一瞬の出来事
あれから何時間経っただろうか、ずいぶん長く眠った感覚があり、体全体が心地よく痺れている。
しかし状況は変わっていなかった。
カファ「目が覚めましたか?居候させていただく身としての最低限の家事はしましたが迷惑でしたか?」
部屋を見回すとあったはずのゴミや空き缶は無くなっており、乱雑に置いていたはずの雑誌なども全て本棚にまとめられていた。それどころか家には塵一つ無くいる物だけがまとめられて要らない物が全て捨てられていた。
悠「なんでカファさんは俺みたいな奴の面倒とか掃除とか何から何までしてくれるんですか?と言うかどうやって物音一つ立てずに掃除出来たんですか?」
カファ「悠さんって弱い人ですが何も知らない私たちに良くしてくれる優しい人だと思うのでなんと言うか守ってあげたいなって思いまして。あと、掃除は悠さんの思考回路覗いてからいる物はあるべき場所に戻して要らないものは消しました」
悠「俺の思考回路見たってどうやってるかは知らないけど一応プライバシーの侵害だから気をつけた方がいいよ?」
おかしい、何かが物凄くおかしい、心に引っかかるんだけど、喉まで出てきてるんだけど全然思い浮かばないと言うか思い浮かぶ事が出来ない。
カファ「あ、ごめんなさい能力の解除忘れてました。すぐ解除しますね」
悠「へ?」
これまでの出来事が突風のように頭の中に吹き荒れる、どう考えてもおかしかったのだ自分の家に帰るとそこには美女が2人、言葉は通じるが来た場所などは全くわからない。その上全く常識を知らず常識に囚われていない行動そこから導き出される答え.....
「この世界の住人じゃないよね?」
カファ「ごめんなさい、話やすいように思考回路いじってあまり考えられないようにしてたのをすっかり忘れてました」
悠「俺ってもしかして選ばれた人間的な何かかっ!」
そうと決まれば話は早い。早速この異世界人たちにはこの世界の事を教えなければならないっ!
と、思った瞬間今まで一言も喋ってなかったもう1人の女の子が口を開いた
カリル「.....腹減った」
カファ「それじゃご飯食べに行きましょう!何かいい場所とかないですか?」
悠「うーん、ご飯なら近くにファミレスあるけどこの世界ではお金無いと物も食べられないよ?」
カリル「.....場所は?」
俺の家はマンションの11階に住んでいたため街のほぼ全てが見えていた、俺は窓から身を乗り出しカリルにファミレスのある方を指さししてみせた。
カリル「.....捕まれ、早く行くぞ?」
指示通り俺はカリルの肩を掴んだカファの方は反対の方の肩を掴んでいた。
瞬間、強烈な圧力が掛かり意識が朦朧とした。
再び目を開けるとファミレスの近くの路地裏にいるのがわかった。
悠「どうして路地裏なんだ?行くなら正面の方が近いだろうに」
カリル「.....この世界で人間は瞬間移動出来ないらしいな、だから人気の無い路地裏に瞬間移動したんだ少しは私の思考回路でも読んでみたらどうだ?お前は少し鈍感すぎる」
サラリと無茶苦茶を言うカリルに少々ビビったがカリルはどうやらこういう状況にとても冷静に対処出来るみたいだ初めて見た時は小さくて頼り無さそうだったのに。
そう考えた瞬間だった一瞬ラグが起きたのかと思うくらい体が固まって動かなかった俺はカリルに銃口を向けられていたからだった。