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第140話 アリシア、暴君になり切れない?

 3人ともさ、すでに『ローラーシューズショー』で成功していて、きっとお給料もいっぱいで生活も安泰になっているだろうし、ファンもいっぱいいるだろうね。

 急に「わたしのところに来て」なんて言ったら迷惑じゃないかな……。


 マーちゃんがエメラルドグリーンの瞳をシパシパさせてから、大きなため息を吐いた。


「アーちゃん……」


「……何?」


 やっぱりこっちに来るのはダメだった……?


「プロデューサーのアーちゃんが、『うるせぇ来い』っていえば、あやつらは喜んで飛んでくるじゃろ」


「そんな……」


 わたしのわがままで迷惑かけられないよ……。


「これはアーちゃんのわがままではないのじゃ。そこのチテネティア(残りカス)のわがままじゃろ」


 だから残りカスはひどいって……。

 チテネティア様はマーちゃんと同じ女神様だよ?


「それにの。我は知っておる。あやつらは退屈しておるのじゃ」


「退屈?」


 もしかして、もうショーに出演するのがつまらないのかな?


「アーちゃんがいなくなったからじゃよ」


「わたし?」


 なんで?


「エリオットもセイヤーもエデンも、アーちゃんに才能を見出され、何もわからぬ状態から扱きに扱かれて、いっぱしのパフォーマーに成長したのじゃ。あやつらはアーちゃんに多大な恩義を感じておる」


「ま、まあ? 毎日毎日かわいがってあげたのは、たしかにそうよね」


 訓練させまくって、いっぱいケガもさせちゃったけれど、すぐにポーションで直してあげたなー。懐かしいね!


「何よりあやつらは、アーちゃんに命令されるのが好きなのじゃ」


「えー」


 年下のかわいいかわいい女の子に命令されるのが好きだなんて……ヘンタイなの?


「そうじゃ。年下のかわいいかわいいアーちゃんに命令されるのが好きなヘンタイ3人衆が『チームドラゴン』なのじゃ」


 ヘンタイは否定してあげて……。

 それと、かわいいかわいい、の辺りにツッコミを……。

 んー、エヴァちゃんが登場しないと調子狂うね。


「エヴァならこの結界の中には入って来ぬように申し伝えておるから、今はおらぬよ」


「あ、やっぱりそうだったんだ? ずっと無言だからおかしいとは思ってたんだー」


 エヴァちゃんがいない状態なんてあるんだね。エヴァちゃんの心が誕生する前まで遡ると……もう覚えていないくらい昔になっちゃうかも。


「じゃがの、1つ忠告しておくのじゃ」


「えっと……何?」


 忠告なんて言われると、なんか怖い。


「ここでの会話は録画したものをあとで提供することになっておるのじゃ。下手なことをすると、まとめてエヴァから激しいツッコミを受けることになるから注意するのじゃぞ」


「そういうのはもっと早く忠告して……」


 ここまでの流れだけでも、夜通し煽り倒されそう……。

 すっごい憂鬱……。そう、アリシア=グリーンの憂鬱。


 チラッチラッ。

 ツッコミポイントを置いておきましたよ、と。


「連れてきたのじゃ」


「えっ?」


「3人を連れてきたのじゃ」


「……マジぃ?」


 でも『ガーランド』からここまで、どんなに急いでも1日以上はかかるんじゃ……。まさか女神ワープを使ったってこと⁉ でも女神ワープって女神様しか通れないってスーちゃんが言っていたような?



「暴君、ひさしぶりだな」


「暴君、相変わらず人使いが荒いっすよ~」


「暴君、遊びにきたよ」


 振り返るとそこにいたのは、エリオット、セイヤー、エデンの3人だった。

 懐かしい顔。


「ホントにホント? みんな……本物?」


 エヴァちゃんが変装しているんじゃなくて……?


「何言ってんすか。ちょっと会わない間にボケたっすか?」


 セイヤーの軽口は相変わらず。

 でも、なんかシュッとしてすっごく大人っぽくなってる……。


「だって、みんな老けたから……」


 エリオットは筋肉ムキムキで変わっていないけれど、セイヤーはすごく大人っぽく、エデンは……ちょっとだけたくましくなったね。


「暴君はすごく美人になったね」


「えっ、ええーーー⁉」


 え、エデンが口説いてきた⁉


「ええエデン! 何言ってるんすか! 暴君は最初から超絶美人でこの国No.1だったっすよ!」


 冷や汗を垂らしながら言われてもうれしくない。


「そういうセイヤーはお世辞が下手になったね? ちょっと頭の中を改造して、正しいお世辞の言い方を思い出してみる?」


「遠慮するっす! これ以上頭が良くなったら困るっすからね!」


 セイヤーはそれだけ言うと、サッとエリオットの背中に隠れてしまった。


「この感じ、懐かしいな。しかし、アリシアは本当にキレイになったよ。見違えたな」


 エリオットが目を細めてわたしのことを見つめていた。


「ちぇっ。結局子ども扱いじゃん」


 かわいい、好き、付き合って! くらい言いなさいよ! この筋肉ゴリラ!


「あとはロイスがいれば、チームドラゴンの初期メンバーがそろい踏みだったのにね」


 そうだね。

 ロイス、元気かな。

 そろそろ出産の予定日が近いはず。ロイスももう少しでお母さんになるんだもんね。


 みんなでさ、おっかなびっくりしながらステージに上がっていたあの頃から、もうずいぶん時間が経ったね……。


 わたしはみんなから遅れていた空白の時間を、少しは埋められたのかな。


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