生徒が校長代理!?
「去年より、突然学年問わず発生する様になったノイローゼによる暴走。なった者は全員、校内で時間問わず強烈な不安を覚え、常軌を逸した狂気を起こす問題……」
改めて聞いても信じ難い状況なんだとため息混じりの先生《伊佐原》
「先週そうなった生徒の検証結果『報告』も来たよ。やはり前例通り「成績の伸び悩み」「親から無言の圧力」………………………………進学校特有の悩みを持っていたと」
「……みたいですね。しかし、部活や委員会・生活動作・交友関係の有無・家族構成など彼ら全員に共通する事柄は何一つありませんでした。なのに症状は全員同じ。これは故意としか思えず、しかも『刺客』は日常対話の中でそういう暗示をかけられる、そんな存在がこの学校に潜んでいます」
外まで聞こえてくる刺客? 暗示? などといった単語。俺は何の話をしているのか訳がわからないという立ち往生。
(首謀者探し? ……いや、そんな事よりあの天才娘が先生と対等に話している?さっきの校長代理ってのと……)
俺はいつまでもここにいても……と出て行こうとした所、テニスラケット入れに手がぶつかり、いい加減な入れ方をしていたラケットが地面に落ちて派手な音を立てた。
「!?」
(!!気づかれ……)
「その焦りっぷりから察するに、全てを聞いていたと思われるな。間違いないね?」
天才少女がいつの間にやらそばに現れ、俺は腕をつかまれた。驚きの声をもらさずにいられない。
「……ん?」
「どうした?」
同じ建物内の別な場所にいた男子生徒2人が物音を気にしたが、結局は空耳だろうと決めつけ、去っていった。
「今、叫び声みたい逃した聞こえた気が?」
「いや、気のせいじゃねえかな。聞こえなかったし」
先生と天才少女がいる指導室に強引に入れられた俺。そこで矢継ぎ早な説明をされる。
「えーーーー、そんなワケで。彼女が今のこの学校の理事長、前任の庄司ムロ校長の特命を受けて学園全体運営任命された尾崎現校長代行です!!」
指導室に引っ張り込まれた上に俺は手錠の様なものまではめられて訳わかんねえ状態だ。
(どういう訳だよおおっ!?)
「といっても運営自体は伊佐原先生の様に事情を知っている先生にお任せさ。ワタシの専門は治安に関する事だけでね」
更に天才少女が勝手に話してくる始末。
(は? 聞いてねえけど)
これがメインの話とばかりに言葉にトゲがある様な言い方をしてくる少女。俺はこいつ、一気に声音が変わったなと思っただけだったが。
「それで? キミはどこかの学校のスパイ?」
「ス……スパイって?」
「とぼけるのが上手いね。ボクがそうだと知って探っていたんだろ。?」




