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お父様が疲れています

「王宮って疲れるよな……なんで皆こぞって行きたがるんだろうか」


 私はやっぱりお父様の血を引くんだわ。同じこと思ったもの。楽な格好になりたいとふらふらしながら着替えて来る。と言った。お母様と私とリューはサロンで待つことにした。


「サツマイモのレシピについて感謝の言葉があった。王妃様がとても気に入ったらしくサツマイモはもはや最先端だぞ」

「「「へぇー」」」


 お茶を飲みながらお父様の話に相槌を打つ。


「うちの家族はどうしてこんなにのんびりしているんだ? 普通は光栄だ! とかなんとか言うものだろ?」


 お父様は執事に肩を揉んでもらっている。すごく疲れたらしい。


「だってサツマイモはうちが普及したんじゃないもの。国としても考えていたんでしょう?」


 聞いた話によると備蓄の為にサツマイモの話はあったそう。少し早まった程度でしょう? たまたま時期が良かっただけ。


「案はあったが、踏み出せなかったんだよ。家畜の餌を貴族は口にはしない。プライドがあるからね。美味しいと噂はあったが見た目がな……それにイメージは土臭いだろう?」


 見た目は悪いけれど美味しいものってまだまだたくさんあるんじゃ?! 


「そんなこんなで、サツマイモは人気になる。うちの領地でも本格的に栽培をする。ロワール伯爵に苗を分けてもらえる事になった」


「わぁい! 私もレシピ考えてみよっと!」

「いいぞ。採用したら金一封を出そう」


 採用とは? 王家にレシピを渡すんですって。サツマイモビジネスね!


「あとな、オフィーリアに縁談の話も出てきているんだよな……。社交界デビューしたらもっと増えると思うから今のうちに色々と調べておかないと……。ちなみにアンドリューの縁談話も出ている」


「え! 僕まで? それこそ早いよね!」

「ちなみにアンドリューはどんなタイプがいい? いつかは誰かに嫁に来てもらわなきゃいけないから聞いておこう」


 ……興味がある。リューはどんなタイプが好きなんだろう!


「……そうだね。家族と仲良くしてくれる令嬢がいい。体が弱かった時に笑わなかった子とか……もし姉様が結婚できなくて家にいても文句を言わない子とか」


 あの時リューは傷ついていたのね。それを聞いてリューを抱きしめた。


「リュー!」

「またかっ! バカ! 離れろ。苦しい」

「あらぁ、本当に仲良しよねぇ、うちの子達」

「リューは本当にフィーが好きだよなぁ。わかったよ。フィーと仲良くなれそうな令嬢が良いんだね」

「そんなんじゃ、」

「私もリューが好き。私の相手もリュート仲良くしてくれる優しい人がいいな」


 そして頭をペシっと叩かれた。


「息苦しいだろうが! 窒息させる気か! 胸を押し付けて来るな!」


 この邪魔な胸がリューを押し付けたのね。


「そんなつもりはないのだけど、気をつけるね」


 家にいる時は楽な服で胸を抑えつけてないから……。制服を着る時はギュッと締め付けられて食べる量が減った。そしたらルシアン様に体調でも悪いのか? なんて聞かれるありさま。苦しいのですよ! なんて言えないから控えてます。って嘘をついた。


「フィー、来週のドレスは大丈夫なの? 着られないって事ないわよね?」


 お母様まで!


「そこまで太っていませんよ!」


 ダンスの練習で汗をかいているから太ってはない! 練習相手はリューと先生。タイプの違う相手との練習も大事だものね! そういえば先生は近々領地に行って土づくりをするんですって。私の勉強どうするのよ……


「ロワール伯爵子息がパートナーなんだって?」

「うん。学園のパーティーとはいえ、パートナーいた方が良いんだよね?」


「そりゃそうだ! 知らない子息について行かないこと! ロワール子息にくれぐれも頼む。と伝えてもらおう」

「ジルベルト様がパートナーで良かった。いなかったらフローリア様のお兄様に頼まれるところだったもん。それは困るよねぇ」


 公爵子息とダンスパーティだなんて息が詰まるし何を着ていけば良いのか分からないし、居心地が悪いわ。

 

「……………………」

「のんびりさせすぎたわ」

「はぁっ」


 またいつもの?!


 ******


 ~オフィーリア両親~


「縁談の話はどうなりましたの?」

「まだ未成年だからと断っている」

「お茶会に行ったら会うだけでも。って子息の釣書を渡されるのよね……面倒なのはうちより上の家の方」

「私も会うだけでもと言われた」

「実はソレイユ侯爵夫人とお会いしてお話をさせてもらったの」

「フィーが親しくさせてもらっているからかい?」

「縁談の話を断りたかったら力になってくれるそうなの。子息の婚約者はフェロウズ公爵のフローリア嬢ですから。こうなった原因はフローリア嬢のお兄様にあると言って、責任を取るみたいなことを言っているらしくて……そういう事なのかしら。怖くて聞けなくて……」

「うちの子。気になる子息とかいないのか? 公爵家なんてうちとは釣り合わないよ。苦労するだけだ」


 二人で首を傾げ、考えた結果ため息を吐いた。


「「はぁっー」」


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