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ファンタジー詰め合わせ  作者: 霜三矢 夜新
トイレの怪談 花子さんに出会う不良
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お化けだって信じきっていない行動

「待ちやがれよ!! 俺じゃねえんだよ!! 濡れ衣なんだ」

「身の潔白があると?」

 話を聞く気になった花子さんが佐古に巻きつけていたトイレットペーパーを外していく。そうして発言が許される状態になった彼は花子さんに質問する。

「お前よ、ここにいたんなら犯人に心あたりがあるんじゃねえの!?」

 痛いところをつかれたという表情を一瞬浮かべた花子さん。恥ずかしそうに花子さんは正直に答えた。

「ちょうど寝ていた」


 うわぁ、役立たずの言い訳じゃねえかと佐古は顔に出していた。更に続いてぽろっと本音を口に出してしまう。

「……役立たず」

 トイレットペーパーを霊力で再びきつく巻かれる。それだけでなく、締め付けがやばい事になっているからか体が悲鳴を上げ始めた。骨などがやばい事になる前に謝罪した。

「スイマセン! スイマセン!!」

 花子さんに気を鎮めてもらったら大方のトイレットペーパーは自力で取り除けるようになった。佐古は彼女が許してくれたっぽいので巻き付いているものを取っていく。

「待てよ。なら、俺を犯人と断定する証拠もないだろ?」

「……そうかも。ならば犯人は誰?」


 これ以上付き合ってられるかという感じで突き放すことにする。

「知らねえ! 寝てた結果がこれだっつーの、バカが」

 無機質な瞳で佐古を見つめる花子さん。

「私だけでさがすね」

 そう口には出していつつも、佐古の利き手を花子さんがトイレットペーパーに霊力を込めたやつでしめあげていく。言葉と行動が一致していないが、花子さんのメンタルが傷ついたのだろうと予測出来た。


「待て! 俺も手伝うぞ。捜してやる!! 身の安全と潔白を考えて」

 花子さんが下手すれば人をあやめる力さえ持ち合わせていそうなので、佐古は保身のために犯人を捕まえてやると思う。


              ◇

 トイレのそばに塗料入れが置きっ放しというのもどうかと考えた佐古は塗料の置いてある美術準備室に片付けに行く事を決める。

「どっか行くの?」

「トイレ《現場》にあった塗料とか、他には絵描き道具のある部屋にな」

 今更宙に浮いている花子さんを見上げながら「マジでおばけだ……」と確認している佐古が改めて花子さんに愚痴をもらす。

「お前が心当たりあれば楽なんだが?」

「うーん、そうねえ」


 考えこむ仕草をする花子さん――

「怪談とか怪奇現象の類の存在は知名度が高いほど実力があるのね。だから名も無いおばけが良く事件を起こしていても微々たるもので気づかれないものばかり。物体への干渉力は弱くて自力じゃ無理なはず。人間に憑依できるやつでも私の知る限りでは体の一部分を操るのが関の山でしょ、拒絶されたらすぐ追い出されるし」

 せっかく佐古にもわかりやすいよう、かみくだいた説明をしている花子さんの語りもまじめに聞いている様子はなかった。当の佐古は話を聞かず、自分の手が花子さんの体をすりぬけるのを楽しんでいる。

「わかったの?」


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