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第3章 王妃様の魔の手が迫る、ニャー最大のピンチ

今日はアーラ先生のハープのレッスンだ。

現実世界の俺は音痴だったのに、音楽なんて習えるわけないだろー!と内心でぼやきながら教室へ向かう。

教室には、あの色っぽくてスタイル抜群の先生の姿が。アーラ先生は俺の姿を見て、一瞬目を見開き、じっと見つめてきた。そして、すたすたと近づいてくる。

「お姫様、そのお姿……なかなか…趣きがおありで」

低くて心地良い女中音は、いつもより幾分か慵懶ゆうらんとした響きを帯びている。

色香たっぷりの成熟した美女にじっと見つめられるなんて、前世の俺には経験がない。むしろ、美女にまともに見られたことすらなかったから、内心かなり動揺している。顔が熱くなるのを感じる。

彼女の顔が俺の耳元に近づき、かすかな香りが漂ってくる。

「それとも、殿下はわざとそんな格好をして、先生の気を引こうとなさっているのですか?」

もうダメだ。顔が火照って、言葉もろくに出てこない。

「ア、アーラ先生! これはただ……動きやすいからで……」

今日も付き添ってきたニャーも、もう顔全体が真っ赤だ。

「ア、アーラ先生……お姫様は……その……」

ニャーはろくに言葉にもならない。いったい何が言いたいんだ、この子は。

アーラ先生は背筋を伸ばし、目尻の笑みを深くした。

「お姫様、わたしのところは、お姫様を不快にさせるような場所ですか?」

「ち、違います!その、ドレスよりこっちの方が楽でして……」

先生は、風で乱れた俺のポニーテールを整えながら、鋭い眼差しはそのままに、「たまにはスタイルチェンジも悪くありませんわ。殿下のそのお姿、ハープを弾くにはちょうど良さそうです」そう言って、くるりとハープの方へ歩いていった。

俺はまだぼーっと立ち尽くしている。鼓動の高鳴りが収まらない。ニャーが俺の服の裾を引っ張り、ついて行くよう合図してきた。

「ア、アーラ先生……なんか、お姫様にだけ態度が違うような……」

ニャーの頬をちょんとつつくと、彼女は「きゅっ」と声をあげて飛びのいた。

ニャーの言うことももっともだ。もし元の男の身体だったらまだしも、今の俺は白雪姫、女の子の身体なのに。まさか先生はそれでも……?

クルミ材のハープが窓辺に立てかけてあり、陽の光が弦に反射して、温かな光沢を放っている。

アーラ先生は琴凳に座り、傍に座るよう合図した。

「ハープには47本の弦があります。それぞれ音の高さが違うのです」

びっしりと並んだ弦を見て、めまいがした。ゲームのコントローラーだって時々押し間違えるのに。

先生は俺の手を握り、弦の押さえ方を教えてくれる。

「指は弦の三分の一のところに軽く置きます。力加減は程よく。強すぎると音が狂います」

彼女の指先はひんやりとしていて、俺の手の甲に触れた時、さっきの微妙な空気を思い出して、手が震え、必要以上に力が入ってしまった。

ビンッ!

耳障りな不快音が響き、ニャーは思わず口を押さえた。

「力が強すぎますわ」

アーラ先生は呆れたように手を離し、俺を完全な初心者として扱うことにしたようだ。

「ハープは優しい楽器です。大切な宝物のように扱わなければ」

優しい?むしろ魔法の道具のように思える。本当に難しい。

アーラ先生が『月光曲』を演奏してくれた。俺とニャーはうっとりと聞き入った。

いざ自分が弾いてみると、相変わらず耳障りな戦いの歌のようだ。

アーラ先生は辛抱強く、背後からぐっと寄り添い、再び俺の手を包み込む。鼻にふわりと香る香りに、緊張で体がカチコチになる。

だから余計に、指が言うことをきかない。

「ぷっ……ぷぷっ……」

ついにニャーが吹き出してしまった。すぐに口を押さえ、顔を赤らめて謝る。

「ご、ごめんなさい!」

アーラ先生は手を止め、俺の心の中の雑念を見透かしたようだ。

「お姫様、何を考えていらっしゃるのですか?」

「え?別に……なんでも」

「では、なぜそんなに落ち着きがないのです?」

顔を掻きながら、もちろん本当のことは言えない。

「その……昨日、あんまり眠れてなくて。それか、朝ごはんがよくなかったから……かな」

「まさか、殿下はついに先生の魅力に抗えなくなったのではありませんか?」

サキュバスのような眼差しで見つめられて、それならなおさら自重してほしい!

「アーラ先生! 頑張りますから……まずは練習を続けましょう!」

必死に気持ちをハープに集中させ、傍らの色香から意識を逸らそうとする。

「ハープの魅力はその穏やかさにあります。お姫様、もう少しリラックスして」

もし前世の先生が彼女だったら、一流大学だって楽勝だっただろうに。

ようやく今日のレッスンが終わった。美女がいなければ、こんなもの絶対にやりたくない。

「先生、そんな技術、どこで習ったんですか?」

「あら?お姫様、先生に興味がおあり?」

先生は身体をゆっくりと寄せてきて、相変わらずからかうような調子だ。

「別に……ただ何となく」

すると先生は姿勢を正し、口元に笑みを浮かべた。

「お姫様がもっと知りたいというなら、お話しましょうか」

「わたしは宮廷の出身ではありません。わたしにも先生がいました。吟遊詩人です。かつては先生について、多くの王都を巡りながら、旅の中で学びました」

随分いろいろな経験をしてきたようだ。見た目はまだ若いのに、彼女のイメージは吟遊詩人とはかけ離れているけど。

「じゃあ、なぜここに来て、宮廷教師をしているんですか?」

「なぜでしょうね? たぶん……ここには、『面白く』なられたお姫様がいらっしゃるからかもしれません」

額に手を当ててため息をつく。王様が給料をたくさんくれたから、と言うほうがまだ納得できる。

俺が帰ろうとすると、ドアを出ようとした瞬間、先生の腕が俺の肩に回ってきた。

どんどん近づき、ほとんど耳に触れんばかりに。

「これからもこの服でレッスンに来てくださいね。お姫様によくお似合いです」

先生が先に部屋を出て行き、真っ赤になった顔の俺とニャーが取り残された。

ニャーは我に返ったように、俺の服の裾を引っ張った。

「ア、アーラ先生……なんか、秘密が多そうですね」

「そうみたいだな」

自分の頬に手を当て、平常心を取り戻そうとする。この姉先生、誘うのが上手すぎる。

でも、ハープはそれほど難しくなさそうだ。いつか『ネクロポリスの序曲』なんてのを作曲してみせるぞ。



さて、楽しいことばかり続くわけがない。王妃様がついに魔の手を伸ばしてきた。

俺が城の外に出たことの責任を全てニャーに被せ、彼女をお付きのメイドの職から解任し、城から追放する、というのが王妃の下した裁定だ。最後に一目会うことすら許されなかった。

「先生……ニャーって、どんな子でしたか?」

アーラ先生の部屋を訪れ、何か手がかりを求めた。

先生は茶杯を置き、鋭くも優しい眼差しを俺に向ける。

「お姫様、また自分のメイドのことがお知りたい? お欲張りですね」

「先生……からかわないでください。本当に困ってるんです」

先生は姿勢を正し、お茶を一口含んで、口調を真剣に変えた。

「ニャーがどんな子かは、お姫様が一番ご存じではないですか?」

「他の人から見たニャーを知りたいんです」

この間一緒に過ごして、可愛いなって思った。時には臆病だし、時にはすごく勇敢だし。

「あの子は純粋な子ですよ。城に来たばかりの頃はもっと臆病で、いつも下を向いて、まっすぐ人の目を見られなかった。でも、仕事は一番真面目で、お姫様の世話もよくしてくれていました」

「任されたことは何でも必死にこなし、失敗すればひたすら謝っていました」

頭をかく。ニャーにもたくさんいいところがあったんだな。

「いかにも彼女らしいですね」

アーラ先生は微笑んだが、すぐにしっかりと俺を見つめ直した。

「でも、彼女に自信をくれたのは、お姫様あなたですよ」

首をかしげて聞く。今の俺のこと? それとも以前の白雪姫のこと?

「彼女は普通の家庭の出です。宮廷に勤められるだけでも、とても幸運なこと」

「彼女が必死にあれこれ頑張ってきたのは、ここに残りたかったから。あるいは、あなたをがっかりさせたくなかったからかもしれません」

以前の白雪姫は、いったいどんな人だったんだろう? とにかく、ニャーを引き留めなくちゃ。この世界に来て、最初に出会った子を失うなんて、最悪だ。

前任の白雪姫がどうニャーと接していたかはわからない。でもこれからは、俺が新しい思い出を作っていく。彼女も、前任の白雪姫の支えだったんじゃないか、と漠然と思っている。

「なんとかして彼女を引き留めます。先生、彼女の家はご存じですか?」

「お姫様、そのおつもりは?」

「直接会いに行って、連れ戻すつもりです」

アーラ先生はしばらく俺を見つめ、人を見透かすようなその瞳に、称賛とより深い探求の色を浮かべた。

「お姫様、あなたは本当に以前とは大分お変わりになりました」

「先生、つまり以前の俺より良くなったってことですか?」

先生は首を振り、またお茶を一口。

「以前のお姫様も良かった。誰からも愛される、素敵なご姫君でした」

「では、先生はどういうおつもりで?」

先生はくくっと笑った。

「先生にもよくわからないの。なぜそんな風に感じるのか。でも、先生はあなたを応援します」

そう言って、アーラ先生は親指を立てて見せた。美人先生に励まされたら、やるしかない。

「でもその前に、王妃様にお会いになるべきです」

「なぜですか?」

「ニャーを追放したのは王妃の命令です。あなたが直接連れ戻せば、余計な問題を引き起こすかもしれません」

確かにその通りだ。ついにあの王妃に会う時が来たのか?

「先生はなぜニャーの住所をご存じなんですか?」

「実は城で働くメイドの住所は大抵把握しています。王様からのご依頼で、彼女たちの状況をある程度把握する必要がありまして」

「へえ、先生は執事の役割も兼ねてるんですか?」

「いいえ、わたしの主な役目は、あくまでお姫様をお教えすることです」

先生が空けた茶杯を見つめ、おかわりを注いだ。

「先生、それでは王妃に会ってきます」

「頑張ってくださいね。応援のキスはいりませんか?」

そう言いながら、先生はゆっくりと顔を近づけ、俺の唇を熱い眼差しで見つめる。内心楽しみではあったが、一歩飛びのいた。

「い、いいえ! 結構です! それでは行ってきます!」

足早にその場を離れる。もし本当に襲ってきたら、我を失うのは確実だったから。



王妃の居室に直行する。彼女の姿を見て、私は完全に言葉を失った。

印象にあった陰険で冷酷な悪女のイメージとはまったく違う。

歳月は彼女を特に慈しんだかのようで、目尻にほんの少し刻まれた皺が、むしろその氷のような青い瞳を一層深く見せている。

髪はリリスのような眩しい黄金色ではなく、柔らかな光沢を帯びた淡い金色で、だらりと結い上げられ、こめかみにはサファイアをあしらったかんざし、頭上には金色に輝く王冠。

深い紫のロングドレスをまとい、化粧は完璧で、口には薄いベージュピンクのリップ。その瞳は薄氷の張った湖のようだ。

一瞬、彼女が将来をかけて俺(白雪姫)を殺そうとする悪辣な王妃だということを忘れそうになった。

「白雪、随分と図々しくなったようだな。その格好は何だ?貴族の少年の真似事か?」

「母上、ニャーに罪はありません。お罰が必要ならば、私に与えてください」

彼女が簡単に応じるわけがない。俺は覚悟を決める。

「使用人にかばうとは。姫は姫らしくあるべきだ。いい加減な真似はよしなさい」

「彼女を戻していただけなければ、私が……」

考え直すと、少し軽率だった。王妃の言う通り、これは姫らしい振る舞いではない。

「お前がどうするというのだ? 私が一言言えば、奴が無事に家に着けるかどうかも疑わしいぞ」

これが王権というものか。美しい童話の世界でも、一言で生死を左右する。

「すみません、母上、言葉が過ぎました。どうかニャーをお戻しいただければ、私は何でもします」

今は頭を下げるしかない。

「よろしい。ならば三日後の宮廷晩餐会で、リリスが貴族たちの前で演奏する。お前はそれに合わせて踊れ」

「承知しました」

王妃の目に一瞬、驚きが走った。白雪姫が以前はこんな要求を受け入れたことがなかったのだろうか?

「では、そう決めた」

王妃の冷たい一言で、会話は終わった。



踊るなら、リリスが何を演奏するか聞き、アーラ先生にダンスを習わなければ。

金髪の姫君は少し機嫌を損ねているようだ。母親は悪役だが、彼女個人に対して恨みはない。

「白雪、なぜそんな要求を飲んだの」

「え? 何かまずいのか?」

リリスにとっては何の損もないはずなのに、なぜ怒っているんだ?

「使用人のために……そこまでするなんて」

俺の中ではニャーは使用人じゃない。そもそも、俺は使用人なんて要らない。

「ニャーは友達だ。使用人だなんて思っていない。妹君である君と同じだ」

彼女の感情が突然高ぶり、動揺しているように見えた。

「う、うそ!でたらめ!」

「あなた、私のことこれっぽっちも気にかけてないくせに!」

「お姉ちゃんは何をやらせても私より上手い!」

「母上はいつもそれを理由に私を責める!」

「母上はいつも言う……『お前は必ずお前の姉を超えろ』って」

「だからって、私の伴奏で踊るなんて……」

「ありえない……ありえないってば!」

彼女は私を押しのけ、自分の部屋に走って行き、呆然と立ち尽くす私を残した。

こんなにたくさん話しかけてきたのは初めてだ。内容は最悪だったけど。

そういうことか。王妃は娘にいったい何を吹き込んでいるんだ?

前世の家庭ドラマでよくあるパターンだ。後妻の子が先妻の子に勝てず、後妻が極端な手段に出る……。

妹とこんな関係なのは、気分が良くない。

アニメみたいに、兄のために料理を作ったり、いつもくっついてくる妹の方がいいのにな。ちなみに俺はシスコンじゃない。やはりあの子と仲直りするべきだろう。

再びアーラ先生を訪ね、王妃の条件を伝え、ダンスを教えてくれるよう頼んだ。

「リリス様は以前、実はあなたのことが好きでした。二人の仲も良かったんです」

アーラ先生が自ら話題に出してくれた。聞かないわけにはいかない。

「では、なぜ今は私に敵意のようなものを見せるのですか?」

「ここ数年、お姫様は何事もリリス様より優れておられました。おそらく王妃様からの重圧が大きすぎて、すっかり疎遠になってしまったのでしょう」

「なるほど」

道理で、前にハグした時、彼女はあんなに驚いたわけだ。

「お姫様はリリス様のことをどうお考えですか?」

「あの子も純粋な子だと思います。きっとコミュニケーションが足りなくて、誤解を生んでしまったのでしょう」

「お姫様はそうお考えなのですね」

「ええ。だから、仲良くしたい。私たちの関係は、こうあるべきじゃない」

アーラ先生の視線が再び俺の顔に注がれる。

「ニャーだけでなく、リリス様とも仲直り? お姫様は本当にお欲張りですね」

「欲張りって言うんですか? 先生との関係も良好だと思いますが」

「あら?」

先生はまたもうろうとした目をした。そんなこと言わなきゃよかった。

「では、先生はその日を楽しみにしております」

アーラ先生は立ち上がり、白い柔らかなバレエシューズを取ってきた。細身のその靴を見て、履くのが恥ずかしくなる。

シューズに履き替えると、先生はそっと俺の肩に手を置いた。気がつくと、学生時代の直立不動の姿勢のようだ。

「背筋を伸ばして、肩の力を抜いて。風に揺れる花をイメージするの。突撃する騎士じゃないんですから」

先生が教えるのはワルツのステップ。ワルツは軽やかなターンと流れるようなステップが命だ。

足を上げると同時に同じ側の手も出てしまう。左足が右足を踏み、時折リズムに乗れても、優雅なスライドが突進攻撃のようになり、先生にぶつかりそうになる。

アーラ先生は辛抱強く、片手で俺の手を握り、もう一方の手を腰に回した。

「左足前へ、右足を揃えて。ターンする時は重心を足の腹に」

彼女の身体が接近し、手の平に汗がにじむ。

リズムに乗れないばかりか、先生のドレスの裾を踏んでしまった。

「お姫様、私の足を踏んでいらっしゃいますわ。どいて頂けますか」

「お姫様、また私の足を……」

「お姫様……」

こっそり見に来ていた小間使いの一人が笑いをこらえきれず、頬が火照った。穴があったら入りたい気分だ。

からかわない時のこの女は、とても魅力的だ。口では俺の失敗を並べ立てるが、嫌な顔一つせず、指導は真剣そのものだ。

「ターンする時、スカートがふわりと浮くので、軽く裾を持ち上げて。力任せじゃなく。目線は柔らかく、パートナーを見つめて。にらみつけるんじゃありません。足取りは軽く、雲の上を歩くように」

先生が再び手を握った時、以前ほど緊張せず、そのリズムにゆっくりと身を任せた。

半日もすれば、コツをほぼ掴んだ。まさか俺は万人に一人のダンスの天才だったのか? 白雪姫の身体能力の高さのおかげだろう。

三日目、アーラ先生は俺を見つめ、口元に微笑みを浮かべた。

「あなたは自分が思っているより努力家だし、才能もあります。ソロなら問題ないでしょう」

うなずく。自信が湧いてきた。あとは晩餐会の始まりを待つだけだ。

「先生、本当に大丈夫ですか?」

「教えた通りにすれば問題ありません」

「はい、ありがとうございます。安心しました」

そう言い終わると、先生の手が俺の頬をかすめた。

「お姫様に全部覚えられちゃったら、もう私のところに来てくれなくなるかもね」

「ひゃっ!」

アーラ先生の突然の動作に、ニャーと同じように驚いて飛び上がった。

「先、先生、相変わらず冗談がお好きで」

「白雪、あなたが今、二人を同時に助けたいと思っているなら」

先生はまたあのからかいを含んだ表情に戻った。

「もし二人が同時に危険にさらされたら、どちらか一方しか助けられない時、あなたはどちらを選びます?」

「えっと……」

「ははは、お姫様、気にしないで。ただの冗談ですから」

そんな冗談、やめてほしい!額に手を当ててため息をつく。

「お姫様、なぜそんなに努力するようになったんです?」

「もちろん、ニャーを戻すためです。少しくらい疲れても構わない。ニャーは苦しんでいるはずですから」

アーラ先生は去って行く俺の背中を見つめ、茶杯を手に取ると、また一口含んだ。

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