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悪運 対価 犠牲

 俺は眼鏡くんと学校に登校すると、保健とカウンセラーの先生を兼任している人がいる<保健室>へ。普通ならありえ得ない事を聞かされた保健教師はとがめ口調ながらも呆れ声が強い。

「教科書の再発注10回目とかどれだけなの‼︎! 気をつける様に言っても言っても。ご両親の迷惑を考えなさい」

「起きたモンはどうしようもねえよ津軽先生。怒んな怒んな」

いつも無傷とはいえ、通学だけでこれだ。そんな訳でサボりの口実に使おうとする。

「荷物がまた全滅しちゃったんで今日は一日休ませて下さい」

保健教師が許可するはずなし。

「保健室なめてんの? 絶対不許可」


教室に帰れと言う前に保健教師が俺の悪運について整理するというので受け答えをする。

「成沢君、もう一回教えて。あなたのその『悪運』には対価を払う事によって働く『先払い』と」


「……はい」

「危機が迫った時、無意識に強運が働く。後で相応の対価が奪われる『後払い』がある……で間違ってない?」

保健教師が対価について謎な部分を質問した。

「それじゃ奪われる対価を選んだりは?」

「出来ないですね」

そう答えた上でこんな感じだと話す。


『後払い』は大抵手近な所有物が犠牲になる。例えば今回も含めてカバン、スマホ、(動物にかじられたりするという怪我という犠牲もある)

楽しみにしていた飲食物、好きな漫画やゲームを川に落としたり。とにかく不幸な対価でチャラに


何も持っていなかったとしたら?

服や髪などが犠牲になる。夏でも薄着だときつい


「でもある意味わかりやすいですよね、してもらった事にお礼を渡すのは当たり前とも取れます。俺自身はこんな力……使いたいと思わないのに絶対」

「まっ、過ぎた事だ。気にすんな気にすんな」

「滝川……」

眼鏡君こと滝川君というやつに俺は慰めの言葉をかけられた。

「!」

こいつは他の奴らと違うと感じる。

「みんながお前を理解するなんてあり得そうにない。でも事情を知っている俺や津軽ちゃんはお前が辛さを吐き出したい時の聞き役になる事が可能だ。だから頼ってくれりゃ手を差し伸べられると覚えておけよ」


俺は思う。あまりやさぐれた事はないが、身に染みると。数少ない理解者、彼らの〝邪魔〟にならない事が生きる上での俺の仕事。でも時々虚しくなるが。

「二時限目、体育だったか。だるいから休む」

「何で?ジャージ持ってきてんじゃん」

俺と滝川2人してバレる可能性の低い空き教室へ向かっていた。

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