恩を感じていた 刺客らしくない?
「……白夜といた時だけ俺は刺客の任を果たす気のない一高校生でいられた」
そうだったのかと俺が何か聞く前に再度語ってくる。
「だがな、結果を出さなきゃ学校に通えなくなるんだ。数名くらい他人を陥れても報酬にならない。だから決めたのさ、白夜おまえのために一騒動起こしてやろう……って」
「!? な、何でその話に俺が!?」
「だってお前は好き放題悪口を言われても言い返さねえじゃん。そのせいでこっちがどんだけ鬱憤うっぷんを溜め込んでいるかわかるか」
思い当たる事のある俺は彼にどんな言葉をかけたら良いかわからない。という事は何も言えずに黙るしかなく。滝川は俺のそんな様子を見てニヤッとした微笑を浮かべた。
それから自分がいなくなる前に言っておきたいと言葉を発する。
「……それに約束したろ。恩は絶対返すって」
その時、俺は目撃した。道具で固定したフェンスがきしんで壊れていく様を。
「あ……」
「!? フェンスが老化しすぎていた……」
尾崎理事長も危険な状況に。俺はこんな時でも動くのをためらう自分の体を動かすためにフェンスの金具で自傷する。
(……俺はバカだった)
「!!??」
尾崎と滝川が俺の行った行為の意味不明さにうろたえる。特に滝川はツッコミで精一杯だった。
「えっ……、ま……タンマ! どうした白夜!? 血!! 流したまま近づいてくるとか!?」
俺は滝川に決意と謝罪を口にする。
「滝川。今まで俺、不幸な自分が一番苦労しているって表情しててゴメンな」
もっと知らなければならないと思う。
「自分と他人のために可能な事はしっかり考えるから」
動かなきゃいけないんだ。
「だからお前も辛い時は俺を頼るって約束しろよっ」
「……びっ……白夜————————————————————————————」
白夜の手をつかんだと思ったが落下していた滝川。体に衝撃を感じた(彼の落下から数秒遅れて白夜と理事長代理も落下したと思われる)
「……? !? ……ベランダ?」
少し呆けていた滝川だが大木の葉っぱ部分から大きな音が聞こえたので下をのぞきこむ。
「おいっ、白夜!? 尾崎ぃっ!!」
その声で尾崎理事長代理が反応。彼女は息も出来ない位の衝撃で一瞬で意識を失う事をどこか期待していた。だけど何やらかたいものがクッションになってくれたのを気づいてそれを見る。まさかの少年だったので名前を叫んだ。
「な……成沢君っ!!??」




