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天然☆彡少女  作者: 櫻木サヱ
ミッションなんて聞いてない!
9/49

光のpartner、登場

──屋上の真ん中で、ほのかは立ち尽くしていた。

目の前に広がる“光の輪”は、夕闇の中でまるで生きているみたいに脈打ち、

ほのかの頬をやさしく照らしていた。


「……ま、まさか夢……じゃないよね?( ˘•ω•˘ )」


つぶやいても誰も答えてくれない。

でも──次の瞬間。


ぽんっ


光の輪の中央から、まるでシャボン玉がはじけるみたいな音がして、

眩しい光が空へと舞い上がった。


そして、目の前にふわりと現れたのは──

ティーカップくらいの大きさの、白くてまるっこい生き物だった。


「や、やぁっ……!キミ、遅かったじゃないか!」


ふわっとした見た目なのに、声は意外としっかりしている。

ぱっちりした青い目が、じーっとほのかを見上げてきた。


「え……しゃ、しゃべった……!?」


ほのかが一歩うしろに下がると、

その生き物はふわりと宙に浮いて追いかけてきた。

まるで風船みたいにぷかぷかと。


「そりゃしゃべるよ!だって、ボクは光の守護精ルゥだもん!」


「る、ルゥ……? え、まって、え、ルゥ……」

「何回言うの!?キミ、テンパると語彙力ゼロになるタイプでしょ!」


ツッコミが早い。

初対面にして、天然娘とツッコミ妖精のコンビがもう成立していた。


「ルゥはね、キミのパートナーになるために、ずっとこの場所で待ってたんだよ」

「……パートナー……?」

「そう、パートナー!魔法少女ってやつだよ!」


「……えっ、私が!?」


指先で自分を指すほのか。

なんか、そういうキャラじゃないんだけど……と心のなかで思いつつ、

なぜか心臓はバクバクしていた。


「ねぇ、なんで私なの……?」


ぽつりと呟くと、ルゥはふわりと目線の高さまで上がってきた。

その青い目が、まるで星空みたいにキラキラしている。


「理由なんて、ボクにも全部はわかんない。でも──キミが光を呼んだ。

だから、ボクはキミを選んだんだよ」


「え、呼んでない呼んでない呼んでない……!」

「心が呼んだの!」

「え〜〜そんな……心に勝手に呼ばれても困るんだけど〜〜(´;ω;`)」


泣きそうになりながらも、なぜか笑いがこみ上げる。

“現実じゃない”と思ってたはずなのに、

この空気、この光、この出会い──全部があまりにも、ちゃんと“ある”。


「キミの名前は?」

「……ほのか」

「ほのか。いい名前だね。今日からキミは、《光の魔法少女》になるんだ!」


「……え?いや、急に言われても……」

「大丈夫!天然なやつほど、だいたい運命の人なんだよ!」


「なにその偏見ーーー!!」


──春の夜風がふわりと吹いた。

笑い声とツッコミが混ざり合って、

まるでこの屋上が“特別な場所”に変わっていくみたいだった。


ルゥが手(?)を差し出す。

ほのかも少しだけ戸惑いながら、その光に触れた。


あたたかい。

まるで春のひだまりみたいな優しい光。

指先から胸の奥へ、まっすぐ染みこんでいく。


「ようこそ、魔法の夜へ──ほのか!」


光が弾ける。

夜空の下、ひとりと一匹(?)の小さな物語が、静かに幕を開けた。


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