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第141話 アリシア、チームドラゴンと語り合う

 突然現れたチームドラゴンの3人。

 エリオット、セイヤー、エデン。

 とても懐かしい顔ぶれ……。


「みんなは急にこっちに来ちゃって大丈夫だったの……?」


 お店のほうとか、『ローラーシューズショー』のスケジュールとか、いろいろと混乱していないかな……?


「何言ってんすか」


「私たちはずっと待っていたんだよ」


 セイヤーが鼻で笑い、エリオットが目を細めて笑った。


「暴君に恩返しができる日をね」


 エデンがわたしの手を取った。


 雪のように白くてひんやりとしていて細い指。

 でも、エデンの心の温かさを感じる。


「みんな……」


 ヤバいヤバい、泣けてきちゃう。


「でも……今日ちょっとショーをやってすぐに帰るってわけにはいかないかもしれないんだよ? もしかしたらけっこう長期間滞在も……」


 こんな突然、拉致みたいに連れてこられて、みんなは怒ってないの?


「オーナーにはずっと前から私たちの気持ちは伝えていたから問題ないんだ」


「ソフィーさんに? 何を?」


「アリシアが5年も店を空けて、突然戻ってきたと思ったら、『異空間に閉じ込められていた』と言ったあの時にな。ロイスの結婚披露パーティーでひさしぶりに一緒に仕事をして、店に戻った後、私たちは3人で決めたんだよ」


「不思議と意見が一致したっすよね~」


「いつもはボクたち意見がバラバラなのにね」


 3人が顔を見合わせて笑う。


「ボクたちね、ずっとナタヌさんのことがうらやましかったんだ~」


「ナタヌ? なんで?」


 ナタヌは3人のことを「あんまりよく知らない」みたいに言っていた気がしたけれど。ナタヌはわたしの事務職を引き継いでいたし。


「だって暴君のピンチって聞いて、その場で何もかも放り出してすっ飛んで行っちゃったからね」


「あー、ミィちゃんにそそのかされてスレッドリーを爆発させようとしてきたあれね……」


 なんていうか、ナタヌってそういうところがあるよね……。


「お店にめっちゃ迷惑掛かっていそう……」


 そのことはぜんぜんケアしてなかったわ……。


「あの時は大変だったっすね」


「突然、筆頭天使ちゃんがいなくなってしまって、オーナーが泡を吹いて倒れそうになっていたな……」


「でも暴君が突然失踪した時よりは大丈夫だったかな?」


「あー、その節もご迷惑をおかけしました……」


 なんかわたし、ソフィーさんに苦労を掛けてばっかりな気がしてきた……。


「どちらの時も、ミィシェリア様が人材を回してくださったので、最悪の事態は避けられている。ミィシェリア様にとって、アリシアは特別な信徒なんだそうだな」


「わたし、ミィちゃんの義嫁だし? 特別特別♡」


 でもナタヌの件は、ミィちゃんの責任が大きいんだから、ミィちゃんが対応するのは当然では?


「ミィシェリアだけではないぞよ。我も協力したのじゃ」


 と、マーちゃん。


「商売が繁盛するように、毎日VIP客を呼んでやったのじゃ」


「それって……余計に混乱しそうな気が……」


 お店の経営がばたついているところに予約外のお客さんを入れる……なんというスパルタ教育!


「VIPルームにお客さんが入ると、特別公演も増えるっすから……あの時は疲労で倒れそうだったっす……」


「でも暴君の治癒ポーションっていうのがあったから、ぜんぜん余裕だったよね」


「エデン……体の問題じゃないっすよ。心の余裕が必要なんすよ……」


「それと筋肉を鍛える時間もな」


 リラックスの仕方は人それだけども……。


「つまりな、アリシア。そういうことだから大丈夫なんだ」


 エリオットがわたしのほうに向きなおり、微笑みながら頷いて見せた。


「いや、何がつまり、なのよ?」


 すっごい苦労した―ってこと以外、何にもわかんなかったわ。

 

「『龍神の館』の店も規模が大きくなったっすから、もうあの時とは違うんすよ」


「オーナーがずっとお出かけしていても、ナタヌさんや暴君がいなくても毎日通常営業できるようになっているんだよ」


「人に依存しない組織ができているってことね?」


 わたしがあのお店の経営の基礎を作ってから、もう6年だもんね。

 何もかも順調なんだ……。

 手探り状態だったけれど、いろいろ仕込んでおいて良かったなー。


「それにね、ミィシェリア様が連れてきてくださった、エヴァさんたちもいるからね」


「……なるほど。そういうことか」


 何が『人』に依存しない組織なのよ。ただ『ロボ』に依存する組織になっただけじゃん。


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