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公爵家の歓迎

「オフィーリアいらっしゃい!」

「僕もいるんだけど……」

「ジルはおまけだもの」


 仲良いなぁ。


「君がフローリアの友達かな?」


 わぁ! 公爵様と夫人……すごい。雲の上の方達だと思っていたのに……声が震えてしまった……


「緊張しなくて良いのよ。フローリアの友達としてお招きしたのだからリラックスしてちょうだい」

「ありがとうございますっ」

「元気ねぇ。フローリアと仲良くしてくれてありがとう。ルシアンまでもが仲良くするなんて珍しいわ。ジルベルトが令嬢を迎えに行く日が来るなんて……成長したわね」


 ルシアン様はともかくジルベルト様のこともご存知なのね。


「あ、そうだ。フローリア様本当にサツマイモスイーツで良かったのですか……」

「えぇ。もちろん。両親も楽しみにしていたみたいよ」


 サツマイモのタルトをお持ちした。シェフ渾身のスイーツとなった。(また)金箔付きでゴージャスを狙ったようだ。


 フローリア様は私のことを公爵夫妻に話してくれて恥ずかしかった……


「という事で、先日はお泊まり会もしたの! その後は王都でダブルデートもしてすっごく楽しかったの」

 

 で、デート?


「まぁ。それは良かったわね。お泊まり会をするような友達が出来るだなんて素敵ね」

「えぇ、オフィーリア、またお泊まりにきてね」

「ご迷惑でなければ」

「迷惑なんかじゃないわよ。ねぇ、お兄様」

「あぁ、いつでも歓迎するよ。また迎えに行こうか?」


 それはやめてください! 冗談に聞こえないから怖いんだって。


「一人で来れますっ」

「ははっ。オフィーリア嬢は元気だねぇ。フローリアの事頼んだよ」


 公爵様も公認でお友達になりました。その後うちのサツマイモタルトは絶賛されレシピを提供することになりました。シェフと先生儲かってるわね……二人がハイタッチしている姿が想像つく。イエーイ☆


 無償提供は失礼になるそうで、お金が動くんですよ! 先生は研究費にするって言ってシェフは家族に還元しているみたい。緊張のお茶会が終わりジルベルト様に送ってもらった。


「帰りも送ってもらってごめんね」

「ちゃんと屋敷に入ったことを見届けないと不安だからね」


 屋敷につくと、お父様がいた……うちの家族って出たがりよね! お父様とジルベルト様は会った事があるから挨拶をして……ってリューがいる!


「リューまで……」

「君がアンドリュー殿かな」

「初めまして。いつも至らぬ姉がお世話になっています」


 ……至らぬってヒドイ。


「いつもお姉さんには楽しませてもらっているよ。君の話も聞いた事があったから初めて会った気がしないな」

「姉さま、何を言ってるんだ? 悪口?」

「リューのことを悪く言うわけないでしょ! 失礼ね」

「姉は何を言ってるんですか?」

「君の話を聞く時はしっかりした弟君だね。といつも答えているよ。面白いなと思った話はカフェで食べ過ぎた時に歩いて帰ってきた。というエピソードは想像だけでも笑ったよ」

「……姉は食べ過ぎなんですよ。放っておくと丸々と太りそうで……」

「それはそれで可愛いだろうね」

「甘やかさないでください。食べ過ぎたら運動をさせてください。散歩でもダンスでもなんでも良いので付き合ってあげてください」

「お安い御用だよ」

「ってなんの話よ! リューったら恥ずかしいからやめてよ。ジルベルト様に迷惑でしょう」

「ちゃんと言っておかないと、太るよ?」


 ……恥ずかしいったらない! でもリューがこんなに話すのも珍しい。


「姉思いの優しい弟君だね。オフィーリアがのんびりしているのは家族仲が良いからなんだね」

「ロワール伯爵子息の領地を姉さまは気に入っているもんね。こういうところに住みたいと言っていたよね?」


 ちょっと! リューってばどうしてこうも口が軽いのよ。


「! そうか。そこまで気に入ってくれたんだね。歓迎するよ」


 ん?


「ロワール子息、それは……その、アレかな?」

「伯爵。近いうちにお話を聞いてくださいますか」

「本人同士が良いのなら良い……よ」


 アレって何! お父様!


「へぇ」

「え、リュー分かったの?」

「姉さま以外はみんな分かったと思う。でも僕からは言わない」

「ケチ!」

「オフィーリア、明後日出掛けないか?」


 明後日は学園が休校になっている。


「うん、いいけど」

「迎えに来るよ! じゃあまた。皆さんそれでは失礼します」


 ジルベルト様が颯爽と帰っていった。


 ******


「オフィーリア抜きの家族会議を始めます」


 父上が議長のようだ。


「ロワール伯爵子息との件について反対のものはいるか?」


 ふるふると頭を振った。母上も同様。


「オフィーリアさえ良ければ、婚約まで持っていきたいと思う。家柄問題なし。王太子殿下や公爵子息と知り合いだからハイエナではない。条件が揃い過ぎている。こんな子息はいない。そしてオフィーリアを見ていて確信したぞ! 悪く思ってないよな」


 うん、うん。と頭を上下に振った。母上も同様。


「よし、見守ろう!」


 会議は満場一致で閉幕となった。なんだよこの会議!


 

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