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れでぃーすとりっぷ!  作者: おじぃ


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8/13

アニメキャラだって年を取る! 大事なのは年の取り方さ!

「「「「カンパーイ!」」」」


 乾杯をして女性三人は中ジョッキのビールを豪快に飲み干し、俺は同じく中ジョッキに氷がたっぷり入ったジンジャーエールを一気飲みした。


「ぶはぁ! うんめぇ!」


「いやぁ、冷えたジョッキで飲むと格別ですなぁ!」


「喉越しが良くなるわね」


 浸地、未砂記さん、絵乃さんの順でそれぞれ感想を述べた。俺にとっては介抱へのカウントダウンだ。ジンジャーエールだってウマイぜ? さすが禁酒時代の代用飲料。だから酔いが酷くならないうちにこちらへのシフトを勧めたいところだ。


 ところが浸地は桝に大吟醸の末廣を注ぎ、未砂記さんと絵乃さんの桝にも同じようにお酌した。


「どうも〜」


「ありがとう」


 未砂記さんと絵乃さんが浸地に礼を言った。


 あぁ、始まった…。俺に迷惑を掛けるの前提という酒盛りが…。


 まぁ小さい頃はこっちが散々迷惑掛けたし、このくらいは仕方ないさ…。


 三人同時に桝一杯の末廣を一口含んで味わっている。


「甘くて深いね!」


「でしょでしょ!」


「それなのに滑らかでしつこくないわ」


「でしょでしょー!」


 末廣を三杯ほど味わったところで、桝を替えて会津ほまれをお酌する浸地を見て、客人に何でも差し上げたがる田舎の人を連想してしまった。


「うへぇ、こっちゃあ辛口だねぇ!」


「だべだべぇー!」


「でも少し甘味があるわぁ」


「さすが絵乃ちゃん! よくぞ気付いた!」


 あぁあぁヤバイヤバイ、三人とも酔ってきたぞ〜。烏龍茶も渋味の中にほのかな甘味があって美味しいですよ〜。おつまみも美味しいですよ〜。あっ、おつまみは順調に消費してやがる。


 それから浸地は末廣と会津ほまれの日本酒コンビを交互に呑み、時々ワインに手を出した。


 未砂記さんは日本酒、ビール、ウイスキー、ワインそれぞれを豪快にランダム呑み。


 絵乃さんはワインとウイスキーを交互に呑みつつ日本酒に時々も手を出して、俺の正面で胸元をパタパタさせながら創風そうふうしている。『創風』ってのは俺の造語なので日常では使わないように!


「あー、広視エローい! 絵乃ちゃんの胸元ジロジロ見てるぅ〜」


 やべ、浸地にバレた。


「広視くんエッチー!」


 続いて未砂記さんも野次を飛ばしてきた。


「あら、見ててもいいのよ?」


 俺が見ておいてなんだけど絵乃さんも絵乃さんだ! あなたミセスでしょ!?


 絵乃さんは未砂記さん同様、高校時代の同級生と結婚したのだが、旦那さんが婿入りしたそうだ。


「なっ!?」


 絵乃さんは俺が考え込んでいるうちにノソノソと回り込んで俺の左肩に絡み付いてきた。右隣には浸地が体育座りしている。消去法で未砂記さんは俺の右斜め前となる。


 肩まで架かる艶やかな髪から漂う甘い香りと吐息に混じる果実酒の匂い。


「うっ!?」


 左手で俺の胸を撫でる絵乃さん。


「ふふっ、鼓動が高鳴ってカワイイ」


 やべぇやべぇ、心臓もだけど、ムスコも元気になってきたぞっ!


「おい広視ぃ!」


 ひいっ! 浸地が怒った!


「なんで枝豆は三つだったり二つだったり一つだったり鞘によって豆の数が違うんだ!」


 豆が三つ入った鞘を縦にして目の高さで撫でながら訊いてきた。


「知るかよ! 成長過程で栄養が行き渡ったか否かの違いじゃね!?」


「も〜、口調が穏やかじゃないな〜。絵乃ちゃんに抱き着かれて動揺しちゃって〜」


「べ、別に動揺なんかしてねぇし…」


「あら、それは女として悲しいわ」


 俺の耳元で色気たっぷりに囁く絵乃さん。


「あああっ!! 違うんです!! そういう意味じゃないんです!! ぶっちゃけ動揺しまくりです!!」


 ああめんどくせー!!


「ぎゃははははっ!! 何あれー!? ムカデが歩いてるぅ〜。超でけー!! 15センチくらいあるねー!! 超ウケるんですけどー!! ギャハハハハッ!!」


 無数の足を規律良く前後させながら窓際を匍匐前進するムカデを指差して大爆笑する未砂記さん。ムカデが歩いてるところの何処が超ウケるんですかー。


「ってか美味しそう」


「美味しそうじゃないです! あんなの食ったら死ぬかもですよ!?」


 このままだと未砂記さんの命が危ないので、俺は近くにあったハエタタキにムカデを載せて外に投げた。


「ああっ!! 広視くんおつまみ捨てたー!!」


「おつまみじゃないですムカデです!!」


「広視、食べ物は粗末にしちゃいけないって、小さい頃教えたよね?」


 なんか浸地が説教始めたんですけど!?


「あれは食べ物じゃない! 猛毒持ってる生き物だ! ってか貴女あなたがた仮にも元学園モノのヒロインなんだからイメージ壊すようなマネしないで下さい!」


「へへっ! 元ですから、元! キャラクターだって年取るんだよ〜。長寿アニメだって時代に合わせて作画とか声優さん替えてるんだよ〜。それにね、ハガ〇ンのウ〇ンリィちゃん。あの子が年取ったらどうなるか大体想像できるよね〜」


「ぅわああああっ!! それは俺も薄々想像してたけどさ、アニメキャラは老けないと思い込んでる人々の夢を壊すなああああっ!!」


 ちなみに俺はアニメキャラだろうが何だろうが年を取ると思っている。浸地も言ってたけど、若者キャラだって年齢はずっと同じでも時代によって作画のタッチが異なり、年を重ねる毎にセピア色が出るのだ。


「結局ね、大事なのは年の取り方なんだよ。なぁなぁで生きたり、汚い事したり、ギャンブルで一攫千金とか考えるような大人にならないで、夢を持って清くイキイキとした人生を送るの!」


「まぁな」


 くそっ、酔っ払いに正論で言い負かされたっ! なんなんだこの敗北感は!


 それから暫くして、絵乃さんと未砂記さんはその場でスヤスヤと眠ってくれた。


 つまり、浸地との絡みはまだまだ続く…。


 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 ムカデが首筋を這うとくすぐったいです! 致死量の毒があるので取り扱いには気を付けましょう!

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