こいつ、話しかけてきた訳は何だ!?
「はい、入っておいで」
50代の担任に呼ばれて転校生が教室内に入ってくる。
(男か女かもわからないだろうにそんな期待していたらあるでしょ落差が――)
「キャーーーーーーーー!!」
女生徒の嬉しそうな悲鳴でわかっただろうけど転校生は男だった。系統で考えるならキザ系かな。
「はじめまして、茨木角若です。よろしく頼みます」
特に女生徒の騒ぎが止まらないのでベテラン担任の怒りの導火線に火をつけてしまったらしい。一喝されてクラスのざわめきがおさまった。
「おとっこ……」
僕の友達2人も期待を裏切られたという表情をしていた。僕は(やっぱな)と思ったりして。
転校生をなんとなく見つめてそいつを評価。美少女じゃなくモデル的外見の男か。無駄に装飾品をつけたりしてチャラそうに見えるな。目を合わせたら微笑みかけてきたので僕は驚く。
(こっち見たか……?)
転校生が来たその日も授業で知識を得ていく内に終了。もう放課後だ。
「一緒に帰りません?」「ううん私とも!」「抜けがけ禁止にすればいいんじゃ?」「えー! あたしが最初に誘ったのにな」
転校生の茨木が女生徒数人に囲まれている。ルックスが良いやつってそうなりがちだよな。ノーツの友達である2人共が嫉妬していた。
「茨木……ちょっと顔が良いからって」
そんな2人の様子を見ていた僕は(気にしても仕方ないだろうに)と呆れていた。そんなやっかんでいても時間の無駄だろうと帰宅提案。
「おい……いつまでそうしてんだ。そろそろ帰らねーか」
しかし、2人がまだ自分達も女生徒にちやほやされたいのにとぶつくさ言っているので――
「帰ろうって聞こえなかったか!!」
友達2人の首根っこをつかんで無理矢理連れて行こうとする。
「待ってくんね?」
女生徒に囲まれていたはずの転校生(茨木)が声をかけて来た。
「火鳥ノーツくん……で合ってるよね?」
友達2人をつかんでいる力は弱まっているものの、首根っこをつかんだままなので苦しそうだ。鬼ノーツ~~などとも言っている。転校生が話しかけてきた理由は帰宅の誘いだった。
女生徒達に誘われてんだからそうすればいいだろうにという僕の言葉は、男と帰る方が気楽だからと茨木に遮られる。
「お前、あの子達に誘われてんだからさ」
「関係ないから! 男同士の方が妙な視線も感じないし」
こいつ(茨木)と帰るとなると女生徒の顰蹙を買うんだよかなりの確率で。でもそんなのお構いなしという感じに耳打ちして来た、うっとうしい。




