町中に来てしまった怖い生物
「あー、食べた。ほんとだすごいねー。ありがとうおにいちゃん、アメどうぞ」
女の子の感謝の気持ちなんだろう、僕は自然に手を差し出していた。
「……あっ」
役に立てなかったかるなーも「私にもないのかな?」と口に出していた。僕はアメをもらった、つまりは動物との念話が人の役に立つコトもあると嬉しい気持ちになる。
「? 翔くん、うれしそうだね」
「あはは。かるなーもアメをもらえたんだ、良かったね」
もう少しだけ町のパトロールをしてから帰ろうと僕とかるなーで決めた後で町内放送が聞こえてきた。
『……警報発令警報発令。住民の皆さん、今すぐに自宅及びビルや商業施設などに避難して下さい。ただいまこの町に大富豪の家から脱走した猛獣がいるという報告有り。町中で目撃情報もあり危険です』
パトカーも似たような放送を流しながら現場に向かっているっぽい。
「ライオォン!?」
僕とかるなーで予想外の事態に驚愕する。かるなーが猛獣を捕まえる警察を口にしていたが警察とか猟友会に任せる方が良いと助言した。
「町のみんなの安全のために、かるなーがライオン捕まえるよ~」
「いやいや、専門家に任せるべきでしょ」
ここで僕に乗ってしばらく離れなかった子猫が話しかけて来た。僕だけ念話で通じ合える。
<ャアアオオ>
「え??」
「翔くん《キミ》に乗っているのはライオンなのかも?」
「だね。こいつ、大富豪の家を抜け出して彷徨っていたら僕に会えて助かった、だってさ。人騒がせな子ライオンだよ」
「なーんだ、それなら動物園に保護って言っている警官さんにこの子を保護してもらおう」
僕は曲がり角から出てきた親ライオンと目が合って閉口し、一時的に体が硬直した。
「出たーーーー!!」
子ライオンが親ライオンの元へ行ったので理由を悟る。
「……あ。迷子の子どもを探したくて親ライオンも家から脱走しちゃったんだろうね」
「でも再会出来て良かったよね~」
僕とかるなーはライオンににらまれて困惑。親ライオンげ臨戦態勢を取って来たのでどうしようと思う。僕は念話で制止をかけてみたが通じている感じはしなかった。
「え!? ちょっと待って! ボクらは何も!! ダメか、聞く耳持ってくれそうにないよ」
「え~~っ!!」
かるなーが生物の興奮を抑える魔法を使うというのでお願いしたが魔法の効果はないようであった。
<ガルルッ>
正確には魔法を鳴き声で吹き飛ばしたというのか!?
「はじいた!? やばいよこいつは興奮でボク達を敵だとみなしちゃってる!!」
急にかるなーの息が荒くなって苦しそうにしている。どうやら短時間に複数回魔法を使用するとそうなっちゃうんだって話だ。




