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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

サンスクリオ修道院

修道女と女神の愛し子たち~山の中の小さな修道院~

作者: 晶良 香奈

『サンスクリオ修道院』の作品第2弾です。

今回は後半部分で少々残酷描写となってしまいました。

それでも構わない、と思われましたらご一読くださいませ。

合わない方はブラウザバックをお願いします。

 雲がかかるほどの山とそこに連なる鬱蒼とした森のなか、人跡も途絶えた静かな空き地にひっそりと建つ修道院がある。周りに柵などなく、その代わりのように背の高い樹々が、この場所を隔離するように空き地を囲んで目隠しの役割を果たしている。


 背の低い草が風に揺れて靡き、登ってきた太陽の陽射しが修道院の屋根に届く。建物の横には畑が作られていて、ここの生活が自給自足で賄われているのがうかがわれた。


 その修道院の奥、院長室から続く『祈りの場』には、今、ひとりの女性が居た。

 簡素な黒い修道服に身を包み、何の化粧も装飾品も帯びてはいないが、その姿から滲み出る品位は疑いようもなく高位の貴族そのものだった。


 正面にあるのは白い立ち姿の女性像、だが、その顔は無く、つるりとした卵のような面を見せている。

 女性像の前には白い聖水盤。常に下からポコポコと沸き上がり、器のふちから側面を伝って下に掘られた溝へと流れていく。決して溢れることはなく、枯れることもないその水はきれいに澄んでいる。


 女性像と聖水盤、そのふたつを前にして、女性は祈りを捧げている。

 静かな祈りの中、女性までもが彫像のように固まったのかと思われるほどの時間が流れた、が。


   コンコン


 ノックする音が響き、次いで扉が開かれた。うつむいた女性の背中に、穏やかな声がかけられる。

「院長先生、そろそろ朝の食事にしましょうか」


 その声にピクリと肩が動き、ゆっくりと顔が上を向く。

「もう、そんな時間になりましたか……分かりました」

 そろそろと立ち上がりかけ……上半身がぐらりと前に倒れる。そのまま崩れ落ちるかと思われた時。


「それほどに根を詰められてはお身体に障ります」

 声をかけてきた女性がしっかりと腕に抱きとめていた。


「ありがとう。確かに長かったわね。でもこれしかわたくしにはできないのだから」

「その物言いはおやめください。あなた様が居て、この修道院は成り立っているのですよ? そのことをお忘れにならないでください」


 柔らかな口調のうちにも、込められた感情は子を叱る母に近いものがある。


 何度も言われているのだろう、女性の顔には苦笑が刻まれた。

「ええ、分かっているわ。つい、度が過ぎてしまうの」

「それをおやめくださいとたびたび申しておりますのに。本当にあなた様は……」


 大きくため息をついて首を振るのは、年配の修道女。灰色の髪をゆるく編み上げ、同じくグレイの瞳を細めて女性を見やる。


「なんにしてもお部屋で一息入れてからお食事にしましょう。わたしにおつかまり下さいませ」

「世話をかけるわね、マイヤ。大丈夫よ、食堂に行きましょう」


「……はい、そうですね」

 言い出したら聞かない、そんな幼児をあやすようなため息を漏らしつつ、マイヤと呼ばれた修道女は女性を支えて歩き出しかける。


「……また、神託が下りたわ」


 吐息のようなささやきに、修道女の足が止まる。


「どのくらいの猶予がございますか?」

「……今日明日、ではないわね。ここ3~4日にはわかるはず。嵐の予感がするの。恥知らずの男たちが押し掛けてくるのでしょうね」


「そう、ですか。では、皆にも伝えませんと」

「お願いね。食事がすんだら少し休みたいわ」

「そうしてくださいな。さあ、まずはしっかり栄養を摂りませんと」


 女性を支える腕に力を込め、今度こそ歩き出していた。





 それから3日後の午後遅く。

 深い森の中を、二人の少女が動いていた。いや、もがきつつ前に進んでいる、と言った方が正しいか。年齢は10歳前後、着ているものも粗末な布切れに近い。


「ミィナ、もう少し右だよ。逸れかけてる!」

「ん! でもここ、藪があるんだ、大回りしないと通れないよ」

「そっか、あ、こっちに通れそうな場所がある! 先に行って引っ張るね!」


 二人はよく似ていた。と言うより、双子なのか。

 それにしても、身長や体格に少し差があるような……


「気を付けてレィナ!」

「だいじょぶだよ!……あいたたっ!」

「レィナ!」

「さっ、ミィナ手を出して! ここに足場があるから……」


 髪は肩までの栗色だ。けれどくしゃくしゃに縺れ、汚れている。


「あ、ありがと。レィナ、どこを怪我したの? 治すから見せて!」

「かすり傷だよ、時間が惜しいから先に行こう」

「駄目だよ! 小さな傷でもきちんとしておかないと母さまみたいになっちゃうんだから! だから!」

「ああ、泣かないでミィナ。わかった、分かったから! ほら、ここだよ」


 差し出した掌に割と深い傷がある。ミィナと呼ばれた少女がその部分を自分の手で覆うと、重なった手と手の間から淡い光が漏れ、消えると同時に傷も癒えていた。その時、若草色の眼が右側だけ、紅く変わって光った。


「うん、痛くなくなったよ。ありがとねミィナ!」

「リィナこそよく我慢できたね。結構ひどい怪我だったのに」

「あたししょっちゅう打たれてたからね。これくらいなんでもないよ。さ、追いつかれないうちに急ごう!」


「うん! あ、どっちに行けばいいの?」

「えーと……あ、こっちだよ! ずうっと続いてる!」


 振り返って森の樹々の間を見つめたリィナも、若草色の左目だけが赤く光った。


 

 二人はまた走り出す。背の高い草をかき分け、木の根っこにつかまって段差を乗り越え、時には蔓をよじ登って上に上がり。

 そうして森を抜けてあの空き地に着いた時、太陽はすでに沈みかけていた。辺りに残る陽射しの欠片が、修道院の屋根についている飾りにきらりと反射する。


「あ、在ったよミィナ! あそこに光の道が繋がってる!」

「ホントだ、ホントにあったんだね!」


 手を取り合って喜んだ二人。だが、その後ろから何やら騒々しい物音が近づいてくるのに気が付いて顔色を変える。

「来たよ奴らが! 急ごう!」

「うん!」


 もう体力も尽きているだろうに、二人はお互いを支え抱き寄せながら駆け寄ると、小さな手で扉を叩く。


「誰か、誰かいませんか! お願いです、助けてください!」

「あたしたち、ここまで逃げてきたんです! お願い、開けてください!」


 必死に呼ばわる声に、ろうそくの明かりが扉に近付き、内側へ開いた。中に居たのは年配の修道女と他に3人。


「あ、あのっ、あたしたち!」

「助けてくださいっ!」

 息せききって話しかけた少女たちを、修道女はそっと抱え込む。


「「えっ……」」


「大丈夫、中にお入りなさい。さあ」


 言葉を途切れさせた二人を導き、扉を閉めると、

「シスタールミナ、シスターベル。この子たちを小部屋に連れて行って手当てしてあげなさい」

「「はい、副院長様」」


「それとシスターポーラ。院長先生にお伝えして。『時が満ちました』と」

「はい、副院長様」


 少女達は二人のシスターに肩を抱かれ、奥の扉から中に入る。そこの椅子に座らされてあたたかな布で顔と手足を拭かれ、白湯の入ったコップを手渡される。


「咽喉が渇いていない? 熱くはないから飲んでごらんなさい」

「ここまで来るのは大変だったでしょう。ゆっくりでいいからどうぞ」


 勧められ、恐る恐る口をつける二人。口中に広がる温かい白湯と、僅かに溶け込んだ甘味が味覚を刺激する。のどを滑り降りていく白湯がお腹に収まるにつれて、じんわりと身体の芯が温まってきた。


「「美味しい……」」


 期せずしてそろった声に、シスターたちが微笑む。

「良かったわ。食べられるかどうかわからなかったから白湯にしたけれど、スープもいけるかしら」

「お肉はまだ無理そうだけれど、野菜を煮込んだものなら大丈夫ね」

 そう言って二人に湯気の立った深皿を出してくる。中にはくたくたに煮込んだ野菜が金色のスープと共にあった。


 スプーンを差し入れてスープをすくい、口に運ぶ。優しい味が野菜のうまみと共に口一杯に広がった。

「美味しいね…」

「うん…」

 ふたりで頷き、あとは夢中でスープを口にする。


 ほとんど食べ終わったころ、野太い怒鳴り声が遠く響いてきた。その聞き覚えのある声に、二人の身体がこわばる。


 そんな二人を、それぞれのシスターが優しく抱きしめる。

「大丈夫、心配はいらないわ」

「ここは女性にとって絶対の聖地。必ず護ってくださるから」


 声もなく震える少女たちの不安を少しでも鎮めようと、シスターたちは優しく語り続けるのだった。




 その頃。


 修道院の扉を殴りつける男たちの一団があった。


 外はもう薄闇を通り越した夜に突入しているため、男たちの半数が松明を持っている。その揺らめく炎に照らされた顔は醜く歪み、疲れとこれから引き起こす暴力沙汰に酔っているかのようだ。


 先頭の男が扉を殴りつけて叫ぶ。

「おい、ここをあけろ! 開けないと蹴破るぞ!」


 更に複数で扉へ蹴りを入れる。だが、思ったより丈夫な扉は歪むことなくそこにあった。

 焦れた男たちがまた喚き散らし始めた時、扉の上部の小さな覗き穴が開かれて修道女の顔が見えた。


「このような時間に何事です」


 男たちは知らなかったが、その声音は先ほど少女たちを受け入れた時とは違い、冷たくそっけないものだった。


「用事があるからこんなとこまで来てるんだ。さっさと中に入れろ!」

「何をおっしゃっているのかわかりません。ここは修道院、男性は出入りが許されない場所です」

「おい! こんな山の中でどうしろってんだ! 俺たちに外に居ろってか!」

「ここまでおいでになったのはあなた方の都合です。私どもに関係はございません。お引き取りを」


 そう言って覗き穴を閉ざした。


「何を言ってるんだ、この冷血女……っ!?」

 思わず口をついた罵倒にかぶせるように、闇の中から遠吠えが響いた。夜行性の肉食獣が動き出す時間に片足を踏み込んでいる、そのことに男たちは遅まきながらも気づかざるを得なかった。


 蒼くなった顔を見合わせ、今度は自己の安全確保を目指して扉を殴る。

「お、おい! ここを開けろ! 狼が来てるんだ、俺たちを殺す気か!」

「俺たちを入れるんだ! 開けろ!」

「はやくしろ! 見殺しにするつもりか、この人でなしがっ!」

 屈強な男たちが口々にわめきたて、交互に扉を殴る、蹴る。


 再び覗き穴が開き、先ほどの修道女が顔を見せた。

「仕方がありません。ですが、入れるのはここ、礼拝所だけです。よろしいですね? それと、松明をお持ちのようですが、それは消したうえで外に置いてきてください。でなければ開けられません」


「消せ、だとっ! どうやって帰るんだっ!」

「ならばお引き取りください」

「くそっ!」


 その時、前よりも近くで遠吠えが響く。心なしか、獣の息遣いまで聞こえてくるようだ。途端にひとりが震えあがり、即座に松明を消しにかかった。


「おいっ、なに怯えてるんだよ!」

「お前ら馬鹿かっ。松明なんてものは火打石さえありゃまた使えるってのに、ここで意地張ってどうするんだ! 中に入れてもらえなきゃ襲われるんだぞ、分かってるのか!」

 語気荒くののしられ、渋々松明を消す。それとみて修道女が声をかけた。


「では今から開けます。ですが再度ご注意を。ここは修道院です。男性の入場は許されないところ、特例で礼拝所までは許可しますが、それ以上はなりません」


 覗き穴が閉ざされ、扉の閂が引き抜かれる間に男たちは目顔で頷きあう。どうあがいても相手は女、入ってしまえばこちらのもの、人数に任せて奥へ押し込もう、と。



 やがて細く引き開けられた扉を肩で押し開け、男たちはなだれ込んだ。そして閂をかけ終わると、誰もがほっと安堵のため息をつく。ひとまず獣の脅威は逃れた。後は朝までここの捜索をするだけだ。そう心に思い浮かべ、正面へ向き直る。


 修道女は礼拝所の中央に、ひとり佇んでいた。その表情には何の感情も浮かべていない。


「このような形で押し掛けてきたあなた方に、今更礼儀を説いても無駄でしょう。ですが一応お尋ねします。なんの用でここまでいらしたのでしょうか」


 男たちの一団から一人の男が進み出る。

「俺たちは村から脱走した奴隷を探しに来たんだ。そんなに裕福じゃない村の貴重な食い物を分けてやって養ってきたってのに、その恩を忘れて逃げ出しやがった。あいつらにはまだ返してもらってない借金がある。それを取り戻しに来たんだよ。小汚い薄汚れたガキ二人だ。さっさと出せ!」


「そのようなものはここに居りません。他を当たられるがよろしいでしょう」

「はっ、馬鹿言うな。あいつらがここ以外に逃げ込めたはずがないんだ。おらっ、痛い目に遭わねぇうちに出せよ! どうせこの奥に居るんだろ、家探しさせてもらうぜ」


「最初に言ったはずです。これより奥には通すことなりません。ご無体をおっしゃるなら即刻外へ出て行ってもらいます」


 修道女の言葉に男たちは笑う。下卑た感情がその笑いを歪めていた。

「ハハッ、女の細腕で何を言ってやがる! おいっ、構うことはねぇ、行くぞ!」


「「「「「おおっ!!!」」」」」


「おやめください!」

 制止した修道女の胸ぐらをつかんで引きずり倒そうとした、が。

  


  「それ以上の狼藉は、許しません」



 凛、とした声に、押し寄せた男たちの誰もが凍り付いた。


 決して大きくもない、むしろ静かな響きを持っていたが、逆らい難いナニカを持っていた。

 顔をあげてみれば、いつの間にか祭壇中央にひとりの女が、居た。


 

   女?  女なのか、あれは?



 男たちの心に同じ問いが浮かんだ。それほどに、そのナニカは人間とかけ離れた雰囲気を放っていた。


「院長先生」

「あなたはもうお下がりなさい。後はわたくしで対応します」

「お心のままに」


 自らに振るわれそうになった暴力など感じさせることなく、修道女は軽く一礼すると、その場から立ち去った。


「お、おい……」


「そこのあなた。ブロス村の村長代理、ティグノスですね。まずはあなたの言い分を聞きましょう」


 そう言われ、内心ギクリ、とするティグノス。名乗った事のない相手に、自分の名前、身分を言い当てられたのだ。

(何処かで会ったか? いや、覚えがない。そもそも修道女なんて知らないし)


 ではなぜ、と考える時間はなかった。女、いや、女の形をしたナニカが自分をじっと見ているからだ。


「い、言われる通り、俺はニールセン王国所属のブロス村村長、代理じゃない村長のティグノスだ」


 声が少し震えたが、負けるものかと自分を鼓舞し、胸を張る。


「オレの村で飼っている奴隷女二匹を探しに来た。そいつらは昔母親と来て村に住み着いたんだが、あいにく母親の調子が悪くなって死んだ後、オレの村で面倒を見てやっていたんだ。


 まだ小さくてごく潰しでしかないのに、村の食べ物を分け与えて養っていたんだぜ? そんな奴らが恩も返さずに逃げ出した。あいつらが動ける距離なんてたかが知れている。だからここへ来たのさ。さあ、さっさとそいつらを出してもらおう」


 ティグノスが話している間、男たちは自分を取り戻していた。頻りに頷く者、にやにや笑いを張り付けた者、辺りを見回して物色する者など、傍若無人な態度を示している。


 ティグノスが話し終えた後、ナニカは答える。

「あなた方の求めるような者はおりません。お眼鏡違いでしたね」


 その言葉を聞き、ティグノスの頭に血がのぼる。

「何言ってるんだ! 今の聞いていたのか、借金奴隷なんだぞ! そいつを庇うとは国に訴えてやる! いや、今すぐ引きずり出して連れて帰るからな!」


「ここは修道院、奥へは通せません」

「うっせぇ、退きやがれ!」


 怒りのままに突き出した拳を片手で受け止めるナニカ。


「なっ! どういうことだよっ!」


 ティグノスは村でも大柄で力もある。村長の地位も父親から力ずくで奪ったものだ。そのティグノスのパンチをこの女は受け止めて、1ミリも動かすことができない、とは?


 女の底知れなさを感じ、初めて怖れを覚えるティグノス。

 当の女、いやナニカはそのままの姿勢で、ティグノスの顔をまじまじと見つめる。


「な、何だよ、その目は……?」

「その傷、どこで付けましたか?」

 ナニカはもう片方の手をあげて指をさす。それはティグノスの左のほほにつけられた白い線を示していた。


「っ! ど、どこでもいいだろう、そんなの!」


 それはミィナにつけられた傷だった。何日か前、欲情のままに押し倒したもののリィナに邪魔をされて逃げられた。その際、抵抗してきたミィナに引っ掛かれたのだ。


「あなたの話は最初から最後まで嘘ばかりです。借金奴隷? 訴えたかったらどうぞ。却ってあなたが不利になりますよ」


 ナニカの眼がティグノスの後ろに控えている男たちに注がれる。


「あなたたちも同罪です。今まで行ってきた行為の代償を支払う時が来ました。受け止めるための覚悟をお決めなさい」


 ナニカは、つ、と、ティグノスの拳を放して押しやった。本当に、何気なく放しただけなのに、ティグノスは足をもつれさせ、男たちの真ん中でしりもちをついていた。


 その前で姿勢を正し、ナニカはひとつ手を打つ。



   パァン!



 その音は礼拝所に響き、男たちの五感を震わせた。


 何の根拠もなく、心が慄く。


 言葉を失い、固まった男たちの前で、ナニカが口を開く。


「ここはサンスクリオ修道院。世の女神すべてを奉じる場所。女性の最後の砦。そこで嘘偽りを述べて己を恥じることなく、さらに女性を貶める行為に走ろうとは、なんと愚かな。


 女神ノルニルさま方から神託が下りました。

 『過去を踏み躙り、現在を歪め、未来を奪おうとした奴輩(やつばら)に制裁を』」


 瞳を揺らすことなく、ただ口を開くだけ。その声は大きくもないのに、男たちの耳に届き、その意味を叩きこむ。暗闇が自分たちを吞み込んでいく、そんな避けがたい予感を乗せて。


「母子が村に流れ着いたは事実でしょう。ですが、その母は優れた占い師。天候の吉凶を占い、あなた方に豊作をもたらしたはずです。その子たちにも力は受け継がれ、母亡き後、いろいろと助けになったというのに、あなた方は親のない幼子であることを盾に奴隷扱い。食べ物すら満足に与えることなく今日まで虐げてきて、更に男子禁制の修道院までを家探しすると放言する始末。


 女神さま方の裁定は下されました。わたくしはそれを執行するのみです。お覚悟を」



 ナニカはしなやかな手を振り上げて大きく薙ぎ払う。閂を掛けた扉が自然に開かれ、すさまじい風が礼拝所に吹き込んで男たちを巻き上げる。


「うわあぁぁっ~~!」

「た、た、助けて……っ!」

「いやだいやだっ! 死ぬのはいやだあぁっ!!」

「死にたくないっ、しにたくないっ!」

「やめろやめろやめろおぉぉっ!」


 罵声、悲鳴、懇願、すべてを諸共(もろとも)に吞み込んだ風と共に男たちが外へと吸い出され、空高く引きずり込まれていく。その有様を呆然と見ていたティグノスだが。


「あなたには村人の代表として女神エイルさま、女神ノルニルさま方のひと柱スクルドさまからいただいた言葉を伝えます」


 後ろからかけられた言葉に、背筋が引きつった。


 見上げたその先には無表情の女の顔がある。さっきの修道女も表情がなかったが、この女は仮面のような顔をしている。

 そう言えばここの修道女は最初から無表情だったな、そんな場違いな思いが心の片隅をよぎった。


「女神エイルさまからの神託です。

 『我が愛し子を虐げし者どもにその咎を与えよ』


 いまひとつ、女神スクルドさまからは。

 『我が力を受け継ぐ愛し子へ与えた苦痛を存分に受け取れ』」


「め、女神が俺たちに、何を与える、と……?」


 かすれた声でティグノスが問いかける。


「ひとりは癒しの才を持つ者。本来なら周りに祝福をもたらすはずの癒しを強引にもぎ取り、挙句に死した家畜までも回復させようとするは、この世の理を乱す重き罪。女神さまはお怒りです。


 そしてもう一人は因果の先を見る稀な才持つ者。それ故にかかる負荷は人一倍重いのです。なのにたびたび強要し、時には暴力を振るって憂さを晴らすなど、もってのほか。女神さまはこれにもお怒りです。

 

 これはあなたの村の者たちすべてに当てはまります。他の者たちにも同様な罰が下る事でしょう。あなたの口から確実にお伝えなさい。では」


 もう一度振られた手から紫電を纏った風が生まれ、ティグノスに絡みつく。激しい電撃に全身がのけぞった。


「うわわわああぁぁっ~~っ!!」


 苦痛の中、ナニカの声だけが耳に届く。


「戻りなさい、あなたの罪を償う場所へ」


 そしてティグノスもまた、紫電に絡まれたまま空へと引きずられていった。





 愚か者たちが居なくなり、礼拝所に静けさが戻る。

 祭壇に立ったまま外を見つめていたナニカ、いや、院長はゆっくりと息を吐きだし、その場で手を組んで祈る。

「女神さま方、下された神託を執行いたしました。お力をお貸しいただき深く感謝いたします」


 ややあって祈りの形を解いた院長にマイヤ副院長が近付く。

「お疲れ様でございました。お部屋へ戻られますか?」


「そうね……いえ、その前に。あなたたち、おいでなさい」

 そう、声をかける。


 しばしの後、扉の陰からおずおずと少女たちが出てきた。

 ふたりとも、酷く痩せて暗い顔をしている。理不尽に叩かれ突かれて、周りの様子を窺う小動物の表情だ。今も足がすくんで動けなくなっている。


 それに対し、その場で膝をついて目の高さを合わせる院長。戸惑う二人に手を伸ばす。

 目を見かわし、二人はそっとその手を取る。引き寄せる力に従い、二人は院長の両腕に収まった。

人の腕に抱きしめられ、緊張してこわばった二人をゆすり、耳元でそっと囁く。


「よく頑張ったわね、二人とも。もう大丈夫よ。あの人たちとは縁が切れたのだから」

「縁が……きれた、って?」


 やや大柄な、リィナと名乗る子が聞き返す。


「あの人たちと会うことはない。そういう意味よ」

「じゃあ、もう叩かれなくてもいいの?」


 小柄な、ミィナという名の子がこわごわと聞く。


「そうね。叩かれることも蹴飛ばされることもなくなるわ。あなたたちにやってほしいことは3つ。たくさん食べて、たくさん寝て、たくさん遊ぶこと。出来るかしら?」


「え、そんなことしていいの?」

 リィナが目を丸くする。

「お仕事は?」

 ミィナが不思議そうに聞く。


「言ったでしょう。食べて、寝て、遊ぶのがあなたたちのお仕事よ。それがきちんとできたら、次のお仕事へ移ることになるの。結構難しいのよ?」


「え~、そうかな~?」

「遊んでたら怒られたんだよ?」

「今までの所では、でしょう? これからは違うわ。でも」


 二人を抱きしめた腕に力を込める。


「ここまでたどり着いてくれて、ありがとう。

 生きていてくれて、ありがとう。


 これからはここが、あなたたちの家になるの。

 わたくしたちがみんな、あなたたちの家族よ。


 お帰りなさい、可愛いわたくしたちの子供たち」


 呆然とした表情で聞いていた二人の眼から涙がこぼれだした。のどが引きつり、嗚咽が漏れる。

そしてすぐに号泣へと変わっていった。


「あ、あ、あああっっ~~~!!」

「う、うわあああぁ~~んん!!」


 院長に抱かれたまま、二人は服をつかんでしゃくりあげ、泣き続ける。だが、そのまま気絶するように寝入ってしまった。


 それを見て、副院長が他の修道女に二人を連れていくよう指示する。そっと抱かれた二人は目を覚ますこともなく、奥へと運ばれる。

 跪いたままの院長へ手を差し出す副院長。

「それ以上動けませんでしょう? お部屋までお送りいたします」

「マイヤには隠せないわね。もう意識が飛びそうよ……後は、いつものように、お願いね……」

 言葉半ばで身体が揺らぐ。両手を広げたマイヤの腕の中へ崩れ落ちた院長の顔からは血の気が引いていた。

「この方はまた無理をしなさる……もう少し気を楽に持っていただきたいのだけれど、それは望めないのでしょうね」


 愚痴ともつかぬ独り言を漏らし、マイヤは院長を抱き上げて奥へと消える。他の修道女たちは手分けして明かりを消し、やがて修道院は静かな眠りに入った。



 


「うわわああぁぁっ~~……! ……えっ? ど、どこだここは」


 ハッと意識を取り戻したティグノス。身動きするたびに身体の節々が軋みをあげて抗議するが、強引に無視して起き上がると。


「ここは、村のすぐそばじゃねぇか。どうなっている?」


 村を見下ろす小高い丘の上に、自分だけでなく他の男たちと転がっていたのだ。

「おい、おい! 起きろよお前たち!」

 乱暴に揺すり、時には蹴飛ばしてみんなを起こす。

「え、あっ、村長!」

「うわわわっ!!……え?」

「やめてくれやめてくれやめてくれやめてくれ……」

「もう嫌だっ! 助けてくれえぇっ!」

「うううぅぅっ~~! こ、ここは?」


 反応はそれぞれ、だが二人は完全に錯乱状態のままだ。他の者が揺すったりほほを叩いたりしても戻らない。話を聞いてみれば、あの風に巻き上げられて上空へ飛ばされ、散々もみくちゃにされたのだと言う。

 それどころか、中には腕やら脚やらを押さえている。


「おい、どうしたんだ、その傷は?」

「そ、村長、おかしいんだ。こ、この傷、前にあのガキに治させたはずなんだが……い、今、また痛みだしてきたんだ」

「俺もだ……ボアに突っかけられて痛めた足が、あの時みたいに疼いてきやがるんだよ!」

「なんだとぉ!」


 そういうティグノスもまた、ほほにジクジクとした痛みが走っているのに気づいていた。

 思わず手をやると血の跡が細くついている。


「いったい、どういうことなんだ……?」


 とにかく帰ろうとそれぞれ肩を貸しあってやっとの思いで来てみれば、村の中でも惨状が広がっていた。

 身体の痛みを訴えてうずくまる者、細かい傷から血を噴き出させて血塗れになっている者、果ては手足がちぎれて悶絶している者など、枚挙にいとまがない。よく見ると、ミィナの癒しで治った者たちばかりだ。


 また、リィナに暴力を振るい、憂さを晴らしていた者たちもまた、身体中に打ち身や痣を出現させて転げまわっている。二人に食事を与えずに飢えさせていた女たちは何を食べても味が無くなり、それでいて胃が捩れるような飢餓を常に覚えて、食べ物だけでなくそこらの草までも手当たり次第に口へ運んでいた。


 無事なのはほんの一握り、元の村長と長老を含む数人だけだった。


「ティグノス、この有様の原因に心当たりがあるな?」

 父である元村長が厳しい表情で問い詰める。

「今までお前のやってきたことが自分の身に返ってきたように見える。どこに行っていたか、何があったか、正直に言ってみろ」


 しばらく沈黙していたが、自身の身のうちからも痛みが沸き上がり、それにせかされるままにティグノスは修道院であったことを途切れ途切れに白状した。


 深いため息をついた元村長。

「なんとまあ……この村は女神さまの怒りに触れてしまったのか。何ということを仕出かしてくれたのだ」

「つうっ! い、痛いんだ! 身体が、身体が痛い! 助けてくれ、親父!」


「何とかならないんですの、あなたっ!」


 痛みに震えるティグノスをおろおろと介抱していた元村長の妻が金切り声で叫ぶ。


「お前が、お前たちが今まであの双子にしたことの結果だよ。時間が巻き戻せないように、結果は覆せない。この村はもう終わりだ」

「そ、そんなっ! ああっっ!!」


 元村長の妻もまた、自分の顔をひっかいていた。双子の母に嫉妬して村の女たちをけしかけ、いじめていたのだ。


「お前には何度も説明した筈だ。あの母子を保護したのは昔の恩を返したかっただけだと。それを嘘だと決めつけ、出て行けよがしにいじめるだけでなく、息子を使って双子を虐げさせたお前を私も許すことはない。女神さまの罰が下ったのだ、自業自得と思うことだな」


「あっ、ああっ、あああぁぁぁ~~~っ!」


 応接間で倒れ伏す二人に背を向け、元村長は書斎の机で何通かの書簡をしたためた。





 村の閉鎖とその理由を列記した書簡がニールセン王国の総務省に届けられ、その内容に首を傾げた担当者が確認のために村を訪れた時、そこはもはや残骸と化していた。


 村の中は荒れ果て、建物はどれも崩れかかっている。それも古いからではなく、強い力で柱が折られていたり、壁をぶち抜かれていたりしているのだ。あちこちに倒れ伏している人は誰もが身をよじり、耐えられない苦痛に絶望した表情を顔に貼り付けて死んでいる。


 女たちに至っては、腹が異様に膨れ上がっていた。その口には石や草が溢れんばかりに詰め込まれているにもかかわらず、伸ばされた手は更に石をつかんで引き寄せようとしている。苦痛に歪み、涙をこぼしたまま息絶えた姿に、都の担当者は顔を背けた。


 村人のほとんどは死に絶え、人影もなくなっていたが、唯一、村長の自宅だけが無事だった。担当者がそこを訪れた時、出迎えたのは元村長と長老だった。


 原因を問いただす担当者に、元村長は事の経緯を説明する。サンスクリオ修道院と女神の神託、下された怒りのすさまじさに、担当者は言葉を失った。


「そ、それは本当、ですか?」

「嘘偽りなく、真実です。村の惨状はご覧になられたでしょう? あれがすべてです」


「で、ですが、何故、埋葬もしないのですか!」

「しないのではなく、出来ないのです。我々では、触れることすら。ただ」


「ただ?」

「ひとりだけ、できる者が居ます。その者が、順番に村の墓地へと運び込んで弔うのですが……」


「……?」

「その者も女神の怒りに触れているため、酷く苦しみます。その苦しみが治まるほんの僅かな時間に、ゆっくりと運んでいるのです」

「そ、その者、とは?」

「…………現村長の、ティグノス、です」


  ウワワワァァッ~~……グギャギャアアォォッッ……!!


 村から響く人とも獣ともつかぬ咆哮に、元村長の顔が歪む。


「あれが……女神の怒りに触れて死ぬことも許されない身となったティグノス……私の息子です…………」



 村の中央でうずくまる人影。ボロボロの服の残骸を身に纏い、手足は汚れて黒ずみ、木の根を思わせる。全身いたるところから血が滲み、固まり、その上からさらに滲むために分厚いかさぶたで覆われているようだ。歩くたびにそのかさぶたがはがれて落ちる。

 

 そして左のほほに刻まれた傷からは、常に血がしたたり落ちている。それが落ちると、土なら灰色に変わり、草なら即座に枯れていく。村の中に災厄をばらまきながら倒れることなく、よろけながら進むその姿はまるで幽鬼のようだ。


 村の中を移動しながら目に付いた村人の死骸を車輪付きの板に乗せ、向きを変えて墓場の方へと歩き出す。その途中でも自分の身体を両腕で抱え込み、咆哮をあげてうずくまること数回、作業は遅々として進まないが、元村長たちは黙って見ているほか何もできずにいると言う。


 その様子を遠目に見た担当者は絶句する。同時に、女神の怒りの深さを痛感する。王都に戻ったらしっかりと伝えよう、そう心に決めた。



 担当者から詳細な報告を受けた上層部は、迷いなく国王まで奏上した。主要大臣の揃った会議でその報告は議題に上げられ、誰もが耳を疑う惨状に言葉を失くした。


「それは真実の報告か? 派遣した担当者が大袈裟に言っている、という事ではないのか?」

 財務大臣が疑いを露わに糺す。


「派遣された者は優秀な職員です。過去、どのような状況でも彼は客観的な視線を揺らすことなく、正確な報告書を作成してきました。その彼がこのような書き方をしていること、それ自体が事実以外のなにものでもないことを証明しています。本人からは『これ以上詳細に記載すると、読んだ相手の精神衛生に良くないから筆をおく』とも」


「それほどなのか……!」

 数々の戦場に立ってニールセン王国を勝利に導いてきた陸軍トップの元帥が驚愕する。


「し、しかし、女神の怒りとは、それほどのものなのでしょうか。呪いとしても、そのような強力な呪術に覚えがないのですが」

魔法省の筆頭魔術師長が悩ましい表情で問う。王国にある魔術書をすべて読み解き、理解していると言われる彼にも分からないらしい。


その時、

「その辺で止めよ」


今まで沈黙していた国王が口を開いた。

「その報告に嘘はない、と判断したのであろう? ならば事実として受け取り、ブロス村は閉鎖せねばならぬ」


「陛下!?」


「生き残った者たちの希望を最優先において尽力せよ。それが国として行いうる最善である。良いな」

「「「「ははっ、陛下の心のままに」」」」

「ではこれで閉会とする。皆の者、励むように」

 そう言いおき、国王は席を外した。





 しばし後。

「父上、何故質疑を止められました?」

「うむ? 止めた、とは?」

 国王の私室で、お茶ををしているときのこと。共にいた王太子が問いかける。


「ブロス村の件です。いつもなら議論が出尽くすまで父上は声をあげられません。なのに、今回は話半ばで打ち切るように結論を出されました。それが不思議でなりません」


 沈黙したまま国王はカップを傾ける。

「父上には何か思うところがおありなのだと思いますが」

「…………ジャン、しばらく二人きりにしてくれ、頼む」

「はっ、承知いたしました」

 常に身近に控える専任執事が護衛や侍女と共に部屋を出る。

 部屋に居るのは国王と王太子二人のみ。


「父上……?」

 いぶかし気に尋ねる王太子に国王は声を潜める。

「実はの、あの件については心当たりがある」

 そう、切り出した。


「つい最近、ヴェルドライン王国で代替わりがあったことは承知しておるな? 国王が退位して王太子も廃嫡、王妃が女王となった」

「はい。先日知らせが届きましたから」

「あの国は代々男王が継いでいた。その慣例までも破る即位をしたとは、何があったのかと思うておったが、それにもサンスクリオ修道院が絡んでいた、らしい」

「今回の、女神の怒りを伝えた修道院が、ですか?」


「うむ。これは余の父親、つまり先代の国王から伝えられた言葉じゃ。『サンスクリオ修道院は女神の修道院。どこにも属さず、なにものにも侵されない。女性の嘆きが女神の神託を呼び寄せる。それ故、決して敵対するでない』……と」


「女神の、神託……」


「どこの王家も、共和国も、いや帝国すら密かに言い伝えておるはずじゃ。お前も心に刻んでおくのじゃな。あそこは決して侵してはならぬ。手を出したなら、それは一国の破滅にまで通じよう」


「……はい、父上」


 二人は静かに茶を口に含み、それぞれの胸に想いを鎮めた。






 ニールセン王国の片隅にあったブロス村がある日突然立ち入り禁止区域となり、柵が設けられたのはそれからほどなくの事だった。中の様子はうかがい知れないが、週に2回立ち寄る行商人たちは、およそ人から出るとは思えない不気味な声を聴くと言う。だが、それは何かと尋ねることはしない。付近の警邏をする兵たちも、顔をしかめて口をつぐむ。そして異口同音に答えるのだ。


 『あれは人の道を踏み外したものの末路だ』と。

 




『女神の怒り』をどう描写しようか、と考えていたらどんどん酷くなっていきました。

描いてるうちに、作者までもダメージを受ける始末です(苦笑)

ここまでする予定ではなかった、んですが……勝手に筆が走りました。

次回はもう少し穏やかにいきたいものです(願望)


今回の女神さまですが。

 女神エイルさまは北欧神話から。治療に精通しており死者復活も可能なお方です。

 女神スクルドさまも北欧神話から。「運命」の三女神の一柱で「未来」を司られています。

 「ノルニル」は複数の言い方で、他にヴェルザンディさまが「現在」、ウルズさまが「死」「宿命」を担うとされています。

すべての生命の運命を織り込む女神さま方から見ると、「人」って小さいですよね。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 罪を犯した者が報いを受けるのは当然だと思うけど、あまり苛烈過ぎるとただの恐怖の対象になってしまうんじゃないかな 触らぬ神に祟り無しとか思われてそうだし
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