルのご注文は、全てお届け済みですが、追加のご注文でしょうか?」
若い男「お届け済みじゃねーよ。届いてねーから、オメーに言ってんじゃねーかよ!」
アンドロイド店員「では、タブレットのご注文と、お届けしたお品を確認してみます。」
若い男「タブレットじゃねーよ!俺がこの口で注文したんだよ、生・ビ・ー・ル!オメーが聞き逃したんだろ?」
アンドロイド店員「申し訳ございません、お客さま。当店ではこのようなトラブルを避ける為に、タブレットでのご注文をお願いしております。
ご注文の生ビールは大至急お持ちしますので、タブレットから生ビールひとつのご注文を入力していただけますでしょうか?お手間をかけて申し訳ありません」
若い男「はぁー!?俺様にタブレットで注文しろってか!!口で言ってんだから、さっさと持って来やがれ!」
チエミはこのやり取りを見ていて、こいつの誘いに乗って、居酒屋に飲みに来たことを既に後悔していた。
仕事が終わって、同僚のリョウコと他愛のない話をしてた時に、会社の先輩のこの二人が、ご馳走するから一緒に飲みに行かない?と声を掛けてきた。
リョウコと目配せをして、タダなら行こう。そう決めたことが間違いの始まりだった。
お洒落なバーにでも連れて行ってくれるのかと思ったのに、来たのは大衆居酒屋、もう、うるさ過ぎて隣の人の声も聞こえない喧騒。
それだけでも後悔し始めてたのに、店員にまで絡み始めた。
チエミは、正直もう帰りたい。帰るなら、コイツラにひとダメージ与えてから帰りたい。そんな事さえ考え始めていた。
あの店員、アンドロイドなのに人間的な配慮までしてる。先輩の暴言に、周りのお客さんもクスクス笑い始めてるじゃない。
あー、もうヤダ。
でも、ちょっと待ってよ、これって帰る口実にもなるチャンスで、先輩に一泡吹かせられるかも?
チエミ「先輩、もうその辺でやめときましょうよ。相手はロボット店員で感情もないんだし、それ以上責めても意味ないですよ。」
リョウコも、チエミの発言で何かを察したらしい。
リョウコ「そうですよー、先輩。それより、もっと飲みましょうよー。」
リョウコ、ナイストス!チエミは心の中でほくそ笑んだ。
若い男「お、そうだな、飲もう飲もう。おい!ロボット、可愛い後輩に免じて俺様がタブレットで注文してやる。俺様の注文通り、直ぐに生ビール持ってこいよ!」
若い男は手慣れた様子でタブレットを操作して、注文を入力している。
チエミは、最高のチャンスだと思った。さっきから、周りのテーブルのお客さんたちが、自分たち4人のテーブルを見ながら「酔っ払い」とか「恥ずかしくないのかしら」とか囁いてる。
もうメッチャヤダ。
チエミ「そうそう、先輩、飲み直しましょうよ。私、お腹も空いちゃった、ポテト頼んでも良いですか?」
若い男「おう、良いぞ良いぞ、何でも食べたいもの注文しろ。」
チエミ「はーい。」
チエミはタブレットを手に取り注文画面を操作した。注文を送信したときに、さっきのアンドロイド店員と目があった。
程なく、周りのテーブルから小さな感嘆、歓声が聴こえてきた。周りのお客さんの目線の先には、さっきのアンドロイド店員が両手でお盆を持ち、そのお盆の上には数え切れない程の生ビールがピラミッド状に積み上げられている。
そして、アンドロイド店員は、チエミたちのテーブルに向かってこう告げた。
アンドロイド店員「お待たせしました、生ビール40個です。」
若い男「はぁー?!そんなの頼んでねーよ!ロボットいい加減にしろよ。」
アンドロイド店員「いえ、お客様のタブレットから、生ビール40個の注文を受け取っております。」
若い男「ふざけんな!そんなことあるわけねーだろ!」とタブレットを持ち上げて注文履歴を確認したところで、若い男の顔から酔いが引いて、青ざめていくのが見て取れた。
そのとき、若い男の視線の端に、居酒屋の玄関から「先輩、ご馳走様でしたー!」と手を振りながら去っていくチエミとリョウコの姿が映った。「生ビール」
若い男「おい!ロボット、さっき俺が頼んだ生ビールまだか!」
アンドロイド店員「お客様のテーブルのご注文は、全てお届け済みですが、追加のご注文でしょうか?」
若い男「お届け済みじゃねーよ。届いてねーから、オメーに言ってんじゃねーかよ!」
アンドロイド店員「では、タブレットのご注文と、お届けしたお品を確認してみます。」
若い男「タブレットじゃねーよ!俺がこの口で注文したんだよ、生・ビ・ー・ル!オメーが聞き逃したんだろ?」
アンドロイド店員「申し訳ございません、お客さま。当店ではこのようなトラブルを避ける為に、タブレットでのご注文をお願いしております。
ご注文の生ビールは大至急お持ちしますので、タブレットから生ビールひとつのご注文を入力していただけますでしょうか?お手間をかけて申し訳ありません」
若い男「はぁー!?俺様にタブレットで注文しろってか!!口で言ってんだから、さっさと持って来やがれ!」
チエミはこのやり取りを見ていて、こいつの誘いに乗って、居酒屋に飲みに来たことを既に後悔していた。
仕事が終わって、同僚のリョウコと他愛のない話をしてた時に、会社の先輩のこの二人が、ご馳走するから一緒に飲みに行かない?と声を掛けてきた。
リョウコと目配せをして、タダなら行こう。そう決めたことが間違いの始まりだった。
お洒落なバーにでも連れて行ってくれるのかと思ったのに、来たのは大衆居酒屋、もう、うるさ過ぎて隣の人の声も聞こえない喧騒。
それだけでも後悔し始めてたのに、店員にまで絡み始めた。
チエミは、正直もう帰りたい。帰るなら、コイツラにひとダメージ与えてから帰りたい。そんな事さえ考え始めていた。
あの店員、アンドロイドなのに人間的な配慮までしてる。先輩の暴言に、周りのお客さんもクスクス笑い始めてるじゃない。
あー、もうヤダ。
でも、ちょっと待ってよ、これって帰る口実にもなるチャンスで、先輩に一泡吹かせられるかも?
チエミ「先輩、もうその辺でやめときましょうよ。相手はロボット店員で感情もないんだし、それ以上責めても意味ないですよ。」
リョウコも、チエミの発言で何かを察したらしい。
リョウコ「そうですよー、先輩。それより、もっと飲みましょうよー。」
リョウコ、ナイストス!チエミは心の中でほくそ笑んだ。
若い男「お、そうだな、飲もう飲もう。おい!ロボット、可愛い後輩に免じて俺様がタブレットで注文してやる。俺様の注文通り、直ぐに生ビール持ってこいよ!」
若い男は手慣れた様子でタブレットを操作して、注文を入力している。
チエミは、最高のチャンスだと思った。さっきから、周りのテーブルのお客さんたちが、自分たち4人のテーブルを見ながら「酔っ払い」とか「恥ずかしくないのかしら」とか囁いてる。
もうメッチャヤダ。
チエミ「そうそう、先輩、飲み直しましょうよ。私、お腹も空いちゃった、ポテト頼んでも良いですか?」
若い男「おう、良いぞ良いぞ、何でも食べたいもの注文しろ。」
チエミ「はーい。」
チエミはタブレットを手に取り注文画面を操作した。注文を送信したときに、さっきのアンドロイド店員と目があった。
程なく、周りのテーブルから小さな感嘆、歓声が聴こえてきた。周りのお客さんの目線の先には、さっきのアンドロイド店員が両手でお盆を持ち、そのお盆の上には数え切れない程の生ビールがピラミッド状に積み上げられている。
そして、アンドロイド店員は、チエミたちのテーブルに向かってこう告げた。
アンドロイド店員「お待たせしました、生ビール40個です。」
若い男「はぁー?!そんなの頼んでねーよ!ロボットいい加減にしろよ。」
アンドロイド店員「いえ、お客様のタブレットから、生ビール40個の注文を受け取っております。」
若い男「ふざけんな!そんなことあるわけねーだろ!」とタブレットを持ち上げて注文履歴を確認したところで、若い男の顔から酔いが引いて、青ざめていくのが見て取れた。
そのとき、若い男の視線の端に、居酒屋の玄関から「先輩、ご馳走様でしたー!」と手を振りながら去っていくチエミとリョウコの姿が映った。




