光のpartner、登場
──屋上の真ん中で、ほのかは立ち尽くしていた。
目の前に広がる“光の輪”は、夕闇の中でまるで生きているみたいに脈打ち、
ほのかの頬をやさしく照らしていた。
「……ま、まさか夢……じゃないよね?( ˘•ω•˘ )」
つぶやいても誰も答えてくれない。
でも──次の瞬間。
ぽんっ
光の輪の中央から、まるでシャボン玉がはじけるみたいな音がして、
眩しい光が空へと舞い上がった。
そして、目の前にふわりと現れたのは──
ティーカップくらいの大きさの、白くてまるっこい生き物だった。
「や、やぁっ……!キミ、遅かったじゃないか!」
ふわっとした見た目なのに、声は意外としっかりしている。
ぱっちりした青い目が、じーっとほのかを見上げてきた。
「え……しゃ、しゃべった……!?」
ほのかが一歩うしろに下がると、
その生き物はふわりと宙に浮いて追いかけてきた。
まるで風船みたいにぷかぷかと。
「そりゃしゃべるよ!だって、ボクは光の守護精だもん!」
「る、ルゥ……? え、まって、え、ルゥ……」
「何回言うの!?キミ、テンパると語彙力ゼロになるタイプでしょ!」
ツッコミが早い。
初対面にして、天然娘とツッコミ妖精のコンビがもう成立していた。
「ルゥはね、キミのパートナーになるために、ずっとこの場所で待ってたんだよ」
「……パートナー……?」
「そう、パートナー!魔法少女ってやつだよ!」
「……えっ、私が!?」
指先で自分を指すほのか。
なんか、そういうキャラじゃないんだけど……と心のなかで思いつつ、
なぜか心臓はバクバクしていた。
「ねぇ、なんで私なの……?」
ぽつりと呟くと、ルゥはふわりと目線の高さまで上がってきた。
その青い目が、まるで星空みたいにキラキラしている。
「理由なんて、ボクにも全部はわかんない。でも──キミが光を呼んだ。
だから、ボクはキミを選んだんだよ」
「え、呼んでない呼んでない呼んでない……!」
「心が呼んだの!」
「え〜〜そんな……心に勝手に呼ばれても困るんだけど〜〜(´;ω;`)」
泣きそうになりながらも、なぜか笑いがこみ上げる。
“現実じゃない”と思ってたはずなのに、
この空気、この光、この出会い──全部があまりにも、ちゃんと“ある”。
「キミの名前は?」
「……ほのか」
「ほのか。いい名前だね。今日からキミは、《光の魔法少女》になるんだ!」
「……え?いや、急に言われても……」
「大丈夫!天然なやつほど、だいたい運命の人なんだよ!」
「なにその偏見ーーー!!」
──春の夜風がふわりと吹いた。
笑い声とツッコミが混ざり合って、
まるでこの屋上が“特別な場所”に変わっていくみたいだった。
ルゥが手(?)を差し出す。
ほのかも少しだけ戸惑いながら、その光に触れた。
あたたかい。
まるで春のひだまりみたいな優しい光。
指先から胸の奥へ、まっすぐ染みこんでいく。
「ようこそ、魔法の夜へ──ほのか!」
光が弾ける。
夜空の下、ひとりと一匹(?)の小さな物語が、静かに幕を開けた。




