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終わり

(30)


ーー「Art」


 それはサピエンスが、「ホモ・サピエンス」という種である為に、西洋で生まれた。生まれたというよりも後年、現在に至って地球を支配した為に、そうなったと言うべきである。


 「小さなヨーロッパ」という文明社会といってもいい、謂わば水槽の中で培養された「Art」は、やがて多くの要素を糸にして、ボビンという西洋の軸に巻き付けいく。


 最初は小さな断片的思想だったかもしれないが、やがて「ホモ・サピエンス」とは何かという問いかけとともに「こうであるべきだ」という、ある意味、「進歩する文明的人間という証明」として形取られ、「Art」は人類の歴史のそれぞれにおいて役割を果たしてきた。


 先史時代には「Art」は壁画であったかもしれない。その後、古代ギリシアローマ、メソポタミア、エジプトにおいては神との交信や、彫刻、絵画、学問等の中に、その「根っこ」を張ってゆき「Art」はその有り様を可視的に変容させてゆく。


 中世近代においては神や人間そのもの存在の探索として「科学」「哲学」として、そして近現代には残念ながら「政治と戦争」に中にも入り込んで、ホモ・サピエンスの認識確立をしてゆく。


 然し現代において人類は、グローバルという環和サークルに取り込まれている。その取り込まれるか、取り込まれないかは「Art」の存在を、否定できない。


 くどいかもしれないが、それはボビンが「Art(アート)」そして「外輪郭世界(アウトサイダー)」がボビンに絡みつく糸、その二つで形成されているのが「ホモ・サピエンスとしての個体認識する意識」という図式であって、此処において「Art」を理解するか、しないかが、そうした意味を持ってくる。


 サピエンス科学(Sapiens Science)は、歴史学ではない。また未来を予測するものでもない。

 あくまでサピエンスを「ホモ・サピエンスたるもの」として、過去現代未来に影響を与えた、または与えるかもしれぬ「Art(作用)」を、探り、研究する…、非常におちゃらけて、またユーモアを含んだ科学サイエンスである。


 故に、サピエンスサイエンスの裾野は広く、また「あなた」もしくは「君」自身が自由に探し出せる学問と、随筆家は最後に当たり、言いたい。


 さて…長く続けてきた筆を、置く時が来ている。

 エッセイと言うのは改めて、心地良く、それはなんとも言えない香気を嗅いで、愉悦に浸る麻薬的だ。


 随筆家は、そんな麻薬の中で、やがて筆を置く。

 本エッセイは、まだ、サピエンス・サイエンスという卵の形をなぞっただけに過ぎない。

 

 なので、置いた筆を再び、誰かが拾い上げ、この学問の学びを続けてくれる事を願いながら「私」は、自分の場所へ戻りたい。


 それは、ーーまだ誰も知らない未知の領域である何処かである。




(終わり)

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