表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

しめじ三郎 幻想奇談(あと一歩)(444文字小説)

作者: しめじ三郎

  卓士は僚右の葬儀に出席した。


(あまりにも若過ぎる死だ)


 まだ三十代で亡くなった親友に哀悼の意を捧げた。


「む?」


 その時、背中に視線を感じて振り向くと喪服を着て黒い中折れ帽を目深に被った男がいた。


 見覚えのない男だったので、誰なのか思い出そうとしたが、わからず、声をかけようと再び見ると、すでに姿がなかった。


 


 しばらくして、今度はそれ程仲がよかった訳ではないが、中学三年の時に同じクラスだった園子の葬儀があった。


(またいる。という事は、同級生か?)


 卓士は謎の喪服の男に気づいた。しかし、男はすぐにいなくなってしまった。


 


 また季節が過ぎて冬になり、今度は高校の同級生だった松子の葬儀に出席した。


(何だか、立て続けに同級生が亡くなったな)


 悲しみに浸っている卓士の目の前に喪服の男が不意に現れた。


「よく会いますね。同級生ですか?」


 卓士が尋ねると、男は、


「いくら寂しいからといって、ここまで連れて行こうとするのはいけませんよ、卓士さん。そろそろ逝きましょう」


 卓士は自分がずっと以前に死んでいたのを思い出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 男の正体は、喪黒◯造ですね。 ドーン!!!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ