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竜と少女の物語  作者: 西
第一章
3/7

第二話

 ある日。

 赤い竜は大長老だいちょうろうと呼ばれる偉い竜から呼び出されました。


「お使いを頼まれてくれんかの。ちょうど薬として使っていた野草が少なくなってしまったのだ。早めに足ておきたい。明日にでも採ってきてくれると助かるのだが」 

「わかった。どこで採ってくればいい?」


 お世話になっている大長老のためと、赤い竜は快く引き受けました。


「ここより離れたところにある森の中だ。黄の竜に道案内をしてもらうといい」

「彼女に?」

「めっきり話さなくなったと寂しそうにしておったぞ」


 黄の竜とは昔のように顔を合わせることが減っていました。

 懐かしさを覚えた赤い竜は、久しぶりに会う口実として、黄の竜を誘ってみることにしたのでした。

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