本当に化け物が出て来やがった!
「笹……」
「キレーだな……」
変だと思うとか、ビックリするのが普通なのに彼女の反応は違った。陽光はその反応おかしいだろと疑問に思った事を問いかける。
「いやいや、わかるか!? 東京にオーロラなんて稀にしかないはずなんだぜ? お前のリアクションは絶対違うからな」
「え? え?」
彼らが会話している間に赤いオーロラを吸い込んだっぽいぬいぐるみの様なもの。2人の真ん中で発光した。何でか落ち着いた様子のぬいぐるみっぽい何かに陽光は怒り、殴った。
「いきなり光ったらビックリすんだろ!! アホ!!」
「いった~」
急展開に笹川はおろおろしか出来ない。
「ダメだよぉ、殴ったらかわいそう!」
彼はどんな事よりもぬいぐるみ? が声を発したの事に驚いた。
「いっ……今、『いった~~』とか……」
ぬいぐるみ? が何でか女子っぽいかしましい声でいろんな方言を語る。
「ぷっはぁーっ、そうたいね~。ようやっとしゃべれるようになったばってん」
陽光はぬいぐるみ? がおしゃべりになったので気持ち悪いと感じる。関わりあいたくなさそうにした。
「エ゛ッ、しゃべんのかよ!! 方言ごちゃ混ぜでわかりづれえし。近づくな」
「こん世界の言葉って複雑やち。翻訳するまでにめっさ時間かかっとうわ。自己紹介遅れて悪かけん、わいはアリンブトっていう地球外生命体なん」
信じたくない彼は、地球外生命体の話す言葉を適当にいなす。
「はっ、ヨカッタネエ。地球征服しに来たってか?」
その扱いに地球外生命体が不服そうにしていたり、笹川が話の飛躍に戸惑っているみたいだが知った事ではない――というか陽光はジジイの妄言が実話になるかもしれないじゃないかと困惑していた。
「実はわい、地球《この星》に逃げてきてん。それで頼みがあるん! オーロラが現れたんは奇妙な自然現象と違うんよ。敵がやってくる証拠さ~。そいつらからわいを守っ
て欲しいタイ!」
「はぁあ!? オレらのやる事なはずねえだろ」
陽光の苦情もむなしく、何かが現れる。
「来たとよ、ホラ」
地球外生命体が上空を指さす動作をすると、アフリカ系民族の仮面な顔にイカっぽい胴体をした気色悪い化け物が姿を現した。
(イ……カ……?)
あまりに不気味な外見に一時的に呆ける陽光。しかし、この化け物の攻撃に怖気を感じた彼は笹川を抱いてその場所から離れた。
(なっ……)
笹川を抱いて<ちなみに地球外生命体も勝手に彼女の頭に乗っているが>、その場を離れたのは正解だろう。だが、地面に着地した後も勢いがしばらく止まらない。足でブレーキをかけるよう靴で地面を擦って着地成功。いきなりの触手攻撃は回避出来たが廃寺の縁側床をボロボロにした、何という破壊力だろうか! 何だっていうんだあれは……!! と2人は現状を意識しきれない。陽光はジジイの言っていた「地球外生命体が満月の夜に何か事を起こす」だろうと何度もしつこく言ってきたのはこれなのか? となかなか呼吸を整えられずにいた。




