事故に遭いそうな時、メルヘンな子と出会った
はじめまして。僕は不思議と動物に好かれやすい小学6年生の男の子だよ。少しばかり野良猫とたわむれたくてネコ缶を開けたら町内の猫の多くがやって来た。とにかく愛でるけどね。
「あはっ、この町の猫ちゃん達は人懐っこい子達ばかりだ」
頭の上に乗ってきたり、肩の所にしがみついて来る種類様々な猫を「こらこら」と注意しつつも道端で遊んでいた。猫に癒されていたら一匹の猫が道路に出てしまい、トラックにぶつかりそうに。「ミスった」と後悔したがもう遅そうだ。
「うわ~~~~~~~~~~~~!!」
トラックにひかれかかった時は頭の中が真っ白になって、ブレーキ音がけたたましい位なはずなのにそう感じなかった。どれくらい時間が経っただろうか、世界が暗転してあの世へ行ってもおかしくない状況だったのにまだ道路に!? 「あれ?」と予想の範囲外で状況が飲み込めない。
「キミ、私が気づいて良かったね」
「え?」
僕に声をかけて来たのはずいぶんとメルヘンな衣装を着た同年代だと思われる女の子。もう少し説明するなら女の子向け魔法少女な見た目だったというのがわかりやすいだろうか。
「あ、待ってー」
呼び止めようとした僕だったが時すでに遅し。結構距離がはなれてしまっていた。
(い、今のって。正義の味方かな?)
僕がこれから行く場所は大学の研究室。もちろんアポイントメントは取ってある。そこへ向かう理由は僕の動物の心が読めてすぐ仲良くなる体質の調査のため。この不思議体質を調べたい大学の研究室があるからなんだ。そういう訳で大学入口の事務室で事情を話した所だよ。そうしたら研究員の人が入り口にやって来て研究室まで案内してくれた。
「ここで待っていてね。担当者を呼んでくるから」
20代前半だと思われる男性研究員に言われた通り、僕はその場で待つ。一息つけたので建物を見渡してみると、ここの研究室の大きさに思わず声をあげる。
「広い研究所だ。わー」
そういえばと背中にしょっている通学用リュックを降ろそうと手をかけた所、猫の鳴き声と姿に気がつく。
「あ、君は。ついて来ちゃったんだ」
(ミャ――――)
僕には不思議な事に理解出来る。この子猫の考えが。
「え? 帰り道がわからなくなっちゃったの」
僕はせっかく意思疎通が出来る相手《子猫》がいるので話しかける。
『じゃあ、お前の世話をここの人に任せようか? いいエサくれるぞきっと』
(えー、どんなエサだろう?)
『そうだね例えると……僕ならまんが肉。君は魚丸ごととかさ』
少し前からそこにいたっぽい20代後半または30代前半位の腰まで髪を伸ばした凛々しい系な外見の女性に話しかけられて、気づいたばかりの僕は驚く。
「すごいね、それ」
「わぁっ、誰ですか?」
「私がキミをこの研究所に呼んだ所長よ。名前は近野ね。君のさっきのやつに便宜的に名称をつけるけどテレパシーで『動物と言葉を交わせる』素晴らしい研究協力者だよ穂草翔くん」




