カーナビさん
車内にて
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「ねえ、らしょうもん」
「なにかな、ルーリィ」
「この中に、だれがいるの?」
運転席の脇の画面を指さすエルフ幼女、かわいい。
「これは、カーナビって言ってな。ルーリィが行きたいところまで、道案内してくれるんだよ?」
「ほんとーっ?」
ゆっくり畑のあぜ道を走る俺の、エルフ幼女をだめにする座席で、ルーリィはぴょこぴょこ。
「ルーリィは、どこに行きたい?」
「えーっとぉ、あのねーっ」
大きな瞳をいっぱいきらきらさせて、ルーリィは、
「じゃあ、うさぎさん!」
「う、うさぎさん……?」
「うさぎさんが、たくさんいるくに!」
かわいいっ!
「でもね……」
なんだろう、ナイショ話?
ルーリィは急にシャイな感じで、エルフ幼女をだめにする座席にがばーっと
身を伏せて、
「らしょうもんとなら、どこでもいいよ?」
あれ、これ、どこまでも走れそう。
「よし、カーナビ、オォォおおンッ!」
『うさぎのくにを検索しています 検索しました』
「れっつごー!」
「ごー!」
お゛お゛お゛お゛おんっ! お゛んっ! お゛お゛お゛おおおおん!
ね゛ぇ゛ね゛ぇ゛、お゛ね゛ー゛さ゛ぁ゛ぁ゛ん゛!!
も゛っ゛と゛、も゛っ゛と゛奥゛ま゛で゛深゛く゛お゛ね゛が゛い゛し゛た゛い゛ん゛だ゛に゛ゃ゛あ゛!
「ふー、すっかり夜になっちゃったぞ?」
『目的地付近に、到着しました。 案内を、終了します」
けれど、なんでこんなうらびれた町外れなんかに、うさぎの国?
「あー! みてみてらしょうもんっ! 本当にうさぎさんだーっ」
到着した店には、巨大なバニーガールのネオンが。
「待つんだルーリィ」
次回、ルーリィの好きなスキル!