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いざ、酔いて。
誰かの詩
いざ 酔いて
月の真下を行かん
短き旅路の供は
猫と徳利
十六夜の
月は雲が向こうに
酒を呷りて
徒歩にて進む
我が目には見えずとも
そこに有りける月の
声を聞くがごとく
力を感ずるがごとく
目を瞑りて歩き行く
人の世の無常を嘆けども
鐘の余韻の去るを惜しめど
変わらぬものがそこに在る
変わらぬものが何処かに在る
二度 酒を呷る
いざ 酔いて
薄闇の中を行かん
先なき道の先を
酔いの足で進まん
十六夜の
薄闇の向こうを見ん
形なき夢の形を
宵の眼に見出ださん
三度 酒を呷りて
行こうか
闇よ隠すな隠すな道を
雲よ隠すな隠すな月を
見えずとも進めば道はある
見えずとも思へば月はある
今こそ進め




