転校生
夜は明け新しい朝が訪れた、昨日は沢山の出来事がありすぎて今日はいつもより1段と体が重く感じた。もちろん当の本人達は....?居なかった。
時計を確認する。
7:16
無機質なデジタル時計がそう告げる。
遅刻する!?
俺は毎日6:00には起きて6:30分には家を出る、そうしなければ学校に間に合わないからだ。取り敢えず服を着替え家を出た...?
普通なら春の心地よい風が俺を迎えてくれるはずだが、目の前に広がる風景はいつもの俺の教室だった
龍「よう、悠今日は早く来てくれたんだな。なら昨日の話の続きしようぜ?」
悠「ちょっと待ってくれ、今頭の整理が全く出来てないから」
龍は俺の言ってる事の意味が分からずただ頷く事しかしなかった。
一応、教室から同じドアで出てみた。
案の定俺の部屋と繋がっていた、もう1度教室に戻り、龍に試してもらうことにした。
悠「龍、あのさ前のドアから外に出てくれね?」
龍「なんかあるんだろ?ドッキリとかだと許さないからな?まぁびっくりしないけどな」
悠「いいから!」
龍はドアの向こうに出ると1分くらいして戻ってきた。
龍「お前遂に魔法覚えたのか?めちゃくちゃビビったぞ?確認として本棚とかも全部見たけど前にお前の家に行った時となんにも変わってなかったからお前の家なんだろ?」
悠「お前、俺の部屋に前来たのは去年だろ?よく本棚の位置とか覚えてるな」
やっぱ龍は天才だなと再確認した。
龍「それより俺が聞きたいのは昨日の美少女2人のことについてだ。お前前に三次元には興味無いって言ってたよな?それがどうしてあんな二次元から出てきたかのような美少女連れてファミレスなんか居たんだよ!!羨ま...けしからんぞ!」
悠「あってみれば分かるさ彼女らのヤバさがな。色々と常識とは桁が違うんだよ。」
龍「おい、悠、俺と変われ」
キーンコーンカーンコーン
ナイスタイミングで学校のチャイムが鳴ってくれた。
龍「まぁいい、話はHR終わってから再開な?」
先生がいつもより上機嫌で鼻歌交じりにドアから入ってきた。
先生「今日は転校生が来てくれた、いい人だからみんな仲良くするように!」
ドアが開き転校生が入ってくる。
徐ろに黒板に向かい自分の名前を恰もパソコンが書いたような字でスラスラと綺麗に書いていく。
名前は工藤 茜と書いていた
茜「.....工藤 茜です、佐藤君の従姉妹です。
.....趣味は世界中を周り自由に過ごすことです。
.....宜しくお願いします」
あいつ本当に佐藤の従姉妹か?どう考えても釣り合わねぇだろなどの言葉や殆どの男子生徒全員からの熱い視線(殺意)を浴びて俺はどうすることも出来なかった。
先生「茜さんはあそこの空いてる席に座ってくださいね」
先生はそんな事は気にせずに楽しそうにHRを進める。
HRは無事に?終わったが龍は何も話しかけてこなかった。変わりに他の男子からの質問攻めが待っていた。
何であんな可愛い従姉妹紹介してくれなかったのかとか嫁にくださいだとか好きなものとか知ってるとか色々とめんどくさい事ばかり聞かれあたふたしていると元凶の茜がやってきて男子に言った。
茜「.....お兄ちゃんを虐めるなら私許さないから」
その場で俺に質問していた男子の全員が黙り一目散に退散していった。
悠「ありがとう、カr--じゃない、茜お陰で助かったよ」
茜「.....お兄ちゃんの為なら何でもするから」
悠「そのお兄ちゃんって言い方やめてくれないか?俺の精神が削られるから」
茜「.....ごめんねお兄ちゃん、葵お姉ちゃんにそう呼んだ方がいいって言われたから、ダメだった?」
上目遣いで懇願され思わず赤面して倒れそうになったがなんとか持ちこたえて俺は言った
悠「お兄ちゃんってのは認めるが学校では俺にあまり関わるな(俺の身の為にも)」
茜はションボリしながらも渋々頷いてくれた。
少しの間休筆させていただきます。