危機一髪な状況……!?
地球外生命体に怒りの叫びを上げた陽光だが、相手にしてられんと思う。言っている事を何となく聞きつつ、必殺道具とやらを取りに跳躍した。
「ええかい? あれを使えるんは使い手本人次第タイ! つまり全ては己が魂次第。魂の底から願うと~~!」
ものすごいジャンプ力を発揮している彼に地球外生命体が更なる説明をする。それが聞こえているかどうかは定かではない。
「そしたら必ず応えてくれるんよ! 奴の急所は口の上にある目やぞぉー! 聞こえとんのかいね」
陽光は地球外生命体がふっ飛ばした木の棒をつかむ。取ったとおもったのだが、これはただの太い枝にしか見えない。どう使えというんだと地球外生命体に心中で悪態をついた。
「うわぁ!! びっくりした。植木くんスゴスギー!! そんなに高く飛べるなんて」
その彼女《笹川》の背後にアフリカ系民族の彫る様な仮面顔にイカの胴体な気色悪い怪物(これからはアフリカ系民族仮面で統一)が迫りよって来ていた。
「オイッ。後ろ」
「!!」
彼女は無意識に陽光の形見を抱く。
アフリカ系民族仮面の前に出て胸を引き裂かれる陽光。怪物のするどいツメに深い裂き傷をつけられた彼は痛みを認識するだけで精一杯だ。
笹川は自分をかばった形の陽光が大怪我で墜落していく姿を目の当たりにして声を発する事が出来ない。やっと声を絞り出せたが、彼を呼ぶ事くらいしか出来なかった。
「植木くん!!」
陽光が大怪我を負ってしまったのは自分のせい、彼女は考えなしに飛び出した結果と悔やむ。自然と「ごめんなさい」と謝罪を口にしている。
一方、やばい状態の陽光はそれでも彼女の事を気にかけていた。そのままブラックアウトしかけている。
(……笹川……笹川はどこにいる……? ……クソ……目の前が暗くなって……)
彼は走馬灯を見始めてしまったのか、過去の印象深いシーンを思い出していた。
「また誰かを泣かしたじゃと」
「だってアイツら、俺の事をバカにして来て。父親がいないからって」
「あほめ。力を誇示してどうすんじゃ! そういう事をする者どもは本当の意味で強いもんとはいえんわ」
力の使い所を判断する意味――強くなりたいのは、大切な人を大切な場面で守れる存在になりたいから。数年前の決意、それが今なんじゃないかと念木を握りしめる。こんな所で倒れてちゃいけない、オレは何をやってる! 笹川を助けるんだと思った。そして彼女を守るためアフリカ系民族仮面の前に立ち塞がる。彼女への攻撃はそれたようだ。




