最終話
「ドライン王国のサバス三世の元に送信。読んだら既読と返信せよ」
へ?
「既読?と返信?」
どうにもこうにも魔法陣っぽくない単語が出てきて思わず目が点になった。
目を点にしている間に、魔法陣の中にあった紙が消え去る。
「うっわぁー!和樹、すごい!どうやったの?」
「どうやったって、手品じゃないんだから。種なんてないよ。魔法、魔法。転送魔法」
目を点にしていたのは、私だけじゃなかった。
白髪と禿頭の二人も目が点になっている。
「す、すごい!さすがは白の大賢者様です」
「こんな短時間で魔法陣をくみ上げ、そして成功させるなど……」
点になった目が、今度はきらっきらと輝いている。
「あ、既読になったな」
「おお、便利ね!」
魔法陣の中央に既読の文字が現れた。魔法陣の文字と違って、しっかり日本語です。
「な、なんと!相手が開封して読むとこのように知らせがくるとは!」
「すばらしい!これならば情報の行き違いが防げるというものです!」
男たち二人の目のきらきらが増していく。
あー、これ、崇拝系の目つきだよね。
うん、いやな予感しかしない。
「白の大賢者様!で、弟子に、弟子にしてください!」
「お願いします!私を弟子に!なんでもしますから!」
……。
「あー、とりあえず、金返して」
和樹が手を出すと、ささっと、11万帰ってきた。
私が渡した1万と、和樹が渡した10万だね。
いや、ちょっと待って!
「和樹、あんた、弟子にするつもり?どうすんの!この家、そんなに広くないし、大体大学に行かなくちゃいけないんだし、そもそも」
と、驚いて和樹に話かけると、白髪と禿頭の足元に魔法陣が浮かんだ。
「さっき送った手紙に、二人を元の世界に召喚するための魔法陣を書いて送った。さっさと二人を引き取らないと国がどうなってもしらないよーって書いたけれど、ずいぶん早かったね。それとも半信半疑で試しに魔法陣起動したら発動しちゃったってことかな?」
和樹の言葉に、またしても二人の目がきらきらになった。
「あの短時間の間に、我ら二人を召喚するための魔法陣を構築したというのですか!」
「お願いです、また我らをこちらに呼んでください!弟子に、弟子にしてください!お願いいたします!お金が必要であれば、いくらでもご用意させていただきますから」
和樹がひらひらと光に包まれて次第に姿が見えなくなっていく二人に手を振った。
「通信教育ならいいよ。代金は魔石ね。手紙送るわ」
へ?
通信教育?
その手があったか。
いや、世界をまたいでの通信教育って!
和樹、あんたの発想力って、本当すごい!
中二病健在だね!って、違う、違う!
「和樹、あんた……本当に、異世界の賢者の記憶があるのね?」
両肩をつかんでがくがくとゆする。
「結梨さ、もしかして、今まで信じてなかったの?じゃぁ、俺の話どう思って聞いてたわけ?」
うっ。
完全に中二病だと思っておりました。
ご、ごめんなさい。
お付き合いいただきありがとうございました。
といいつつ、明日はおまけの更新です。




