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なんだかちょっと百合っぽくなってしまったお話

 広視と一緒に虫の声をBGMに満天の星空を見上げながら他愛のないお喋りをしていたら、22時を過ぎていた。


 広視は今、お風呂に入っている。といってもシャワーのみだけど。


 私は飲み食いして散らかした空き瓶やおつまみのパックや食べ終わった枝豆の鞘や皿を片付けていた。広視が手伝いを申し出たけど、いくら故郷とはいえ神奈川県から遠い福島県へ突然呼び出した揚句、手伝いをさせる訳にはいかない。あくまでも私たちお姉さんのイジリ用マスコットとしての役割を果たしてくれれば良い。


 テレビの点いていない家で響くのは、虫の声と私の足音に、キッチンでは近くの国道を走る車の音が聞こえる。


「ふぅ」


 こんなにゆっくり過ごすのはいつぶりだろう。ずっと変わらない部屋のインテリアは、子供の頃を思い出す。私が小学四年生の頃までは、いま未砂記がお腹を出してスヤスヤ眠っているポジションには、猫背のばぁちゃんが正座して居た。蜻蛉とんぼばかり追い掛けていた私によく、畑の作物を荒らすちょうを捕まえてくれ、なんて言ってたっけ。


「ふわぁ~、おはよ」


 未砂記が目を覚ました。


「おはよ~」


「広視くんは?」


「お風呂入ってるよ」


「そっかぁ。じゃあ私も」


「やめなさい」


「冗談だよぉ」


 眠たそうに目を擦る未砂記。寝ぼけ眼で冗談を言うとは、未砂記の人格は冗談で形成されているのだろうか。


「ヒタッチ、いま失礼なこと考えてたでしょ」


「うん。未砂記の人格は冗談で形成されてるのかって思った」


「やだなぁ、私はマイケル・ジョーダンじゃないよ?」


「それこそ冗談でしょ」


「はははっ、ヒタッチ後でムカデ食え」


「未砂記、さっきガチでムカデ食べようとしてたよね」


「いやいや冗談でしょ」


「いや、ガチです」


「そっか。ヒタッチが言うならそうかもね」


「はははっ、なんだよそれ」


「だって、親友だもん」


「うん。ずっと親友だよ」


 そう。ずっと親友だよ。世の中がどんなにかわっても、それは変わらない。シワくちゃになっても、どっちかが先に旅立ってしまっても、ずっと、ずーっと、親友だよ。だからね、未砂記、私のもう一人の親友と、どうか末永く、幸せにね。

 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 更新遅くなりまして申し訳ございません。


 短期連載なのにグダグダやってきた『れでぃーすとりっぷ』ですが、そろそろ完結させようかと考えております。

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