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第71話 アリシア、不可抗力でやらかす?

 わたしたち王都組(わたし、スレッドリー、ステファン、エヴァちゃん)は、王都の少し手前辺りでジェットスキーを降り、徒歩で城門へと向かった。


「というわけだからー、前半の主役はキミに決めたっ!」


 よろしくね、ステファンくん♪


「よろしくと言われましても……」


 不安そうに視線を彷徨わせるステファン。

 大丈夫大丈夫♪


「詳しい内容はエヴァちゃんから聞いておいてね。王都に着いたらすぐに作戦開始だから」


 歩きながら目を覚ましておいてねー。


≪Yes, My Lady. ステファンさん、こちらへ≫


 隊列を2列に変更して街道の端っこを歩く。

 前列にわたしとスレッドリー。後列にエヴァちゃんとステファンだ。


「ステファンが聞き込みをしている間、俺たちは待機か?」


 隣を歩くスレッドリーが尋ねてくる。


「まあ、スレッドリーは王都ではとくに顔が広く知られているし、あんまり目立たないでほしいからね。エヴァちゃんに『常識改変』スキルをかけてもらって、ただの一般人として認識されるようにはする予定だけど、一応フード被ったりして顔は隠しておいてよね」


 王都だとすれ違う人数が多いと思うし、そういう場合に『常識改変』スキルの効果がどこまで通用するのか未知数だから念のためね。


「わかった。おとなしくしておこう。アリシアはどうするんだ?」


「わたしは……あんまり考えてなかったなー。指揮官だし! どっしりかまえて報告を待つ! とか?」


 聞き込みはステファンとエヴァちゃんに任せておいたほうが良いだろうから、下手に出しゃばらないほうがうまくいくよね。


「だったらアリシアは、ミサトさんとステファンが聞き込みをしている間は時間があるのか?」


「え、うん。まあ後半戦に向けて精神統一とかそれくらい?」


 なんでスレッドリーはそんなにうれしそうな顔しているの?


「それなら少し2人でどこか回ったりしないか?」


「へ?」


 まさかの提案。

 2人……で……?


「もちろん人の多いところは避けるつもりだ。俺は王都に詳しいから任せろ」


 なんかグイグイ来るじゃん……。


「今は緊急事態だし、みんな作戦行動で忙しいのにそういうのは良くないんじゃないかな……」


 不謹慎だと思うよ?


「だがアリシアは空いているんだろう?」


「それはそう……だけどさ……」


「嫌なのか?」


「そういうわけでは……」


 訊き方がずるいよ。

 嫌じゃなくてもダメな時ってあるでしょ……。


≪アリシア、照れてるのか?≫


「何言ってるのよ。今は作戦行動中なの!」


≪アリシア、俺について来いよ≫


「今はダメだって……」


 全然引き下がらないし、ホントどうしちゃったの?


≪だったらいつなら良いんだ? 俺はもうガマンできないんだ≫


「何を言って……ってエヴァちゃんじゃん!」


 わたしの隣を歩いていたのはエヴァちゃんだった。

 スレッドリーはいつの間にか口を塞がれ手足をロープで縛られて引き摺られていた……。


 いつから……?


≪ひっかかりましたね。アリシアかわいいよアリシア≫


 絶対殴るっ!

 壊れるまで殴るっ!


「ロボ! そこに正座! 今日という今日は絶対許さないっ!」


≪サービスサービスぅ♪ アリシアの殺伐とした日常に潤いを与えただけです。ドキドキできたでしょう? むしろ感謝してほしいくらいです≫


「頼んでないっ!」


 ぜんぜん言うこと聞かないロボ、もう嫌だー!


「あの……暴君……」


 ステファンが話しかけてくる。


「何よ⁉」


「はぅ! ご、ごめんなさい! ちょっと言いたいことがあっただけで~~~~~」


 と、すでに10mくらいはバックダッシュで距離を取っていた。

 さすがうさぎ! 逃げ足の速いヤツ!


「別にステファンには怒ってないから……。殴ったりしないから言って?」


 戻っておいで。


「えっと、その……」


 恐る恐るといった感じで、ステファンが近寄ってくる。

 あきらかに警戒モード。

 わたしの顔色を伺いつつ、といったところかな。殴らないって言っているのに。


「さっきのお話なんですけど……」


「さっきの? 作戦内容に不明な点があったならもう一度伝えるよ」


 ステファンの動きが今後の交渉に影響を与えるんだし、しっかり頼みたいのです。


「いえ、そっちではなく……暴君たちの……」


「わたし、たち?」


「はい。私とエヴァさんが聞き込み作戦をしている間に待機はしていただかなくても平気かなと思いまして……」


「というと?」


 ステファンは何が言いたいんだろう。

 指揮官のわたしがいつでも緊急対応できるように待機するのは当たり前でしょ?


「せっかくの空き時間ですから、ご夫婦でゆっくりされたら良いのかなと……?」


 ご夫婦で?


 ごふうふ?


 GOFUuuuuuuuuuu⁉


「ななななななな何言ってるの! まだ夫婦なんかじゃないって! もうそういうことは冗談でも言っちゃダメよっ!」


「ブフェッッ⁉」


 あ。


 ちょっと背中を叩いたら……ステファンが飛んでっちゃった……。


 やっちゃったー。


≪ステファンさん……まだギリギリ息があります。助けますか? 見捨てますか?≫


「すぐに助けて……」


 ごめん。

 殴らないって言ったのに……今のはホントにわざとじゃないからね?


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