表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜と少女の物語  作者: 西
第一章
7/7

第六話

「俺があいつらを引き付ける。その間に村へ<防御空間バリアー>を張れ!」

「わかったわ!」


 黄の竜に村を任せ、赤い竜は魔力を込めた咆哮を上げました。

 明らかに異質な魔力に驚いた魔人たちが、いっせいに彼へと視線を向けます。そんな魔人たちの集団に、赤い竜は躯の内にある魔力を解き放ち、勢いよく飛び込んでいきます。


「なんだお前は!」

「見ての通り、竜だ!」


 赤い竜の姿に、魔人たちは震え上がりました。

 他の竜とは比べものにならないほどの強大な魔力が、彼を包み込むように光っていたのですから。

 魔人たちが竦んだその一瞬を、赤い竜は見逃しません。


「<魔光矢レイ・アロー>!」


 手加減のない一撃を、敵へと叩き込みます。

 魔人たちは反撃する暇もなく、繰り出された無数の光の矢の前に次々と倒れていきます。


「村を襲ったこと、後悔するがいい!」

「くそっ……!」


 力の差は明らかで、たった一頭で戦う赤い竜が、魔人たちには恐ろしくてたまりません。


「退け! 退くんだ!」


 どう足掻いても勝てないと判った魔人たちは、急いで退散していきます。


「二度と村へ近づくな!」


 赤い竜が再び咆哮を上げました。

 それが恐怖をさらに煽ったのでしょう。魔人たちは全力で逃げていきます。

 ですが、散っていく彼らを眼下に捉えながらも、赤い竜の顔は険しいままです。


「魔人は群れることを嫌うはずだ。集団で行動するなんて聞いたことがない……」


 何かが起こっているーー。

 赤い竜は世界の異変を感じつつ、魔人たちの気配が完全に消えるまで村の上空を飛び回りました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ