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スゴ腕魔術師の超絶複写術  作者: 風見 シン
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第一話「異世界召喚」

目が覚めるとそこは… 馬小屋だった。

横を見ると立派な筋肉を身にまとった馬がいた。

「…え、なにこれ。」

実は唯人は光に飲み込まれる際に、異世界に召喚されているのではないかと思っていた。

日頃からラノベを読んでいたし、魔法陣で異世界召喚などラノベではよくあることだ。

読んでいたシチュエーションのそのままだったため、自分がそうなっているのではないかと半分疑っていた。

だが、目を覚ませばそこは馬小屋。そして目の前には小学生くらいの子供が立っていた。

今まで見てきたのは神殿や宮廷などに、どこかの王族や高貴な魔術師が召喚するものであった。

しかし自分の場合はどうだろう?

場所は馬小屋だし、おそらく自分を召還したであろう主は目の前の子供だというのか。

おかしい、これはあまりにも扱いが酷すぎる。

そんなことを思いながらきょとんとしていると、目の前から声がした。

「…っ!?こいつは、人族…なのか???」

そんな声をきょとんとしながら聞いていると、八ッとしたようにこちらに向き直り

「お、おい!!使い魔!!! 俺の名前はノルディだ!よ、よろしくな!!」

(待て、こいつは何を言っている?使い魔だと??俺はこんなガキの使い魔だというのか…???)

「おい、ノルディとか言ったな、どうゆうことか説明しろ」

「こ、こいつしゃべっ…!」

「あぁ?なんだ俺はしゃべっちゃわりぃのか??いいからさっさと説明しろ」

「あーもう!!!お前は成人の儀でもらった召喚魔法陣で召喚した使い魔…のはず…!そしてここは…」

このガキの話はどうやらこういうことらしい

ここはシンガリッド帝国という国で、人口は10億人を超える大国なのだという。ここでは魔術が生活の中に組み込んであり、深く魔術が関わっているらしい。そしてこの国では成人が12歳となっており、成人の儀式のときに召喚魔法陣というものが書いてある書物を貰う。召喚魔法陣は成人したときにのみ帝国から授けられるもので、それを使うことで自分の使い魔が召喚され、魔術師として世間から認められるようになる。

主に魔術を使う際には魔力を消費し、魔法陣を起動させるときもこれは変わらない。魔力は生まれた時からすべての人が持っているが、個人が持つ魔力の量や質などは人によって様々で、召喚する人の魔力に応じた使い魔が召喚されるという。

使い魔にはランクがあり、アリやチョウなどの昆虫類はDランク、ネズミやリスなどの小動物はCランク、犬や猫などの中型動物はBランク、獅子や虎などといった大型動物はAランクとされている。この他に、どのランクにも属さない使い魔を”はぐれ魔”という。一般的には使い魔の強さはランクの高さに応じて強くなっていくが、はぐれ魔はこの限りではない。Dランクより弱い者もいればAランクを上回る戦闘力を持つ者もいる。しかしこのはぐれ魔は滅多に召喚されるものではなく数百万人に一人という確率でしか起こらない。そしてこの少年が何より驚いたのは召喚されたのが”人族”であるということ。

このシンガリッド帝国は数千万年もの長い歴史を持つが、その中でも人族が召喚された試しはない。それは人族が保有する魔力によって召喚が防がれているからだと考えられてきた。だがしかし、今目の前にいる使い魔は明らかに人族に見える。何より言葉をしゃべったことが何よりもの証明になる。今まであり得ないとされていたことが目の前で起こり、今までの常識は間違っていたのかと動揺を隠せないでいる。


話を聞き終えた唯人は異世界召喚されたのではないかという疑問を確信に変えた。

「なるほどな、そんでこれから俺はなにをすりゃいいんだ??」

「まずは魔術師ギルドに行って、使い魔登録をする。そこで初めて使い魔としての能力やステータスがわかり、能力を使えるようになる。」

「めんどくせぇが仕方ねぇ、さっさと行くぞボウズ」

「ボウズじゃないって言ってるだろ!俺はもう成人したんだ!!」

そんな言い合いをしながら外に出るとそこはヨーロッパの街並みを思わせるような美しい街だった。

そんな建物に見とれながらしばらく歩くと杖のようなものを交差させた紋章が掲げてあるひときわ大きな建物にたどり着いた。

「…いかにもって感じだな。」

「綺麗でしょ、ついてきて!」

中に入るとそこには筋骨隆々の男たちが…なんてことはなく、老若男女問わず様々な人で溢れかえっていた。一階部分は酒場やカフェのようなものがメインとなっており、ギルドは二階にあった。

受付の若いお姉さんにノルディがあいさつをして話をすると、

「あのね、冗談ならもっと笑える冗談で楽しませてくださいな??」

と、馬鹿にするようにノルディに言った。

「ほんとなんですって!あ、そうだ、使い魔登録させてください!そしたら証明できます!!」

「まぁ、いいけど、登録料はもらうわよ?使い魔じゃなくても返金はできないからね」

「はい、大丈夫です!」

「じゃあ、銀貨一枚ね」

ノルディはカバンから銀貨であろうものを取り出し受付のお姉さんに渡した。

後で聞いたことなのだが、この国の貨幣は6種類あり、下から順に、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、聖金貨となる。およそ日本での価値としては、百円、千円、一万円、十万円、百万円、一千万円の順となっていると思う。ちなみに聖金貨の上に白金貨というのもあるらしいが国同士の取引や大手商人の一部でしか使われないため、普通に生活していればまずお目にかかることはないらしい。

そして銀貨を一枚支払ったノルディは、お姉さんから薄い青の光をまとった長方形の金属板を受け取った。するとそれと針をこちらに寄越し、「自分の血を一滴でいいからその金属板の真ん中に垂らしてくれ。」と言ってきた。

言われたようにしてみると、青い光が一層強くなり、何やら魔法陣のようなものが浮かび上がり、続けていくつかの文字が浮かび上がった。

そこに書かれたものを見てみると


<種族>

人族

<能力>

複写 Lv1/10、自動翻訳

<ステータス>

Lv1/10

耐久:15000

魔力量:6000

魔力純度:72%


その決して多くはない文字を眺めたノルディは絶句した。

「おい、ウソだろ…」

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