落書きをしたと疑われている
どこの学校でも見かけないことは稀だと思われる授業をサボっている不良。まだ暑さの残っている9月中旬だが、屋上の日陰がうとうとするのに最適な気温だったせいか放課後まで眠ってしまっていた。テスト受けなかったな、どうでもいいかとテスト期間前なのでもう人気のない廊下を寝起きでだらだら歩く。そんな時、彼は何かを足にぶつけたので、その先を気にする。
「!」
それは黒いペンキだった。先は女子トイレとつながっていたが、こんなものが廊下に転がっていた理由が気になってのぞきこむ。どうせ誰も学校に残ってないだろと思ったからこその芸当だろう。そこには鼻の長い(ピノキオっぽいか?)いたずら妖精の様な絵が描かれていた。
「コイツは?」
その落書きに意味が込められているようなと感じたが、俺には関係ないことかといった風に無視をした。
次の日――
学校に登校時間内に到着するなんてダルかった彼。一時間目をサボって、休憩時間にサボりに使っていた空き教室を出て休憩時間に登校した。なのだが、教室に来て早々、生活指導担当の先生に呼び出される。いきなり呼び出された彼をクラスの連中が遠慮がちに見つめている。見てないって装っている生徒達にバレバレだと彼は睨みを効かせて脅してから生活指導室に行ってやることにした。
「俺は知らねえっつうんだよ」
生活指導室のドアを乱暴に開けた彼に、最初から疑ってかかる生活指導顧問に怒りを募らせていた。
「嘘をつくな! トイレに落書きが残っているのを多くの生徒が見ているんだ。書いたのはお前だろう、佐古!!」
決めつけのひどい生活指導顧問。体育教師という職業柄か、ガタイがでかい。顔がサル科に似ているので生徒間ではオランウータンと呼ばれている。そんな見た目とガタイなので不良とはいえ、威圧される。
「トイレ付近で見たって証言をしている生徒もいるんだ、認めろ!!」
威圧されようとそんなものに佐古は怯まない。身に覚えのない事なので怒鳴られる筋合いはないと思っていた。
「通りがかったのは偶然だ! 俺がやったとか断言してやがるがそれだけの自信があるんだよな!?」
生活指導室で説教しているので、隣接している職員室の校長や教頭、保健の先生などが聞き耳を立てたり、のぞいたりしているのを承知の上で生活指導顧問がしてやったりといった表情で佐古を指差していた。
「あんなのは程度の低い劣等生しかやらん! つまりは佐古!! 貴様だよ!!」
彼は他の先生が見ている中でオランウータン科のように鼻息荒く決めつけてくる生活指導顧問に腹の虫が強くなる。
「馬鹿にしてんのか?」
身の潔白を主張するために、机を叩いて反論した。
「見た目だけで決め付けんじゃねえ!!」
そんな彼の主張になんて取り合わず、脅してくる生活指導顧問に面白くない気持ちを押し殺してこれ以上の議論は無駄だと判断する。
「落書きを消すんだ! そうしないと退学にするからな!」
「違えっていうのに聞きゃしねえ! だが退学だけは。遊べなくなるのだけは!」




