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第二話
ある日。
赤い竜は大長老と呼ばれる偉い竜から呼び出されました。
「お使いを頼まれてくれんかの。ちょうど薬として使っていた野草が少なくなってしまったのだ。早めに足ておきたい。明日にでも採ってきてくれると助かるのだが」
「わかった。どこで採ってくればいい?」
お世話になっている大長老のためと、赤い竜は快く引き受けました。
「ここより離れたところにある森の中だ。黄の竜に道案内をしてもらうといい」
「彼女に?」
「めっきり話さなくなったと寂しそうにしておったぞ」
黄の竜とは昔のように顔を合わせることが減っていました。
懐かしさを覚えた赤い竜は、久しぶりに会う口実として、黄の竜を誘ってみることにしたのでした。