夏の作業
三題噺もどき―はちじゅうなな。
お題:夏・ホッチキス・マッサージ
「あっづぃ……」
夏の日差しが地面を焼き、鉄板の上に放り出されたような暑さが続く。
鉄板焼きってこんな気持ちなんだろうな…だからと言って食べるのはやめられないのだが。
あれは、なかなかにおいしい。
「……」
しかし、今は室内にいる。
室内にいるにも関わらず、この暑さだ。
体の穴という穴から、体内にある全ての水分が吹き出し、畳に染みを作っていく。
「……はぁ」
中学校の教師をしている私は、家に持ち帰ったプリントをホッチキスで止めていく、という単純な作業をしていた。
パチン、パチン、
淡々とした音が部屋の中に静かに響く。
こういう単純作業は割かし好きで、得意分野なのだが、いかんせん。
(肩こってきた……)
この作業をする前に、パソコンでのデータ整理などをしていたため、疲れが出てくる。
パソコン作業は苦手なのだ。
教師になろうと、何であろうと、あれは光が目に刺さる。
(ちょっと休憩……)
バタン、と、後ろに倒れ込み、仰向けになる。
汗をかいて背中がべたべたしている気がするが、もうそれをどうこうする気も起きない。
正直風呂にでも入りたいところではあったりするが。
「はあ゛あ゛あ゛〜」
無意識に、大き目の溜息がもれた。
ぐっと、大きく伸びをして、少しでも疲れをとろうとする。
しかし、夏の暑さもあるせいで、体の怠さはなかなか抜けない。
「……」
これ終わったら、マッサージでもしてもらいに行こうかな…。
よし、もう少し。
頑張ろう。