半鬼が最強? それとも特殊な半鬼なのか(不明)
我 器を求めし剣なり
器を鍵に変化
我が血を持って導く其は‘刃’
呪文の様な言葉を発した茨木の姿がなくなっていく。彼のいなくなった場所辺りから剣が出現した。
「……ほほう。ここで覚醒……だからといってお前を亡き者にするのは変わりない! おとなしく逃亡していれば良かったものの!!」
ノーツが力を発揮する前にと叔父が異形の鬼をけしかけて来た。しかし、今のノーツは息をするのと同じ位、自然に異形の鬼と叔父を切り刻む。
「どいつもこいつも。俺は逃げたりしねえって言ってんだろ」
しばらくして
「……うっ」
剣の姿に戻った茨木に声をかける。
「お。起きた?」
「若!!」
異形の鬼が若の命を狙っている状況で気を失っていたとは不覚と茨木は慌てた声を出したが――
「あいつらなら倒した」
彼はマジ!? と絶句した。
「そういや」
ノーツは彼が起きたら聞こうと思っていた話を振る。
「プレートが反応したのか?」
「それですか。総領が若の力封印、解放の道具にと特殊効果をつけたものらしいんです。特別な剣で力放出に半鬼の体と血が必要だとか」
だからあんな力が出せたのかと納得する。
「ふーん……」
「それが出来たという事は俺と若の主従関係成立の証になりまして。若、俺を従者にしてくれるんですね!」
さっきの鬼や叔父との一戦は成り行きで戦うしかなかった。だからこそさっきまでの出来事はなかったものにしたい的言い方で否定した。
「は? 主?? 誰に対して言ってんだか。『若』も同様だぞ」
「えっ!?」
「もう、あんな剣も使う気ねえが」
従者にしてもらえない、まだまだノーツには危険が降りかかる可能性もある。更には自分の頑張りが無駄だったと言われている様なので文句の一つも言わずにいられない。
「まっ……待って下さい! 俺は命がけで……、血を流す恐怖も乗り越えて持てる力を出し切ったんですよ? 若のため。なのにこんな仕打―」
ノーツは茨木がすべてを言い切る前に蹴りを入れて止める。
「うるさいっ!」
続いて痛い所をついた。
「力を出してって……寝てただけだよな」
言葉につまった茨木は剣に化けた時の記憶はあいまいなので否定しきれない。バイオレンスな事をされてもうずくまる事しか出来なかった。
「もう倒したんだどうでもいいよな? それより腹減ったからピザまん食べに行こうか」
ノーツは思いつきでおごりを賭けて勝負と提案した。
「そうだな、競争して負けた方がおごりってのはどうだ?」
ボロボロの体の茨木はそんな勝負をふっかけられるなんてと動揺。そんな彼の様子なんてどうでも良いノーツが自分の提案は素晴らしいし断られないだろうと面白そうにしている。勝負が楽しみ、先行くぞーと商店街に。
「わ……っ」
悪魔の所業というか鬼の所業かとあきらめて立ち上がろうとする茨木にノーツは「バーカ」と言いたげな表情を見せた。
(本当に命がけ……)
今はあまり食欲なくてというと、だったら僕が満足する位、ピザまんを食べさせろと命令されたので許可。するとお前の現所持金すべてで買えるだけなと言われて今月のお金がピンチになったのだった。
今回の作品は終了です。読者様方に感謝申し上げますね。
次回も1年先とかになりそうかな(しばらくは別作品をお楽しみ下さい)




