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ファンタジー詰め合わせ  作者: 霜三矢 夜新
ずっと心を明るく照らそう
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大騒ぎな家族風景

きずなはそこまで笑わなくても良いじゃないといった様子で赤面した。

「悪ぃわりー。冗談だからよ冗談ー」

 そう言いながらも思い出し笑いをしている陽光をどこまで信じていいのか。何にせよ、きずなはそれを不問に付して最大限の感謝を込めて笑顔でお礼を言う。

「その時に"落ち込むな"って言ってくれたよね? おかげで気持ちが楽になって! ありがとね!!」

陽光がしばらく考え込んでいるので場が静かになる。

「…………………………………………………………………………あー、あの時の」

 かなりの長考をへて、やっと思い出したようである。


(忘れてた! この人、完璧に忘れていたよね! 自分で言っておいて)

 

 ショックを受けているきずなに、普通にいつもやって来ている事だったから意識してなかったと陽光はバツの悪い表情を浮かべて教えた。

「まっ、礼を言われるこっちゃないさ。オレは下に妹と弟が1人ずついてよ、その上ジジババの面倒も見てる。だからかお節介じみた事が身についちまって転入生とかほっとけなくてよ。特にあんたは……」

 特に……って何だろうと彼女はドキッとする。

「ドジ、ノロマ、カメ。そんな動きだったからお前から目が離せなかったわ」

 しかし、彼にショックな図星ガガガガーンを刺されただけ。また「学校で」と彼が手を振って来たので手を上げる事で返したきずな。彼女は頭の中で美化していたイメージと違うのが残念と思っていた。

(何か……今日一日で彼のイメージ総崩れになったかも。デリカシーある人かと思っていたのにそうでもなくて)

 彼の良くない面だけでなくて、良い面もあったはずだしと考えてみようと思った。予想通り、そういう面《良い面》もあるという性格についてなどが思い浮かぶ。

(でも、悪い人じゃないのはわかる。正直すぎて損してるだけだろうな彼。良いお友達になれそう)


◇              ◇          ◇

 きずながやさしい気持ちで陽光の良い点を思っているのとほぼ同タイミングで、陽光も彼女の人柄に好印象を感じていた。

(笹川、良いやつだ。ババアからジジイのお下がりを渡され、着させられているオレの姿を見ても笑わなかったしよ~~~~……)


 忘れてた、今日は満月の日じゃねえか――――

家に帰宅してからの陽光、彼は良くジジイとケンカする。

「おいコラッ。ジジイ!! 俺の部屋散らかしたんなら片付けくらいしろ! 最低限の常識だろ」

「うるさい、ガキが!!」


 あー、でもダリいし忘れたフリしてごまかすか。そうしちまおうと思った。


 食事の時間でも近くの席でイラッとする仕草をしてくるので陽光はジジイにつっかからずにはいられない。

「ジジイ、テメーは肉ばっか食いすぎだろ―よ!!」

「年寄りに暴力ふるうの、陽光君、ヒドイんだ~!!」

「誰だよ!!」

 彼の弟はまだ乳児から幼児になるくらいの歳なので特に気にせず食事を口にしている。だが彼の妹は「ねーっ、2人ともやめたら~」と仲裁していた。他にもバアさんが「陽光、バアさん怒るぞい!」といさめたりするそういう賑やかな食卓、彼の家で毎度のように起こっている事だ。


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