信じてもらえないから人間不信?
考えてみて一つの結論に辿り着いた。
「もしや……だけど」
佐古の心を象徴するかのように、天気が回復して晴れ間がのぞいていたはずなのに一転してどんより雲が集まってきていた。彼はそんな天気なんか気にせず、屋上の給水塔の地面に寝っ転がっている。
「やっ、不良さん?」
彼と目線を合わせて花子さんは問いかけた。
「退学みたいね?」
返事がないのにもめげず、茶化した口調で佐古に聞く。
「お前が犯人って事で解決?」
「……ちがう」
自暴自棄に見える佐古に、素直になりなよと進言するが――
「さっきの謝れば信じてもらえ……」
「ムリだ」
食い気味に花子さんの意見を遮り、佐古は体を起こして座ってからやり場のない怒りを吐露する。
「わかってくれねえんだ。素行が悪いのを理由に疑い続けられてな。やってねえっつーのに!!」
その態度にも問題あるんじゃと花子さんは本音を口にしてしまった。
「疑われるような態度や言動を……」
「黙りやがれっ!!」
彼が今日、家から持ってきた物がある。学校屋上ドア前に放置して給水塔に登る前に持ってきていた。それは有名な大衆服専門店の袋。花子さんにそれを投げつける。
「なにさ?」
当てるように投げつけて来た訳ではない。その理由が気になって袋の中身を調べ――
「服、女の子用?」
「妹のお古だがな……くれてやる」
「な、な、なっ」
いくら実体の無いお化けの類だろうと嬉しいという気持ちは隠しきれずにいた。花子さんが照れて「こんな物を貰っても嬉しい霊がいる訳ないだろ」と言ったところ一蹴されてしまう。
「どうして!? 私、お化けなのに!?」
「知るかよ!! 既存の価値観なんぞ!!」
したいようにしろよと、佐古はどこか素直になって花子さんの心を動かす事を言った。
「お前さ……人生短かったんだろ? だけど今からでも楽しめる事があればやりゃあいいじゃねえか」
「……ありがと」
花子さんがお礼を言った時の表情と声に嬉しさを帯びさせる。佐古はストレートに感謝の気持ちを伝えられるのは久々だからか照れ隠しに意味のない罵倒をしてしまう。
「は!? 俺は別に……!! ターコ!!」
佐古が反応に困って照れ隠しで悪口を言ったのは理解。だけど、素直な気持ちを表現して欲しい。なのでトイレットペーパーを操る仕草で黙らせた。
「ありがとうって言ってるの」
「どういたしまして……だ」
トイレットペーパーを霊力で操る花子さんにまた痛い目に遭わされそうだ。それは御免だと、少し顔を青ざめさせた佐古が自然とお礼を口にする。




