かるなーちゃんはまだ恥じらっていないようだ
「あ、そうそう。研究室を君の部屋として貸す事は出来ないよ。この研究所には私とかるなーの部屋しかないから。私の部屋、狭いし寝袋渡すからかるなーの部屋で寝な」
ここに寝泊まりする所が少ないのはわかった。でも、かるなーは一緒の部屋でも問題ないけどとキョトンとした表情。何もわかってないのかな?
「え、それは。でも……」
「? 平気だよ一人くらい。私、部屋の片付けするタイプだし広さ的に問題なし。遠慮しなくていいからね」
結局、僕は手を引かれて同じ年の女の子に部屋まで案内されていた。その子はどこに行ったのかいなくなっちゃった。女の子の部屋を散らかしちゃ悪いと一歩も動けず正座する位しか出来ない状況。しばらくして部屋のドアが開く音がした。帰ってきたのかな?
「んー、いいきもちだった♪」
声が弾んでいるからお風呂に入ってきたのがわかる、パジャマの上しか着ていないのは驚いた。女の子の下着が見えちゃっているのに何だかドキドキ。
「わあああぁあ~~~~っ」
「ん? どうしたの?」
「な、何でも」
かるなーの格好が目に入っちゃうし、まともに目を合わせられない気分。時計を見て他の話に変える。
「あ、もう22時30すぎだね。寝なきゃ」
「うん、そうしよっか」
布団の方に目を向けると枕が並べてある。一緒の布団で寝てもいいよってサイン?
「ボ、ボクは毛布をくれれば床で寝るけど」
「ダメだよ、暖かくても風邪引いちゃったら心配だもん」
僕達くらいの年頃でも付き合いが長い子じゃない限り、男の子と女の子が仲良く一緒に寝るのって特別な事だってわかる。だけど、かるなーが涙を出しそうに見つめてきた。これは僕をちっちゃい子扱い、お姉さんぶりたいんだろうなと感じた。
「翔くんが風邪でも引いちゃったら私がお母さんに怒られちゃんだから」
(一緒に寝るのを断るのは無理そうだな)
僕はこういう経験があまりないので目をつぶっても寝付けない。自分の家の布団で寝ているんだと思い込むことで眠りにつこうとする。
眠りにつきそうな所で僕のここの所長の『動物の力が使えるとか?』が引き金になったのかつい一年やそこら前の忘れたい過去がよみがえってきた。
「…………」
思い出したのはクラスメイトの心ない言葉。そういう子達の顔をまともに覚えていたくない状況。
<うわぁっ、翔のヤツが来たよ><お前、来んなよ。また勝手に聞いたりしてやがったな>
思っている事がバレたくない。多くのクラスメイトが本音と建前を使い分けて生きている。人に知られたくない事でも誰にも聞こえない様に小声で言う事もあるだろう。僕達みたいな
小学校一年生二年生ぐらいじゃ特にね。それを僕は皆の前で言っちゃったんだ何回か。イルカ並の聴力を使っちゃった、ボクはただみんなより優れた力がある所を見せたかっただけ。
※イルカは人間の6倍聴力があるそうです。しかし、嗅覚がほとんどないらしい。
<違う。もう皆がそんなやって欲しくないと思っているマネしないから。気味悪がったりしないで>
<今更信じられねーよ、行こうぜ>




