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義弟が『俺、異世界賢者の転生者だ』と言い出した  作者: 有


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進路

「どこ見てんの?」

 和樹が、とんとんと紙を指でついた。

 大学名がいくつか並んでいる一番下。

「え?ここって、私の大学……」

「そう。姉ちゃんの大学」

 な、なんで?

「どうして、東大だって合格できるのにっ!」

「医学部ならどこでもいいんだよ。別に大学病院に勤務する気なんてないんだから」

 へ?医学部?

 学部を見れば、確かに医学部になっている。当然A判定。

 えーっと……。

 私と同じ大学でも、医学部は飛びぬけて偏差値高いんだよね。

 はい。十分すごいです。……。

「で、姉ちゃんは就職活動どうするつもり?」

「えーっと、営業職は考えてないんだ。飲食業もパス。事務か総合で探すつもり。銀行はチャレンジしようかと……」

 和樹が軽くふーんと返事をする。

 軽い。他人事っていうか、どうでもいいって感じの返事だ。聞いたのそっちじゃんっ!

「まぁ、就職決まらなくてもバイトかなんかでつなげばいいんじゃない?」

 え?

 いやいや、バイトを進めるとか!っていうか、つなぐってなんだよ、つなぐって!

「俺が大学卒業して、数年働いたら病院開業するからさ」

 へ?

 それって、病院を手伝えってこと?医療事務とか資格取ったほうがいいのかな?

 首をかしげる。

 おっといけない。

「和樹、逃げ道を用意して就職活動したってうまくいかないんだよ。だから、その話は聞かなかったことにするね。むしろ、銀行に就職出来たら、開業の資金繰りのこととかいろいろ勉強して相談に乗れるようになるから!」

 和樹がなんか誤解されたとかつぶやいている。

 誤解?


 そして、運命の日がやってきた。

 和樹は高校を卒業。

 ボタン、またもらいました。いや、だから、同情しないで!

 確かに大学3年までロマンスとかなかったけど!

 っていうか、なんか知らないうちに、武田先輩と私が付き合っているなんてうわさが大学に広まっていて、誰かと仲良くなるチャンスとかなかったんですけど!

 誰がそんな噂流したんだろう!

 そりゃ、確かに武田先輩は時々私の家にも来ていたけど……。

 私とは挨拶交わすくらいで、和樹を車で迎えに来たとかそんなんだったんだからね!

 いっつも、私は置いてきぼりだったんだからね!

 むしろ、イケメン武田先輩と、いい男に成長した(姉の欲目じゃないよ。バレンタインに20個くらいは余裕でチョコもらう男だもん)和樹の二人が車に乗ってるんだよ?

 BLのうわさが立ってもいいと思うの!

 なのに、なんで、私と武田先輩が付き合ってるなんてうわさになるのよぉ!

 っと、そんなこんなで、高校を卒業した和樹は、無事に私の大学の医学部に合格した。

「おめでとう!和樹!4月から一緒に通えるね!」

「まぁ、校舎違うけどな」

 はい。医学部は別棟です。

 それに、よく考えたら、私は週に2回くらいしか通わないんだよね。

 もう卒業に必要な単位は取得済で、研究室といくつかの授業を残すのみで……。後は就職活動でいろいろ回らないといけないから。

 4月になった。

 明日は和樹の入学式。

 ついに、和樹も大学生かぁ……。感慨深いなぁなんて思いながら布団に潜り込む。

 大学生になるのに、私の背丈もとうに超えたのに、それでもかわいいって思う私っておかしいだろうか。

 いつしか、カフェオレのようだったコーヒーも、コーヒーと呼べるものを飲むようになった和樹。

 私ではさっぱりわからないむつかしい本を読むようになった和樹。

 それでも、そのすべてがかわいくて愛しい。

 うん。姉バカです。

 はい。

 ゆきちゃんには相変わらずのブラコン言われてます。

 そうそう、ゆきちゃんには2年生の時に彼氏ができました。蛇のバジ君の飼い主の人です。二人で蛇をめでる日々はとても幸せだそうで……。

 私がブラコンなら、ゆきちゃんは爬コン。……。

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